月別アーカイブ: 2025年9月
文様の格〜花文様を極める
昨年行った「金繕いから学ぶ 文様の格」の続編の講演会を
行います。
題して「文様の格〜花文様を極める」です。
文様の中でもなさりたい方が多い花文様に焦点を当てて説明します。
人間と花の関わりを有史以前から深掘りしつつ、格のある花について
知識を深めて頂ける内容になっています。
日常で当たり前になっている事柄に潜む日本文化の真髄を感じて
頂けるよう現在鋭意準備中です。
ハイブリッド(直接講演を聞いて頂く+オンデマンド)なので、
ご都合の合う方法でご受講下さい。
どうぞ宜しくお願い致します。
10月15日水曜日 13:30〜15:00
NHK文化センター千葉教室
なお前回の「金繕いから学ぶ 文様の格」が再視聴できます。
こちらもご検討下さい。
蒔絵で楽しむ
港北カルチャーセンターのTさんの作品をご紹介致します。
猫の柄が楽しい小皿の欠けです。
小皿の真ん中が欠けるという、ちょっと珍しい破損の仕方です。
恐らく何か尖ったものをお皿の真ん中に落としたのではないか
と思われます。
ですので表の穴は小さく、裏側の欠損の方が大きいという状態
でした。
(破損は当たった方が小さく、反対側に大きく出ます)
少々複雑な形をしていた欠けを埋めた後、悩まれたのが仕上げの
仕方です。
検討された結果、猫の柄にちなんで表は魚の形、裏はそのまま
仕上げて元々あった肉球の形を再現されました。
欠損の形のままだと素敵とは言えなかったと思いますが、元々の
猫の柄にちなんだものを蒔絵することによって楽しい仕上がりに
なりました。
このように前向きなアイディアは大歓迎です。
皆様、自由に発想してみて下さい。
実現のお手伝いを致します。
色漆の仕上げ
NHK文化センター千葉教室のKさんの作品をご紹介します。
茶道具の水差しの割れです。
内側からの画像がわかりやすいと思うのですが。縁が波紋様の
ように割れていました。
Kさんは接着後、欠損を埋めてみると表に描かれた瓢箪の蔓のように
見えるとおっしゃいました。
そこで仕上げは鉄釉の絵に合わせた茶色の色漆で行って頂きました。
近年の金の値上がりで金泥での仕上げを避ける方もおられますが、
今回はKさんご自身のお見立てで色漆を選択なさいました。
いつも色漆がベストの選択になるとは言えないのですが、今回の
ようにお見立てがマッチするといい作品になるという好例に
なりました。
さいたまアリーナの体験講座
NHK文化センターさいたまアリーナ教室で体験講座を
行います。
金繕いの歴史や実際の工程などをご説明した後、金繕いの仕上げ
になる蒔絵を体験して頂きます。
完成した小皿はお持ち帰りになり、ご自分の作品としてお使いに
なれます。
その他、金繕いの講座を受講したら直せるのかどうか、鑑定も
致しますので、お手持ちの直したい器をお持ち下さい。
9月22日月曜日 10:00〜12:00 です。
ご参加をお待ちしております。
網目文様の再現
NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介します。
網目文様のお皿の欠けです。
網目文様は漁業で使われる網を元にして作られた文様で、豊穣と成功、
魔除け・厄除け、武運長久などの意味がある吉祥文様です。
江戸時代に流行し有田焼にも多く使われましたので、この文様の
器をお持ちの方は多いと思います。
Sさんのお皿は縁が欠けて、この網目文様が一部失われていました。
欠けを埋めて仕上げて頂いた後、網目文様を再現するように薫銀泥で
失われた部分を再現して頂きました。
度々柄の再現についてはご紹介していますが、ちょっとしたことで
全くイメージが変わるのがご覧になれるかと思います。
ほんのひと手間ですので、該当する器を金繕い中の方はご検討下さい。
「文様の格」再視聴
昨年10月に行ったオンデマンド講座「金繕いから学ぶ 文様の格」
が再視聴出来ます。
日本の文様には厳格に格付けがされているのですが、それが意外に
知られていません。
格を理解することによって、より日本文化への理解が深まり、作品
制作にも役立ちます。
この機会に是非ご視聴下さい。
詳細はNHK文化センター千葉教室まで。