藤那海工房 本漆クラスのOさんの作品をご紹介致します。
お皿の割れを接着されました。
本漆の仕上げでは丸粉という金塊をヤスリで擦り下ろして丸めた粒状のものを
蒔いて頂いています。
それを生漆で粉固めして、鯛牙と紙やすりで磨き上げて頂きました。
あまり磨き過ぎず、渋めに上がったのもお皿の絵柄に合っていて、素敵に
仕上がったと思います。
本漆は釉薬への活着が悪く、絵柄を入れたい場合は釉薬を荒らすか、ガラス用
漆を使用することになります。
相変わらずガラス用漆に抵抗がある私は、自ずと仕上げは欠損通りになります。
ただこの辺はお考え次第なので、本漆でも加飾をなさりたい場合は、ご指導して
おります。
また丸粉を使用すると耐久性は高くなりますが、必然的にコストが高くなります。
後々の変色を承知の上で真鍮や錫などの安い金属粉を使用するか、消粉と呼ばれる
箔を粉砕したものを使う方法もあります。
消粉の場合は耐久性が低いことを承知しておく必要があります。
Oさんの作品を見て、せっかく本格的にこだわって本漆を使われるのなら、粉固め
が出来る丸粉がいいのではないかとしみじみ考えています。