藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
粉引のお皿の割れです。
絶妙な割れのラインです。
粉引のお皿がキャンバスのように見えるくらいです。
このような意図していないラインが出るのが金繕いの醍醐味
だと思います。
Oさんはお料理が上手なので、このお皿も食卓に復帰しご家族を
楽しませていることと思います。
もう1点。
こちらの湯呑みも素敵な仕上がりです。
藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
粉引のお皿の割れです。
絶妙な割れのラインです。
粉引のお皿がキャンバスのように見えるくらいです。
このような意図していないラインが出るのが金繕いの醍醐味
だと思います。
Oさんはお料理が上手なので、このお皿も食卓に復帰しご家族を
楽しませていることと思います。
もう1点。
こちらの湯呑みも素敵な仕上がりです。
現在、日本橋の三井記念美術館で行われている「茶の湯の美学」展に
行ってきました。
この展覧会は桃山時代から江戸時代初期に茶の湯界をリードした千利休、
古田織部、小堀遠州の茶道具を選び、それぞれの美意識を探るものです。
利休「わび・さびの美」、織部「破格の美」、遠州「綺麗さび」と従来
からの捉え方ではありますが、明確にわかりやすい展示品で構成しています。
私としては織部の大井戸茶碗「須弥」(別名 十文字)をぐるり360度拝見
出来たのが収穫でした。
このお茶碗は大きい径のものを十文字にカットして切り詰めたというものです。
しかしさほど径が小さくなっていないことから他の破損を目立たなくするため
という説もあります。
360度拝見してみて、後の説も頷けるとの実感を得ました。
というのも他の破損の形が物理的に生じた感じではなく、美しくないのです。
是非実物をご覧頂いて感想をお聞かせ下さい。
会期は6月16日日曜日までと、まだ先です。
NHK文化センター千葉教室の方の作品をご紹介致します。
陶器の花瓶の割れです。
全体のフォルムといい、釉薬の雰囲気といい、お花を生けたら
映えるであろう素敵な花瓶です。
ただ割れてしまった縁は外に反り返っており、扱う際には最も
破損しやすい場所です。
食器に関わらず陶器ですので、金繕いの技法で修復可能です。
破片を接着した後、欠損部を埋め、金泥で仕上げられています。
渋い釉薬に金泥が目立ち過ぎない感じで収まっています。
花瓶の場合、破損した部分の後に隠して使っていたという方は
珍しくないのですが、完成後は表に出して飾りたくなるのでは
ないでしょうか。
開館40年を記念して行われている「旧朝香宮邸を読み解くAtoZ」
展に行ってきました。
建築技法、建設に携わった人々、室内意匠や素材、各時代にまつわる
エピソード等、アルファベットのAからZを頭文字にもつキーワードを
ピックアップして解説してあるところを巡る展覧会です。
旧朝香宮邸は過去に2回、リニューアル記念やガレ展などで足を運んで
いましたが、今回訪れてみて、まだまだ見どころを逃していたのに気が
つきました。
旧朝香宮邸は朝香宮がヨーロッパに外遊の際、当時最新のスタイルであった
アールデコ様式に感銘を受け、ぜひ自邸に採用したいと心血を注いて完成
させたものです。
今回のAからZまでのキーワードに示された箇所を巡るのは、ちょっとした
宝探しのようです。
各コーナーに置かれた解説のカードは、おしゃれで収集欲をそそります。
普段、未公開の「ウィンターガーデン」(温室として作られたようですが
実際はサンルームとして使われていたそう)も拝見出来たのはラッキー
でした。
見学日は好天に恵まれて都内とは思えないような大きな木に囲まれた
庭園も満喫しました。
会期は5月12日(日)まで。
美しい建築を是非ご覧下さい。
NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介します。
角皿の割れです。
角皿が真っ二つに割れたものを接着されました。
問題はSさんのご依頼主が描かれているポーセリンアートの絵柄を
仕上げの金泥の線が通過していることでした。
このブログでも度々ご紹介していますが、Sさんは元の絵を復元する
ように金泥の仕上げの上から新うるしの色を調合して着彩されました。
かなり調合が上手くいっており、仕上げの線が絵柄を横切っている
感じが緩和されたのではないかと思います。
ちょっと一手間でかなり効果が高い方法なので、今回のSさんの
作品のようなケースの方は是非ご相談下さい。
カルチャープラザ公津の杜教室のIさんの作品をご紹介致します。
螺鈿で仕上げをした花瓶です。
花瓶の縁が欠けてしまったのですが、元々の染付の色に近い色合いで
仕上げられたいということで、螺鈿貼りにチャレンジされました。
本来、螺鈿は貼り付けた後、黒漆で全体を塗り潰し、ヤスリで研ぎ出す
ものです。
欠けの部分に貼る場合は螺鈿の厚みを考慮するなど、独特に気を付け
なければならない工程があります。
途中やり直しなど紆余曲折ありましたが、Iさんは作業を成し遂げられ、
染付に色合わせという目的を達せられました。
金、銀など金属粉で仕上げるのが金繕いの王道ではありますが、狙い
によってはスタンダードにこだわる必要はないと思います。
常に新しいことにチャレンジして下さるIさんは、また新しい技術に
挑まれています。
完成されたら、このブログで紹介させて頂こうと楽しみにしています。
港北カルチャーセンターのKさんの作品をご紹介します。
金繕いのカリキュラムでハマグリ貝に金箔を貼るというのが
あるのですが、そこに絵を描かれました。
一見、抽象画のようですが、実は貝絵でも古いスタイルの物の模写に
なります。
古の貝合わせを楽しまれていた姫君はこの絵をみて何の和歌を表して
いるのか理解する知識があったのです。
こちらはKさんがお好きなキュビズムの作家の模写です。
題材として面白いとは思うのですが、せっかくの金箔がほとんど隠蔽
されてしまったのは少し残念な感じがします。
本来、貝合わせは女性の婚礼道具の筆頭なので、厳重に格式が求め
られます。
趣味の域で描かれる場合、そこまでのことは言わなくてもいいのではと
いう考えも理解いたしますが、本来の形を理解した上で題材を選択され
てもいいとは思います。
2〜3年待ちは当然だったNHK学園市川オープンスクールの
教室に急なキャンセルがあり、空席が出ました。
毎月第2金曜日 15:30〜17:30(4月12日初日)
のクラスです。
場所的に市川を希望されていた方、是非ご受講をご検討下さい!
※お陰様で満席になりました
NHK文化センター千葉教室のKさんの作品をご紹介します。
貝合わせのカリキュラムで使用した金箔の応用です。
陶器製のブローチなのですが、花形のしべと溝に金箔を貼られ
ました。
貼る前はちょっとボンヤリした印象があったのですが、金箔が
あしらわれることによって締まりが出ました。
破損したものを直すのが金繕いではあるのですが、その過程で
学ばれたことを応用して頂くのは大変嬉しいことです。
帽子についていたブローチは現在お召し物に移動して活躍しています。
トクサの刈り取り時期になりました。
合わせて質問が多くなってきましたので、改めて説明したいと
思います。
まず質問です。
以下の内容で正しいものはどれでしょう?
1.刈り取り最適期は秋
2.先端の枯れた部分を採取する
3.根元15cm程残して採取する
4.色は枯れ色になっていなければならない
5.刈り取り後、すぐビニール袋などで保管する
6.刈り取り後、束ねて吊るして乾燥させる
7.採取した物はすぐに使い切らなくてはならない
お分かりになりましたでしょうか?
少し意地悪な質問になりましたが、実は全て間違いです。
特にご自身でお育てになっている方は正しく理解されて、
より良いコンディションの物をお使い下さい。
毎回の告知で恐縮ですが、拙著「金繕いの本」90ページに
トクサの育て方、使い方について詳しく解説しています。
ご一読下さい。