鉢映り

NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
盆栽鉢の漆繕いです。


黒系の釉薬の盆栽鉢ににゅうが数本入っていました。
幸い深刻な状態ではなかったので、ひび止め自体を黒で行い、目立たなく
して頂きました。

鉢の内側にその痕跡が残っていますが、土を入れれば見えなくなってしまうので
問題ありません。

出雲大社ヤブツバキを植えられたところです。
漆繕いした部分が正面にあるのですが、全くわかりません。

ここで「鉢映り」という言葉を教えて頂きました。
盆栽の世界では木と鉢の相性を重要視されるそうで、その様子に関して鉢映り
という表現が出てきます。

Hさんの作品の場合、濃い赤の花をつける出雲大社ヤブツバキと黒い釉薬の
鉢は「鉢映り」が暗いとなるようです。
ダークな色味同士を合わせると引き立たて合わないということだと解釈しました。

色彩学では「美度」という数値を算出します。
色相、トーンが乖離しているほど美度が高くなります。
恐らく美度が高ければ高いほど鉢映りがよくなるのではないかと推察しています。
いい勉強をさせて頂きました。


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