月別アーカイブ: 2012年11月
納得いくまで
千葉教室Kさんの作品を、ご紹介致します。
仕上げデビューで、たくさん仕上げて下さいました。
初めての仕上げとしては合格点の完成度なのですが、Kさんは
お気に召さないとおっしゃいます。
立体視に優れた方なので、いろいろ気になってしまうのは
よくわかります。
私共でお教えしているのは、蒔き放ちという技法です。
この技法は、やり直しが可能です。
ですので納得がいかない場合は、何度でもやり直しOKです。
Kさんは画像にない2点のやり直しにチャレンジして下さるとのこと。
来月、リベンジの成果が楽しみです。
洋食器もOK!
金繕いというと、和食器のイメージが強いと思いますが、技術的には
全く変わりがありませんので、同じように修復出来ます。
現在修復のご依頼を受けている物ですが、問題なく修復出来ます。
ただ仕上げは違和感のないように工夫しています。
講座にご参加の際には、和洋こだわらずお持ち下さい。
大丈夫です
10月から新規受講して下さっている方から、ご質問がありました。
同じ悩みをお持ちの方が他にもいらっしゃるのではないかと
考えましたので、ブログでもご紹介しようと思います。
第2回になる今月のカリキュラムは「ヒビ•ニュウを止める」でした。
お持ち帰りになる際、まだ乾いていない漆の養生の為にラップを
かけて頂きましたが、それを取る際に漆が剥がれてしまったと
心配なされてのご質問でした。
答えは…大丈夫です。問題ありません。
作業して頂いた漆はヒビ•ニュウに入っていればいいので、表面の
漆の状態は関係ないのです。
ですので“宿題”としてお願い致しました作業を、そのままお続け下さい。
金繕いの途中段階は美しくありません。
始められたばかりの方にすれば、失敗してしまったのではとご心配に
なるのももっともな状態です。
しかし完成が近くなりますと、霧が晴れるように綺麗になります。
どうぞご心配なく!
もし迷われるようでしたら、無理に手をつけず、そのままお教室に
お持ち下さい。
完成しました
先日「仕上げ直前」とご紹介しました平鉢の仕上げをしました。
銀で仕上げをしています。
今は白銀という状態で目立っていますが、いずれ硫化して色が
黒く変化してきます。
この器は縁の釉薬が黒なので、仕上げが器に馴染んでくる予定です。
あとは依頼して下さった方に育てて頂きます。
銀の仕上げは金より難しいのですが、変化後を想定して仕上げをして、
変化の途中も楽しめます。
アストロメリア
クリスマス気分を先取りの、赤いアストロメリアです。
ユリ科の構造は、基本が3であることです。
一見花びらのように見えるガク片(外花被片)が3、花弁(内花被片)も3です。
このアストロメリアもセオリー通りの形をしています。
またユリ科に限らずラッパ形の花は、正面から見ると奥行き感を出すのが
難しいのですが、挑戦しないと上手く描けるようにはなりませんよね。
今回ブログに載せるにあたってユリ科を調べたのですが、チューリップ、
ヒヤシンス、スズランは想像がつくとして、ネギ、ニラ、ニンニク、
タマネギ、ラッキョウなど野菜と思っていたものがユリ科だと知りました。
注)分類方法によってはユリ科ではないこともあるようです。
草月いけばな展
山田留里先生の花活けを拝見しに、草月いけばな展に行きました。
山田先生は、鋭い感覚の花活けをされる方です。
私に花活けのおもしろさを教えて下さいました。
山田先生の作品です。
その他、気になった花活けをご紹介します。
こうして選んでみると、自分の好みの傾向がわかりますね。
思わぬ発見です。
教材の販売について
新規受講の方より、ご質問がありましたのでご回答申し上げます。
最初にお配りした教材のうち、漆や薄め液などの消耗品は
製造元(櫻井釣漁具)に直接依頼して代金引換などの方法で
購入出来ます。
電話 03 – 3252 – 0711
(店舗がJR神田駅そばなので、直接行かれるのも便利です。)
私の方でも在庫をある程度持っていますので、ご依頼頂ければ
翌月の教室にお持ち致します。
(1ヶ月に一度しかお会いしませんので、お申し出はお早めに!)
また半年に一度、ご希望を承りますので、その時にお申し込み
頂いても結構です。
おすすめグッズ
金繕いは細かい作業が多いので、手元が見ずらいというご相談を
よく受けます。
オススメなのが、メガネタイプの拡大鏡です。
左がハズキルーペ。
俳優•石坂浩二のコマーシャルでご覧になっているかもしれません。
右はペアルーペです。
いずれも倍率は1.6倍。
メガネをかけている上からでもかけることが出来ます。
手持ちタイプの拡大鏡だと作業が出来ませんし、スタンドタイプだと
器をぶつけてしまう可能性があります。
メガネタイプだとこのような心配がないのが一番いいところです。
また1.6倍というと倍率が小さいようですが、視界が広く作業が
しやすいです。
(拡大鏡は倍率が高くなると、視界が狭くなります。)
価格が1万円を超しますので、出費には違いありませんが、作業の
しやすさを考えますと検討の価値はあるかと思います。
※大変申し訳ありませんが、私の方で販売をする予定はございません。
眼鏡店の他、大手量販店で扱いがあるようですので、ご自身で
お求め頂ければ幸いです。
初めての仕上げ
市川教室のMさんの作品を、ご紹介します。
Mさんは今年の4月から受講して下さった方なのですが、今日の
教室で初めて仕上げにチャレンジなさいました。
2つに割れてしまったお茶碗を接着し、表面の欠損を埋めて
仕上げとなりました。
初チャレンジとは思えない、良い線が描けておられます。
器の釉薬の色と金泥がマッチしているのも、線の美しさを
引き立てています。
ご本人の喜びも大きく、ご指導した私も嬉しくなりました。
金繕いは時間がかかる作業が多いので、完成を迎えると格別の
喜びがあります。
銀のアクセサリー
先般、ブログで紹介した「工房からの風」で出会った中川久美子さん
のアクセサリーです。
私の指に合うように依頼していた物が先日届きました。
「つぶの花」というシリーズ名がついています。
シリーズ名通り、ぱっと開いた花のようなんですが、
粒の部分の光沢がキラキラしているのと、軸の部分がマットなのの
コントラストが気に入っています。
西洋では銀が魔除けになると言われていますが、毒殺を防ぐというのは
日本と一緒です。
現在西洋でも、日本でも銀は月となっていますが、いにしえの日本では
銀は太陽を象徴していました。
このようなところにも銀が上位ということが、垣間見えるのです。