藍の発芽2024

ゴールデンウィークの終わりに蒔いた藍の種が発芽しました。

わずか1mm程度の種から発芽し、高さ60cm、直径60cmもの
大きさの株に成長します。

この葉を使った「生藍染め」の講座を今年も7〜9月末に計画
しています。

生藍の青、ペパーミントグリーンの他、蘇芳で濃いピンク、玉ねぎで
黄色が染められます。
これで3原色が揃うので掛け合わせで緑、オレンジ、くすんだ紫が
染められます。
さらにやしゃぶしで染められるベージュ〜グレーもシックです。

現在、昨年から参加を希望している方を優先にお声がけしています。
あいにく設備の都合で各回3名様しか対応できませんので、ご興味の
ある方はお早めにご連絡頂ければと思います。


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貝絵

産経学園ユーカリが丘校で受講されていた方の作品をご紹介
致します。
カリキュラムに「ハマグリ貝に金箔を貼る」というものがある
のですが、それに顔彩で絵を描かれました。


金魚

「絵を描く」というと自由に画題を選んで自由に描くという
イメージがあると思います。
それ故にセンスが大事で「絵心がない」と断念される方も少なく
ありません。

金繕いの教室ではありますが、描いてみたいと思われるようでしたら
全力でサポート致します。

まずは何を描くのかという選択から始めましょう。


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2024.5月スタートの講座

この春、受講開始がまだ間に合う講座をご紹介致します。
5月からスタートです。

毎日文化センター(竹橋) 毎月第3木曜日 10:00〜12:00
産経学園 ユーカリが丘校 毎月第3月曜日 10:15〜/13:00〜

毎日文化センターは5月16日木曜日から。
産経学園ユーカリが丘校は5月20日月曜日からです。

お申し込み、お問い合わせは、それぞれのカルチャーセンターに
お願いします。

お申し込みをお待ちしております。


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蓋ものの金繕い

産経学園ユーカリが丘校に在籍していた方の作品をご紹介
致します。
海外のもので、蓋ものの金繕いです。


本体の方がバラバラに割れてしまっていました。
質の柔らかい陶器なので、あちこちに欠損があり、接着後に欠損
部分を埋めるのに時間がかかってしまっていました。

完成してみれば華やかな器本来の柄に金泥の仕上げが映えて、素晴ら
しいものになりました。

欠損を埋めるのに時間がかかるとモチベーションの維持が大変です。
この作品もしばらく教室にお持ちにならない期間がありました。
何か急ぐご事情がなければ、そのようにクールダウンの時間があっても
いいと思います。

金繕いは然るべき時に完成するもの、という考え方があります。
かつては依頼者が完成を催促すると修復代金を何倍にも加算して構わ
ないという不文律があったくらいなのです。


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資生堂パーラーのディスプレイ

さをり織りの作家さんとしてご紹介した友人のPAKICOさんが
本業の方でアートディレクターを務めたディスプレイを拝見
してきました。
銀座・資生堂パーラーです。


テーマは「不死鳥」
150年を超える歴史の中で何度も蘇る不死鳥のように力強い美しさ
や全ての生命の源とされる生命樹のように多様な美しさを求めて
きた資生堂さん。
これからもまだ見たことのない美を探し続けていくことを表して
います。

おまけはちょっと変わったアングルの東京駅です。
KITTE  4階にある旧・東京中央郵便局長室から見たものです。


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白いキャンバス

藤那海工房 西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
粉引のお皿の割れです。


絶妙な割れのラインです。
粉引のお皿がキャンバスのように見えるくらいです。

このような意図していないラインが出るのが金繕いの醍醐味
だと思います。

Oさんはお料理が上手なので、このお皿も食卓に復帰しご家族を
楽しませていることと思います。

もう1点。
こちらの湯呑みも素敵な仕上がりです。


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茶の湯の美学

現在、日本橋の三井記念美術館で行われている「茶の湯の美学」展に
行ってきました。

この展覧会は桃山時代から江戸時代初期に茶の湯界をリードした千利休、
古田織部、小堀遠州の茶道具を選び、それぞれの美意識を探るものです。
利休「わび・さびの美」、織部「破格の美」、遠州「綺麗さび」と従来
からの捉え方ではありますが、明確にわかりやすい展示品で構成しています。

私としては織部の大井戸茶碗「須弥」(別名 十文字)をぐるり360度拝見
出来たのが収穫でした。
このお茶碗は大きい径のものを十文字にカットして切り詰めたというものです。
しかしさほど径が小さくなっていないことから他の破損を目立たなくするため
という説もあります。

360度拝見してみて、後の説も頷けるとの実感を得ました。
というのも他の破損の形が物理的に生じた感じではなく、美しくないのです。

是非実物をご覧頂いて感想をお聞かせ下さい。
会期は6月16日日曜日までと、まだ先です。


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花瓶の割れ

NHK文化センター千葉教室の方の作品をご紹介致します。
陶器の花瓶の割れです。


全体のフォルムといい、釉薬の雰囲気といい、お花を生けたら
映えるであろう素敵な花瓶です。
ただ割れてしまった縁は外に反り返っており、扱う際には最も
破損しやすい場所です。

食器に関わらず陶器ですので、金繕いの技法で修復可能です。
破片を接着した後、欠損部を埋め、金泥で仕上げられています。
渋い釉薬に金泥が目立ち過ぎない感じで収まっています。

花瓶の場合、破損した部分の後に隠して使っていたという方は
珍しくないのですが、完成後は表に出して飾りたくなるのでは
ないでしょうか。


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旧朝香宮邸を読み解くA to Z

開館40年を記念して行われている「旧朝香宮邸を読み解くAtoZ」
展に行ってきました。
建築技法、建設に携わった人々、室内意匠や素材、各時代にまつわる
エピソード等、アルファベットのAからZを頭文字にもつキーワードを
ピックアップして解説してあるところを巡る展覧会です。

旧朝香宮邸は過去に2回、リニューアル記念やガレ展などで足を運んで
いましたが、今回訪れてみて、まだまだ見どころを逃していたのに気が
つきました。

旧朝香宮邸は朝香宮がヨーロッパに外遊の際、当時最新のスタイルであった
アールデコ様式に感銘を受け、ぜひ自邸に採用したいと心血を注いて完成
させたものです。

今回のAからZまでのキーワードに示された箇所を巡るのは、ちょっとした
宝探しのようです。
各コーナーに置かれた解説のカードは、おしゃれで収集欲をそそります。

普段、未公開の「ウィンターガーデン」(温室として作られたようですが
実際はサンルームとして使われていたそう)も拝見出来たのはラッキー
でした。


ここに真っ赤な椅子が置かれていた。モダン!

見学日は好天に恵まれて都内とは思えないような大きな木に囲まれた
庭園も満喫しました。

会期は5月12日(日)まで。
美しい建築を是非ご覧下さい。


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着彩する

NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介します。
角皿の割れです。


角皿が真っ二つに割れたものを接着されました。
問題はSさんのご依頼主が描かれているポーセリンアートの絵柄を
仕上げの金泥の線が通過していることでした。

このブログでも度々ご紹介していますが、Sさんは元の絵を復元する
ように金泥の仕上げの上から新うるしの色を調合して着彩されました。

かなり調合が上手くいっており、仕上げの線が絵柄を横切っている
感じが緩和されたのではないかと思います。

ちょっと一手間でかなり効果が高い方法なので、今回のSさんの
作品のようなケースの方は是非ご相談下さい。


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