吉野紙

現在、漆濾し紙として使われている「美吉野紙」は合成繊維の
紙で、本来は楮を原料とした「吉野紙」が使われていました。

柔紙(やわらかみ)とも呼ばれた吉野紙は、京都の女官たちが
「やわやわ」と呼び、懐紙として好んで使われました。

近年では高級な漆塗りの漆を濾す紙の他、文化財の修理用紙として
使われているそうですが、この紙を漉くのは昆布さんただ1軒と
なってしまっています。

ふっくらと柔らかいだけでなく粘り強い紙は、根気よくチリを取り除く
下準備の成果です。
その手間のかかる作業のせいか、後継者がいないのが悩ましいところ
です。

見た目の美しさだけでなく、後継者がいないという寂しさも手伝うのか
手元に置きたいという方が少なくありません。


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