目から鱗の質問1

最近、目から鱗が落ちる質問を受けたので、ご紹介したいと思います。
いずれも金繕いに詳しくはない方からの質問です。

まず受けたのが「漆が塗料として使われるのは理解出来るが、接着剤、
充填剤として使われるのは理解出来ない。」というものです。


NOA 錆漆の硬化した状態

当たり前のように思っていたので、この質問を受けてびっくりしてしまった
のですが、現代の物は塗料は塗料ですし、接着剤は接着のみ、充填剤の
パテはパテとしか使われません。
1つの物が別の用途に変化するというのは、確かにないのです。

お答えしたのは「接着剤、充填剤として使う場合は、何らか別のものを
混ぜて使います。」だったのですが、さらに困惑した顔をされてしまいました。
そうです。
例え別の物を混合するとしても、現代のものではそのようなものはないからです。

本漆の説明をする時に「史上最強の塗料」とお話しますが、単純に質が強いと
いうだけでなく、変幻自在というところにもあるかもしれません。

化学的なものが一切ない縄文時代から日本人は漆を活用してきました。
何千年と時間をかけて有効な方法を見出してきたことを思うと、感慨深いものが
あります。


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