第1回 漆工房時蔵展

以前ご紹介しました坂本鐡司さんが所属している時蔵工房の
展覧会がありましたので、拝見しに出かけました。


会場となった神奈川県・JR大船駅近くの鎌倉芸術館です。

まずは坂本さんの作品です。


様々な塗りの技法を施したものを鏡板などに配置した箪笥です。
見ているだけで楽しくなります。

木枝・真竹・竹根を薄切りにしたものを盆底に貼ってあります。
斬新なアイディアです。

私も頂戴した弁当箱と箸です。
今回の弁当箱は胎が草籠なので、とても軽いです。

その他気になった作品をご紹介します。


第44回鎌倉彫創作作品展入選作品です。
幾つかの色で塗り重ねてあるので、研ぎの加減で思わぬ色が
出るそうです。

90歳代の女性の作品です。
とても丁寧な作業をされていることに感嘆しました。

こちらもご高齢の方の作品です。
驚きなのが手前の箱です。
内側の刳りを作るための鉋を自作されたとか。
素晴らしいです。

伊勢型紙で文様を入れた銘々皿です。
和とモダンさが同居した感じです。
私もこのような作品を作ってみたいと思いました。

時蔵工房は鎌倉彫りに限らず自由に制作出来るそうで、出展されている
作品も器あり、楽器あり、パネルありとバリエーション豊かです。
その上、プロとして活動されている方もおられるので、会自体の
クオリティーも高いです。
技法的にも面白いものがありましたので、今後の制作の参考に
させて頂きます。

最後に時蔵工房代表の岡英夫先生の図録の挨拶文で漆工芸の魅力が
書かれてある部分を抜粋してご紹介します。
漆工芸に魅せられる理由が語られています。

漆塗による多様な表現手法には限りがなく、制作には大変な手間と
多くの時間を要します。
しかし漆塗にはその苦労を遥かに超える魅力と奥深いものがあり
多くの人の心をひきつけます。

岡先生のおっしゃる通り漆塗は作り手を反映します。
今後も精進したいと思います。


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