月別アーカイブ: 2017年6月

使えない

郵便局に行くたびに、ついつい覗いてしまう記念切手。
切手趣味週間 「燕子花図屏風」です。

根津美術館蔵 尾形光琳筆の右隻、左隻が分割して切手になっています。
とても綺麗だったので購入。
しかし、これは使えない!


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トクサ どこで磨く?

トクサのどの部分を使って磨くのですか?という質問を
受けました。
この質問を受けて、自分の中で当たり前になっていて、
きちんとご説明していなかったのではないかという
ことに気がつきました。

では3択です。

A. 1節の切断面で削る

B. 筒状の部分の表面で削る

C. 節の境目にある袴部分で削る

※画像の黒い部分が袴です

正解は B の筒状の部分の表面です。
ここにはガラスと同じケイ酸が蓄積されています。
ケイ酸は釉薬とも同様の成分なので、漆類は削れますが、陶磁器は
削れないという理屈になります。

A.切断面 や、C.袴部分にはケイ酸は含まれていません。
凸凹はあるので、それで多少は削れるかもしれませんが、修復部分
を滑らかに整えるのは難しいと思います。

技術をお教えする立場として、慣れてしまってはいけないと反省した
ご質問でした。


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トクサの植え替え

藍に続き、トクサも植え替えしました。

昨年渇水させてしまったのが春に復活してきたものの、細々と
芽が出てきた状態でした。
比較的しっかりした株を2鉢に分け、細々とした芽と新たに
購入した株と合わせて1鉢にしました。

合わせて北側のベランダに移動。
午前中に日差しが入りますが、午後の厳しい日差しは回避出来ます。
これと水やりを真面目にやることで、変化が起きることを期待します。

以前のブログでトクサを見ると、生い茂った画像が出てきました。
いかに悪い状態にしてしまったか、改めて認識してしまいました。

こんな葛藤をしながらトクサを育てていると、理解して頂きたいと
しみじみ思っています。


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粉鎮代用品

金属粉の包みの巻き上がりを抑える道具を粉鎮と言います。
専用のものを入手しなくても、お好みで代用品を見つけて
頂ければと思っています。

画像の右側に写っているのは箸置きです。
磁器製で小ぶりなので丁度良さそうと購入しました。

画像の左側に写っているのはハイドロカルチャー用のガラス玉です。
体験講座で使っているので、ご覧になったことがある方もおられると
思います。

いずれもある程度の重さがありながら高さがないこと、静電気を
帯にくい素材であることが条件になってきます。

カッターなどの道具で代用することもありますが、削りカスなどが
混入してしまう恐れがあるのでお勧め出来ません。
やはり何か専用のものを用意されると良いと思います。
使っていてテンションが上がるようであれば、なお良いですよね。

仕上げにチャレンジしようという方は、是非ご検討下さい。


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トクサと大トクサ

初夏の今くらいにトクサの苗が出回ります。
近隣のホームセンターに行きましたら、ビオトープ向けの
植物としてトクサが販売されていました。

ところで間違えてしまいやすいのが、大トクサです。
同じ売り場に、この大トクサも販売されていました。

上の画像と見比べて頂くと、ぱっと見でわかりやすいのが太さです。
大トクサは直径が1cm以上になりますが、トクサは7〜8mmです。
大トクサも使えないことはないのですが、あまり作業がはかどりません。

昨年トクサと思って購入された株が、肥料をやって育てたら今年1cm
超の太さで立派な大トクサになってしまったという方がおられました。
販売店でもわかっていないことがあるくらいなので、致し方ないかも
しれません。

教室では乾燥させたトクサを販売していますが、頻繁な水やりと肥料やり
を経て、乾燥、保管を考えて、割高感は否めません。
出来ればご自身で苗を入手して頂き、育てることをお勧め致します。
当然ですが、無料でたくさん下さいというご依頼はご遠慮下さい。


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再度ご連絡下さい

ホームページのコンタクトから藤那海工房の金繕い教室に
受講希望のご連絡を頂いた方へ。

頂いたメールアドレスに返信したのですが、アドレスが見つからないと
送信出来ませんでした。
大変申し訳ありませんが、お心あたりの方は再度別のアドレスでメールを
お送り頂くか、同じアドレスで他の連絡方法(住所など)をご連絡
頂けないでしょうか?

どうぞよろしくお願い致します。


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根津美術館 企画展

根津美術館の企画展「初めての美術館賞-紙の装飾-」を見て
きました。

自分で作っているわけではないのですが、かな書をしていると
料紙(書を書くための紙)が気になります。
料紙の技術にはどんなものがあるのか勉強したいというのが
出かけた動機です。

「雲母(きら)摺り」という雲母の粉末を膠などで溶いて、木版
で文様を紙に摺りつける方法がありますが、これを特殊な照明
(展示物の正面からLED照明を当てる)で鑑賞できるようにするなど
工夫がなされた展示でした。

根津美術館の意図通り、かな書は読めないと敬遠されがちですが、
料紙や軸装の美しさや、単純に書かれた文字の美しさを鑑賞する
だけでも良いのではないかと思います。

私は現在臨書している藤原行成の字がいいと思っています。
優美でありながらもメリハリがあり、力強さも感じます。

時間がありましたら是非庭園も散策なさって下さい。
カキツバタの花期は終わっていますが、緑に溢れ、都会とは
思えない静けさです。


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膠下地しているところ

ゴールデンウィーク中に金箔を貼った小さめのハマグリ貝
に膠下地を作りました。

奥に写っている計量カップの中に膠が入っています。
それを平筆でごく薄く塗り重ねるのですが、貝の中に溜まらない
ように立てかけて乾燥させます。

以前のブログにも書いていますが、金箔を貼って顔彩で絵を描く
場合には膠で下地を作る必要があります。
その下地がないとせっかく描いた絵が剥落してしまうからです。

顔彩で絵を描いてみたい方は、具体的な方法について教室で
ご質問下さい。


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藍の株分け 2017

尺取り虫の食害や強風にも負けず、藍の苗が10〜15cm弱に
育ったので、株分けを行いました。

当初の予定では来週のつもりだったのですが、この1週間で
成長が著しく、一気に15cm弱までになっていました。
これ以上大きくなると株分けがしにくくなってしまうと思い、
株分けを決断しました。

成長具合が良い6株を選んで、2株づつ3つのプランターに植え
ました。

あまり生育の良くない3株は諦めて処分。
残りの8株は、今年も原一菜先生が引き取って下さることになって
います。

今日から水遣りも夕方から夜に切り替えます。
植物は夜に成長するので、夕方以降の水遣りの方が効果的
なのだそうです。
講座日によっては朝から出かけるので、夕方以降の水遣りの
方が余裕を持って出来ます。

生藍染めは、葉のコンディションひいては株自体の健康状態に
左右されます。
渇水はもちろんですがアブラムシにも気をつけて、8月中〜下旬
の生藍染めを目指します。


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磁器の窯キズ

珍しい磁器の窯キズです。


ここまで素地が裂けてしまったものが製品として出回ることが
ないはずなのです。
数年前に世田谷ボロ市で、裂け目にパテが詰められて青色に着色
された状態のものを入手しました。
完全にパテを除去し、最初から金繕いし直してあります。

窯キズ修復の形として分かりやすいので、窯キズの金繕いをご希望の
方に参考にお目にかけようと思っています。


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