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花器再び
NHK学園市川オープンスクールのYさんの作品をご紹介致します。
花器の縁の欠けです。
縁のかなり大きな部分が欠損して失われていたのを復元し、
薫銀泥で仕上げられています。
花器の縁は湾曲あり反りありと意外に複雑な形状をしています。
それが完璧に再現されており、素晴らしいの一言です。
実はYさんは以前、今回の作品と類似した形のご自分の花器を
金繕いなさっています。
その時の破損も縁の部分でした。
先の作品が大変素晴らしい完成度だったので、今回の花器は
ご友人からの依頼品です。
腕を見込まれたということなのですが、その期待に見事答えられた
と言えるでしょう。
花器はお花によっては縁の部分が隠れてしまいますし、裏側に
隠してしまうことも可能です。
しかしこれだけ美しく金繕いされていれば、むしろ表に出して
アピールしたくなるのではないでしょうか。
見せびらかしたくなる金繕い。
ぜひ皆様、その方向で頑張って頂きたいです。
馴染む美しさ
NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介致します。
お皿の割れです。
ひびが伸びていないので厳密な「鳥脚型」ではありませんが、王道の
割れ方です。
縁が輪花型で段差もありますので、接着の際にも調整が難しかったと
思いますが、綺麗に整えられた上で金泥で仕上げられました。
黄色味の強いベージュ色の釉薬に金泥が程よく馴染み、上品な仕上がり
になったと思います。
お食事を盛られても見える位置にある金繕いは彩にもなるのではない
でしょうか。
お皿の接着の場合、硬化までの時間の置き方に接着成功の秘訣があり
ます。
お持ち帰りの前に確認をお願い致します。
※初出時、NHK学園市川オープンスクールの方としてしまいました。
お詫びして訂正致します。
漂白の手順
金繕いを行う前に器の汚れをリセットしておくことをお勧めして
います。
昨年末から器の漂白についてご相談が続きましたので、改めてご説明
したいと思います。
特にお悩みが深かったのは20年以上愛用した器のしつこい汚れです。
どんなに漂白しても汚れが浮き上がってくるというものです。
残念ながらある程度長く使っている器の汚れは、なかなか漂白され
ません。
汚れの位置を変えながら、下から湧き上がってくるような状況と根気
よく闘わざるを得ないのです。
拙著「金繕いの本」にも掲載していますが、器の漂白には意外に
入歯洗浄剤が便利です。
何といっても口の中に入れるものの洗浄剤ですから危険な成分が
含まれていないのが魅力です。
単純に経年の汚れ(召し上がったものの調味料)だけでなく、カビが
問題になる場合もあります。
こちらは煮沸消毒が効果があります。
ただ汚れとは言わず「育てた」というお考えの場合は漂白は強制
しておりません。
ご自分の器ですので、ご自分のお気持ちに従って下さい。







