NHK文化センターさいたまアリーナ教室のOさんの作品をご紹介
致します。
欠けの金繕いなのですが…
元々は小鉢の欠けだったのですが、弁柄漆を塗り重ねているうちに
盛り上がってきて、ついにてんとう虫型になったそうです。
さすがに触覚はありませんが、黒漆で点々を描き加えて立派な
てんとう虫が完成しました。
来客があると、この小鉢を出されて、お客様が驚くのを密かな楽しみに
されているとか。
単なる金繕いを超えたお遊びですが、楽しまれているご様子が素敵
でした。
NHK文化センターさいたまアリーナ教室のOさんの作品をご紹介
致します。
欠けの金繕いなのですが…
元々は小鉢の欠けだったのですが、弁柄漆を塗り重ねているうちに
盛り上がってきて、ついにてんとう虫型になったそうです。
さすがに触覚はありませんが、黒漆で点々を描き加えて立派な
てんとう虫が完成しました。
来客があると、この小鉢を出されて、お客様が驚くのを密かな楽しみに
されているとか。
単なる金繕いを超えたお遊びですが、楽しまれているご様子が素敵
でした。
-Golden Afternoon-と副題のついた日本画家・湯口絵美子さんの
展覧会に行ってきました。
湯口さんは友人のお姉様という繋がりで、昨年夏〜秋に箱根・成川
美術館で行われた父娘展も拝見しました。
今回は湯口さんお一人で代名詞のバラの他、様々な花の共演を堪能
出来る充実した展覧会でした。
ご自身で育てている花を生き生きと描かれているのはもちろんですが、
そこに湯口さんならではの“意匠化”が加わり、独自の世界が形成されて
います。
これが見る人を惹きつけて止まない魅力になっているのだと思います。
植物は身近なだけに嘘があるとたちまち破綻します。
例えば蘭の葉に梅の花が咲くというようなのは有り得ない植物ですから、
いくら創作と言っても通りません。
真摯に植物に向き合い写生を繰り返し、それぞれの美しさを抽出された
華麗な世界を堪能下さい。
展覧会は1月21日火曜日まで。
松坂屋上野店7階 美術画廊です。
NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介します。
鉢の割れの接着です。
割れを接着後、欠損を埋めて銀泥で仕上げられているのですが、その
仕上げの線を少しだけ装飾されています。
ほんの少しの遊び心ですが、それだけで楽しくなる感じがします。
欠損通りに仕上げられるのに慣れたらKさんのように遊び心を追求
してみてはいかがでしょう。
以前にも鯛牙を制作した様子をアップしましたが、このお正月に
新しい物を作りましたので、ご紹介します。
今回は加熱していない鯛の顎のご提供を受けて制作しました。
大きさに多少違いがありますが、合計6本です。
鯛牙とは丸粉で仕上げをしたところを磨いて光沢を出すための道具です。
先端から根本近くと牙のカーブと柔らかさが絶妙に磨きに合うのです。
基本的には藤那海工房の本漆クラスの方を優先にお譲りする予定です。
魚の状態で3kg以上の大きさがあれば、道具としての牙が取れます。
(天然の鯛に限る。養殖物に牙はない。)
ご興味のある方には作り方もお教え致しますので、お問い合わせ下さい。
新年最初は私がご依頼を受けた金繕いの作品からご紹介致します。
象嵌の花器の割れです。
象嵌とは器の表面を彫り、その彫った部分に色のちがう粘土を
嵌めこんで模様をつける技法です。
器の表面に模様を描くのとはちがい、粘土そのものの色なので、
模様にメリハリがうまれます。
象嵌はもともと金工や木工芸でよく使われる技法です。
ご覧頂けるように高さ30cm弱の中に大変細かい細工がしてあります。
こちらは持ち主の方が作家さんにオーダーしたものだそうで、そう
いう意味では世界唯一の作品と言えます。
首の部分がいくつかに割れてしまっていたのを接着して欠損を補い
主に金泥で仕上げました。
縁の染付の紺の部分は目立たないように薫銀泥を使っています。
破損してしまったのは仕方ありませんが、金繕いをした箇所が
元々の造形に程よく馴染んでくれたかなと自負しております。
明けましておめでとうございます。
年末はバタバタしていてSNS類の更新が途絶えてしまいましたが、
年が改まったところで更新していきたいと思います。
昨年は「金繕い(金継ぎ)」の知名度が更に上がり、今までにない
ご依頼があった他、水引、シー陶器・シーグラスで作る箸置き・
アクセサリー作り、貝合せ制作、草木染めと様々なイベントも行い
ました。
記憶に新しいのは座学の講座「文様の格」を行なったことでしょうか。
今年も更に楽しんで頂けるよう、精進して参ります。
引き続きどうぞ宜しくお願いします。
産経学園ユーカリが丘教室のNさんの作品をご紹介します。
Nさんは多彩なアイディアでこのブログにも頻繁に作品を
紹介させて頂いています。
今回は平皿の接着です。
かなりはっきりしたレリーフのついたお皿です。
角が割れてしまったのを接着した後、欠損を埋められました。
欠損して無くなってしまったレリーフの部分もしっかり再現されて銀泥
で仕上げられました。
仕上げ直後の撮影なので銀の色が白っぽいのですが、いずれ硫化した際
には釉薬に馴染んでわからなくなるかと思います。
深い上に細かいレリーフだったので再現は大変だったかと思います。
レリーフのある器はいろいろありますが、面倒がらずに再現して頂くと
完成度が高くなります。
再現の程度で迷われるようでしたら教室でご相談下さい。
仕上げは誰でも良い状態で行いたいもの。
そこで勢い筆に頼りたくなるのが人情です。
しかしその選択は合っているのか、面相筆についてご説明
したいと思います。
一般に面相筆というと「人や動物の表情を描くのに適した穂先の細い
筆」とあります。
毛質や穂の長さはいろいろありますが、金繕いの仕上げの筆としては
ベストとは言えません。
画像の筆は穂先がイタチで面相筆の中でも質が上等なランクになる
ものです。
しかし拡大の画像でお分かりになるように穂先の毛のまとまりは良いとは
言えません。
水彩画、日本画など水分が多い画材ならば繊細な作業を行えると思い
ますが、粘り気の強い漆には腰の強さが足りません。
往々にして画材店で案内を乞うと面相筆を勧められるようですが、仕上げ
に適した筆は教室でご確認下さい。
JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室のTさんの作品を
ご紹介致します。
ハマグリ貝の貝絵です。
金繕いの教室では金箔の扱いを学んで頂く為にハマグリ貝に金箔
を貼るカリキュラムをご用意しています。
ここから更に貝絵にチャレンジされたい方には引き続き、ご指導
しております。
左側の貝には秋(紅葉と松葉)、右側の貝には桜を新うるしの色で
描かれました。
Tさんはご趣味でスーパーリアルの油絵を描かれているそうで、
画題を描くのは難なくこなされているのですが、題材の選び方、
レイアウトの考え方など日本文化に合わせて検討して頂きました。
新うるしで描いて頂くと器としても使用が可能なので、飾るだけで
なく食卓にも華を添えるアイテムになるはずです。
楽しんでお使い頂ければ嬉しいです。
このところ、筆の収納をどうしたらいいか?というご質問が続き
ましたので、ご説明したいと思います。
筆の収納は大きく分けると筆巻と筆筒になるかと思います。
まず筆巻です。
こちらは私が自宅で使っている名村というメーカーのブラシケース
・ショート(水彩画用)です。
(紐は柔らかい質のものに交換しています)
画像でご覧頂けるようにかなりの本数の収納が可能です。
私は3つ折りで使っていますが、筒状に巻くことも可能です。
筆先側にカバーがついていますので、筆やキャップの脱落の心配が
ないのも評価出来ます。
こちらは筆筒です。
画材メーカー品から100円ショップ品まで様々あります。
メリットはコンパクトなところでしょうか?
難点は目的の筆を探しにくいところと、逆さまに収納してしまうと
筆先を痛める可能性があることです。
変わり種はキャンプ用のカトラリーケースです。
何とダイソーで330円。
立体的に丸められるので、テーブルの上で筆立てのように立てて
置くことも可能です。
難点は長さが筆に対してギリギリなこと。
カバーをすると筆先が潰れる可能性大です。
いろいろご紹介しましたが、お裁縫が得意な方は自分の使い勝手に
合わせて自作するのが一番かと思います。
何より大切なのは道具のコンディションが作業の質に関わるので、
穂先を痛めない方法を重要視するべきということです。