「金繕いの本」が出来るまで2

前回のブログで企画書から始まったと書きました。
続きの今回は「器選び」です。

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金繕いのプロセスを示すのは「新うるし編」「本漆編」「応用編」の
3つで、計13点あります。
まず「新うるし編」では初心者が取り組まれることを想定し、日常生活で
使われるような器、「本漆編」では本格的に取り組まれる方のために、
抹茶茶碗、西洋骨董などワンランク上の器を選定しようと方針が決まりました。
さらに、それぞれの章で提示したい技術があり、それに該当する器を選んで
行きました。

言葉で言うと簡単ですが、条件に見合う欠損があるとは限りません。
金繕い前からプロセスを追って撮影していくので、すでに金繕い中や
完成してしまった器は諦めざるを得ないのです。
もちろん本にふさわしい見栄えも必要です。
Y編集長の意見を聞きながら、原先生と私で、それこそ食器棚を総ざらえ
するように、器を探しました。

それをまとめた表が上の画像です。
これを出版社でも器の種類に偏りがないかなどチェックして頂き、決定と
なりました。
(仮案の器もあります。)

器の選定は、本の印象を決めます。
最初の山場でした。


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