カテゴリー別アーカイブ: 基本のき

金泥が銀泥に!

先日、あるカルチャーセンターで不思議なことがありました。
金泥で仕上げられたものが、途中で銀泥に変わってしまったというのです。

よくよくお話を聞くと、どうやら蒔筆に問題があったようです。
今回仕上げをする前に銀泥で仕上げをされていたのですが、それが蒔筆に
残った状態で金泥の仕上げをされたご様子なのです。
仕上げの工程を進めているうちに蒔筆から銀泥が出てきてしまい、金泥の上に
乗ってしまったのが原因と考えました。

蒔筆は金泥と銀泥で兼用しても構いませんと、ご説明しています。
しかしこれには条件があります。
毎回使った泥粉をしっかり払い落とさなければなりません。

どう払い落すかというと、楊枝などの先が細いもので蒔筆の穂先を
通したり、振ったりします。
これはなかなか言葉では表現しづらいので、教室で実演致します。

とはいえ根本的にご不安な方は、蒔筆を金・銀で別にするのがいいかも
しれません。
ちなみに私は分けています。
これは同時に金・銀の仕上げを行うことがあるからです。

ご自分の作業スタイルに合わせて、ご検討下さい。


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筆が痩せる理由

ある教室の生徒さんから筆が痩せてしまったと、ご相談が
ありました。
よくよくお話をお聞きしますと、洗い方に問題があることが
わかりました。
筆の洗い方は度々ブログでもご説明していますが、改めてご説明
したいと思います。

絶対やってはいけないのが穂先を金具のところで折ることです。
金具に当たって毛がどんどん切れていき、穂先が痩せていきます。

これは薄め液で洗う時、中性洗剤で洗う時など様々な場面でやって
しまいがちですが厳禁です。

中性洗剤で洗う際には、穂先に洗剤を含ませて爪で穂先をほぐしながら
洗います。
この時に決して穂先を引っ張ってはいけません。
やはり毛が抜けて、穂先が痩せる原因になります。

いい仕上げにはもちろん技術が必要ですが、筆のコンディションが
悪ければそれなりの結果しか出ません。
筆に機嫌よく能力を発揮してもらうには、手入れの仕方、保管の
仕方次第で決まります。

今までなさっていた習慣は一旦忘れて、上記の方法を守ってみて
下さい。
きっと良い結果が出ると思います。


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接着の段差

接着の際、段差が生じてしまったら、それを補うように
作業して頂いています。

段差は気にしませんという方もおられますが、段差が生じている
ということは、釉薬で守られていない素地が出ていることなので、
実使用上は好ましくありません。

汚れ溜まりにもなり、衛生上もよくありませんので、しっかり
直されるのをオススメ致します。

はっきり言って段差に関しては「味だと思って」という目の反らし方
はよくないと考えています。

ただこの作業で悩まれる方が多く、このところ説明方法を試行錯誤
していました。
その結果、私なりに掴めてきた感じがあります。
悩まれている方は、一度教室でご相談下さい。


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銀彩を戻す

セブンカルチャークラブ成田教室のHさんの作品をご紹介
致します。


破損としてはひびだけだったのですが、その修復過程で器の柄として
入っていた銀彩の丸い柄が削れてしまいました。

そこで削れてしまった柄を含めて銀泥で仕上げをして、他の丸い柄と
同じ硫化程度になるように人工的に硫化させました。
器全体を見て、違和感がなくなっているかと思います。

合わせて他の仕上げてこられた器も、ご紹介致します。


このスタンダードな仕上げは、難なくこなされています。
強いて言えばラインの描き方が、安定したいというところでしょうか?

Hさんは、他にも応用技術にチャレンジなさっています。
作業の進行が楽しみな方です。


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最初の教材

金繕いは、お金がかかる趣味だと誤解があるようです。
このところ教材に関してお問い合わせが続いてありました。

拙著でも材料は紹介していますが、金繕いの教室で初回にお配りして
いる教材です。
(2017年10月現在 ¥7,500)
費用のうち、ほとんどが金泥・銀泥です。

この他、絶対必要になるのがピンセットと仕上げ用の筆、特殊な形状の
カッターです。
これはご希望をお伺いして、必要な方だけ購入して頂いています。

あとは貝合わせのカリキュラムで、箔ハサミと平筆、金箔が必要になります。
消耗品の金箔はお求め頂きますが、道具は貸し出し用を用意しています。

以降は特別に必要になるもの以外、消耗品の新うるしや薄め液などを
無くなり次第お求めになるくらいです。
(金泥・銀泥以外は、¥500程度です)

使っているものは全て市販品です。
講師からしか購入出来ないというようなオリジナル製品は使っておりません
ので、ご自分で購入して下さった方が助かります。

またお手持ちの道具を持ち込み頂いても構いません。
他の金繕いの教室に通われていた時の道具や、他の工芸をなさっていた
際の道具をお使いになる方もおられます。

なるべくご負担のないように工夫しておりますので、安心して受講して
頂けたら幸いです。


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接着後の置き方

接着は一度に全ての破片を接着すると、ご説明してきました。
理由は元々同じ器が割れているので、破片となってもお互いを
支えあう関係にあるからです。
部分部分で接着すると簡単なようですが、角度や破片同士の
合わせ方に微妙なズレが生じ、結局ぴったり合わないことに
なります。

接着後、器の置き方でも形が合いやすい方法があります。
下の画像は10/29日曜日に接着し、翌日に撮影したものです。

口縁を下にして伏せた状態にしています。
この状態がアーチ構造になっているので、ズレが生じにくくなるからです。
石橋や教会建築の天井でもご存知かと思いますが、アーチ構造は
安定して強度があります。

この他、割れ方によって、よりズレにくい置き方があります。
接着の際には、それぞれの器でご確認下さい。


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動きを真似る

金繕いの教室では、作業の仕方を実演しています。
その際、見て頂きたいのは手順だけではなく、手の動きです。

例えば仕上げの金泥を蒔くところでしたら、蒔筆をどのように
持っているのか、筆のどの部分を使って金泥を蒔いているのか、
どのように筆を動かしているのか、どのくらいの力を入れている
のか、などなど。

作業の環境も大切です。
下に綺麗な紙を敷いている、金泥の包みは一番内側だけ残す、
包みを押さえる粉鎮を置いているなどです。

一つ一つは小さなことかもしれません。
しかしそれらをおろそかにすると、結局仕上げのクオリティーが
落ちる原因になります。

実演は何度も教室で行っていると思います。
何度見て頂いて構いませんので、実演している時は作業の
手を止めて是非ご覧下さい。
習うというのは、倣う(真似る)というではありませんか。


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ようやく完成

NHK文化センター千葉教室のTさんの作品をご紹介致します。
粉引のお皿の縁の欠けです。


粉引には金泥が合います。
形もきれいに作られているので、とても完成度が高い一品に
なりました。

縁の欠けからひびが伸びていました。
実は一度に仕上げていないのですが、手順を考えてあるので、
継ぎ目がわからなくなっています。

仕上げの線が人参の柄と呼応するように入っているのも、一つの
柄になっているようです。

Tさんもそうなのですが、意外に欠損が埋まってから仕上げが出来る
状態まで磨き上げるのに苦戦されている方が多いです。
いろいろコツはあるのですが、綺麗に仕上げるには根気よくという
のが一番大切かもしれません。

今一つの状態で仕上げてしまうと、仕上げも今一つになります。
最後の階段は険しいかもしれませんが、根気よくお願いします。


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簡単筆置き

作業中に筆が転がって大変!ということがよくあるかと
思います。
粉鎮以外に筆置きに凝られている方もおられると思いますが、
目からウロコの簡単筆置きを作っている方がおられましたので、
ご紹介したいと思います。

何とメラミンスポンジに溝を作ったものなんですね。
元々3cm角のサイコロ状のものなのだそうで、大きさも丁度
いいですね。

改めて専用の筆置きを購入するのではなく、お手元にあるものを
工夫して作るのはとてもいいことだと思います。
是非参考になさって下さい。


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急須の把手穴なし

金繕いのご依頼があった急須の把手の接着です。

最近の教室ですと把手の先が開放になっている形をお持ちに
なる方が多かったのですが、こちらは閉じています。

閉じていると端末の処理がいらないので簡単なようですが、
他に注意するところが出てきます。
ですので同じタイプの金繕いをなさりたい方は、一度教室にお持ち
になり、手順をご確認下さい。

今回のものは依頼品だったので、自分のものとは違う点があります。
一つは仕上げの金属粉です。
一番の選択肢は金ですが、割れの形が斜めだったので目立つのが
気になりました。
また銀ですと硫化した状態がお好みに敵うとは限りません。
よって選択したのがプラチナ泥です。

もう一つはニュウを仕上げたことです。
本透明漆で十分止まっている場合、仕上げはしないのですが、
依頼品なので敢えて仕上げています。
これは状態をご存知でないと、作業半ばに見えてしまうからです。

このように依頼主との距離感で作業の内容が変わります。
頼まれた物を直しているという方は、このところを踏まえて作業
なさるとよいと思います。


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