月別アーカイブ: 2025年11月
山陰民藝窯元の旅 鳥取駅周辺
前回に引き続き山陰の窯元を巡った旅のご報告です。
今回は窯元ではありませんが、山陰の民藝には欠かせない
吉田璋也氏ゆかりの空間を鳥取駅周辺に訪ねたところです。
まずは「鳥取民藝美術館」です。
耐火構造とのことですが、元々は蔵だったのかと思わせる建物
の中に鳥取の民藝品が並んでいます。
美術館の向かいには国登録の有形文化財になっている吉田璋也氏の
吉田医院が立っています。
鳥取民藝美術館の横には吉田璋也氏が始めた「鳥取たくみ工芸店」
があります。
こちらは吉田氏ゆかりの窯元の器の他、日本各地の民藝の品を
取り揃えておられるので、民藝を知るにはいいお店と思います。
また並びにある「鳥取たくみ割烹店」は鳥取民藝美術館の雰囲気で
お食事が出来ます。
鳥取は海鮮ばかりでなく、お肉も美味しいので、ハッシュドビーフを
頂きました。
この後は松江方面に移動します。
ミッキー増殖
NHK文化センター千葉教室のTさんの作品をご紹介致します。
ミッキーマウスのプレート皿の欠けです。
お孫さんのミッキーマウスのシルエットが散りばめられたプレート
皿です。
中央右縁に欠けが生じていました。
欠損を埋めた後、欠けの形の通り金属粉で仕上げをするのではなく、
ミッキーマウスのシルエットの形を使い、色漆での仕上げをされ
ました。
お孫さんのものということで、お子さんから見て違和感のない
完成形にするというのは大事なことだと思いました。
ただ欠損を埋めたところから色漆に変えるのは簡単ではありません。
1段階踏む必要がありますので、あらかじめ手順を確認してから
仕上げの色漆に挑んで下さい。
山陰民藝窯元の旅 因州・中井窯
10月末に鳥取、島根にある民藝の窯元を巡る旅に出ました。
その時の様子をご報告したいと思います。
まずは鳥取県河原町にある因州・中井窯です。
今年、開窯80年を迎えた中井窯は鳥取の民藝運動を行った
吉田璋也の指導の元、新作民藝の礎を築きました。
特徴は黒、エメラルドグリーン、白を使った染め分けの釉薬。
モダンさが際立ちます。
ファッションブランドのBEAMSでも取り扱いがあるそうですが、
すぐ完売してしまうそう。
近年は青磁にもチャレンジされており、ギャラリーの奥に展示された
作品の形と釉薬の美しさに心惹かれました。
丁度、作陶展の前でギャラリーに豊富に展示があったこと、作陶中の
作業場に入れて頂けたことは現地に行ってこそのラッキーでした。
鳥取コナン空港から車で1時間半程で着きますが、不定休なので、
訪問の際には確認してから行かれるといいと思います。
馴染んだ仕上げ
藤那海工房 金繕い教室のMさんの作品をご紹介致します。
常滑焼の急須の注ぎ口の割れでした。
急須の注ぎ口は突出している分、割れやすい場所でもあります。
Mさんの作品も先端が割れてしまっていたのを接着し、和紙で
補強して頂きました。
常滑焼は急須として非常にポピュラーな産地ですが、独特の陶土で
接着の成績が良くありません。
よって事前の準備が必須になります。
Mさんの作品は諸々の作業を進められ、これから先、またぶつけた
としても再破損せず、お使いになれるよう和紙で補強されました。
仕上げは薫銀泥で本体の色に馴染み、違和感がないかと思います。
特にご覧頂きたいのはMさんのこだわりにこだわった仕上げの美しさ
です。
クローズアップの撮影にも耐えられる完成度をご覧下さい。











