カテゴリー別アーカイブ: 貝合わせ

ハマグリ貝入りの打菓子

福島のお土産で頂いたハマグリ貝入りの打菓子です。

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中のお菓子も貝がらを形取っていて、可愛らしいです。

貝合わせ制作の為の貝がらの入手先として、このように入れ物と
されているのを利用するという方法もあるかと思います。

画像の貝は、正三角形に近い形からいって関東地方で手に入りやすい
「チョウセンハマグリ」ではなく、桑名産の「ハマグリ」と思われます。
大きさは縦6.5cm 横7.5cm と少々小振りです。

表皮は取り除かれていますが、蝶番が残っていますので、いずれにしろ
磨き直しは必要です。

参考までに販売先は会津若松の「長門屋本店」です。


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貝磨き 誘惑に負けないで

貝合わせ制作のカリキュラムでは、まずご自身でハマグリ貝を
召し上がって頂くところから始まります。
その後水に1か月以上浸けて頂きます。

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そうすると画像のように表皮が水膨れのようになってきて、いかにも
めくれそうになります。
しかし、ここで誘惑に負けないで下さい。
どのように作業していくのか、教室で確認して頂きたいのです。

というのも表皮がないのに水に浸し続けると、もっと厄介なものが
貝の表面に付着します。
もちろん貝がダメになってしまうわけではありませんが、面倒な作業が
待っています。

敢えて面倒な作業に挑んでみたいという方はいらっしゃらないと思います
ので、どうぞ誘惑に負けないようお願いします。


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ハマグリ貝の数え方

金繕いのカリキュラムの中に金箔の練習のために「貝合せ」の
制作が組み込まれています。
ハマグリ貝はご自分で準備して頂くのですが、最低2組とお願い
しています。

さてこの2組ですが、どのように数えておられますか?

A.2枚貝の片貝を1枚と数える(下の画像の状態で2組)
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B.2枚貝セットで1組と考える(下の画像で2組)
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正解はご存知の通り B です。
しかし意外にAと考えられる方が多いのです。
ご親切に貝の準備がまだの方に、自分は2組(実際は片貝の2枚)の
準備があるのでと譲られようとされたりします。

古来から日本人は、ハマグリ貝は対になるものしか合わないことに
意味を見いだしてきました。
現代ではハマグリ貝は特に意識しないものになっているかもしれません。
それでもそういう文化であったことは大切にしたいと思っています。
ですので数を数える際には、是非2枚貝のセットで何組とお考え下さい。


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貝の中の雛

NHK文化センター柏教室で、ハマグリ貝の中に雛飾りをあしらった
ものをお持ち下さった方がおられました。

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30年ほど前のものなのだそうですが、男雛と女雛が片貝に重なるように
して入っています。

このようなものを拝見しますと、ハマグリ貝と雛飾りの関係性の深さ
がわかるような気がします。


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桜の貝絵

NHK文化センター柏教室日曜クラスのUさんの作品を
ご紹介致します。
金箔を貼った貝に桜を描いて下さいました。

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カリキュラムでは金箔の扱いを練習するためにハマグリ貝に
金箔を貼って頂いています。
ご希望があれば、これに絵を描くご指導もしております。

Uさんは顔彩の使い方から始め、構図の取り方、桜の描き方
と練習を進め、完成に至りました。
しだれ桜を題材とし、上品な作品に仕上がったと思います。
そして絵を描くというのが楽しくなって頂いたのが、何よりの
成果ではないかと思います。

貝絵には日本文化を背景にしたセオリーがあります。
もちろんご自身のフィーリングで描いて頂いても構いませんが、
せっかく教室に来て頂いているのですから、これを機会に
そのセオリーを踏まえた制作をして頂ければと思っております。

貝香合に仕立てた場合、茶道の流儀によってはあしらい方に
異存がある方がおられます。
しかし陰陽など日本文化をもとにしてご説明しておりますので、
ご自身の流儀の主張は心の内に収めて、お聞き頂けたら幸いです。


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三春の貝香合

少し前のブログで珍しいご依頼を受けましたと書きました。
それをご依頼主のお許しを頂いたので、お目にかけたいと
思います。

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ご依頼は、茶人であるご依頼主様が茶事のおみやげに頂いた
ハマグリ貝に「桜•梅•桃」を描いて欲しいというものでした。
返礼の茶事に貝香合として仕立てるためです。

お引き受けしたのは、このように特別に誂えるというお考えが
素晴らしいと思ったことと、返礼の茶事を受けられるお客様が
東日本大震災で被害を受けられた福島の方だということです。

なぜ「桜•梅•桃」の3種の花を要望されたかというと、福島は
春にこの三つが同時に咲くからなのです。
それぞれの花の格に応じて男貝•女貝に配置しました。
特に桜は福島の銘木•滝桜です。

書き込んだ書は、
「見わたせば 柳桜をこきまぜて 宮こぞ春の 錦なりける」
という古今和歌集の素性法師の歌です。
春爛漫らしい歌として、本歌取りしました。

ご依頼主様が喜んで下さったのは前のブログに書いた通りですが、
お客様がすぐご自分の差し上げた貝だと気がつき、言葉を詰まら
せるほど喜ばれたとお聞きしました。

ご依頼主様の一期一会を大切にされるお茶事のお手伝いが出来た
こと、東日本大震災に遭われたお客様のお気持ちを少しでも
お慰め出来たのではないかと思うと、本当に満たされた気持ちに
なりました。
このご縁に感謝です。


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シナハマグリとは

金繕いのカリキュラムで行っている「貝合せ」ですが、ご自分で
ハマグリ貝を購入して用意して頂いています。
この際、国産の貝をお選び頂くようにお願いしています。

それは国産の貝の方がカラが丈夫だからということと、柄が美しい
ということがあります。

中国産のハマグリ(シナハマグリ)は、地が黄色っぽく、頂点の
ところに縞柄があるだけです。

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対して国産のハマグリ貝です。

こちらは鹿島灘から九十九里海岸で採れる「チョウセンハマグリ」です。
色柄が様々なのが、おわかり頂けると思います。
やはりお求め頂くなら、国産の貝がよろしいかと思います。

ある程度の大きさのハマグリ貝が出回るのが、3月3日のひな祭りまで
です。
貝合せの為に購入をご検討の方は、この時期までにお探し下さい。

なお「シロハマグリ」「大ハマグリ」などの名前で販売されているケース
もある「ホンビノス貝」は、北米原産なので貝合せには適しません。
お求めにならないようにお願い致します。


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豆雛

金繕いのカリキュラムで作って頂く「貝合せ」ですが、
豆雛を飾ってもいいですとご紹介しております。
NHK文化センター千葉教室のWさんが、豆雛を飾ったところの
写真を持ってきて下さったので、ご紹介致します。

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京都でお求めになった雛だそうなのですが、座布団に乗った
サイズが、金箔を貼ったハマグリ貝に誂えたように収まって
います。

その姿に教室のみなさんから「かわいらしい」の声が上がりました。
整った後ろの屏風や、敷き台にも注目が集まりました。

このようにご自分でお作りになったものを飾って頂くと、お教え
した立場としてとても嬉しいです。

ところで雛の並びですが、Wさんは京都風に従ったとのこと。
並びについては、「関東風」「関西風」とよく話題になります
ので、ご存知の方が多いと思います。

これに関して原一菜先生は礼法の立場から、雛の販売業者の地域に
よる意識や、取り決めの為ではないかと考察されています。
実は雛の並びは座敷の間取り、上座•下座の関係で決まってくるので、
一概に左右では決められないのです。

ちなみに左近の桜、右近の橘は、ある場所を模したものです。


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藤那海工房の貝香合制作

藤那海工房 土曜日クラスで、パール粉による貝香合
作りを行ったものの完成品をご紹介します。

まずはUさん。
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一般的にひおうぎ貝で黄色のものを選ばれる方は少ないのですが、
さすがデザイナー。内側に反対色の紫が出るのが面白いと
制作されました。

次にTさん。
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Tさんは思い切りが良く、ダイナミックに箔類をレイアウトしているのが
魅力です。
こちらも表が黄色、中が紫のひおうぎ貝で制作して下さいました。

最後にSさんです。
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Sさんは作業が慎重で丁寧な方です。
ひおうぎ貝は小振りな方を選んでおられますが、まだらのオレンジ色が
とてもキュートな貝です。
実は思わぬところに箔が着地してしまったのですが、アクシデントも
意匠のうちと楽しんでしまうのも、いいかと思います。

パール粉の貝は上品な光沢がとても人気です。
また中に絵を描いて頂くのも気軽に出来るのがいいところです。

金繕いの教室の中で制作して頂くのは、なかなか大変なのですが、
ご要望がありましたら、お声掛け下さい。


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ハマグリ貝 入手先

NHK文化センター千葉教室を受講中の方々から、ハマグリ貝の貝殻を
無償提供してくれるところがあると情報が寄せられました。

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本日、私も確認して参りました。
頂いてきたのが、上の画像の貝殻です。

大きさ、コンディションも悪くないと思います。
近年、取り方の問題からキズが全くないというのが難しくなって
おりますので、なかなか完璧に綺麗とはならないのは仕方ない
でしょう。

ご希望の方には、詳細をお教え致します。
JR千葉駅から徒歩で行けるところです。
ご自身でお好みのものを探しに行かれて下さい。


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