月別アーカイブ: 2021年10月

美しい鳥脚

NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介致します。
小鉢の割れの接着です。


鳥脚型の割れは良くある形です。
衝撃を物理的に逃した結果、この形になるので、自然で美しい形だと思います。
この形が染付の柄に金泥で映えて、さらに美しく見えるかと思います。

Mさんの作品は度々紹介させて頂いておりますが、これだけ美しい仕上げになる
のは、Mさんの妥協しない姿勢にあります。

「この程度で」と妥協していると、妥協した作品を量産することになります。
まず使えるようになることも大切ですが、完成度の高みを深めてみることを
お勧めしたいと思います。


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花梨のはちみつ漬け

ピラティスのレッスンを受けているMidori先生から花梨を頂戴した
ので、はちみつ漬けにしてみました。


以前、原一菜先生に教えて頂いたのは果実をスライスするように切れ目を
入れて漬け込むというものでした。
Midiri先生から皮を剥いて水に晒すとえぐみが取れるということなので、今回
はその方法にしてみました。

皆様、花梨はのど飴になっているのを、ご存知かと思います。
私は話をする仕事をしているにも関わらず、少々喉が弱いところがあります。
しっかり頂いて、これからの乾燥する季節に備えたいと思います。


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金が合う

JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室のKさんの作品をご紹介
致します。
金彩の入ったフリーカップの欠けの金繕いです。


元々金彩が入った器でしたので金泥の仕上げが馴染んでいます。
欠損は小さい欠けですが、日常で生じるのはこのような欠けがほとんどだと
思います。
これが難なく直せるようになると器を使うのも気持ちが楽になるかと
思います。

金繕いのカリキュラムは欠けの修復から始まります。
金繕いへのチャレンジをしてみませんか?


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スポイトびん

金繕いの教室にお出で下さっている方は、それぞれ道具を工夫されて
おられます。
今回はNHK文化センターさいたまアリーナ教室・Oさんの工夫を
ご覧下さい。

新うるしの作業でお使い頂く「薄め液」をスポイトびんに入れ替えて
おられます。


薄め液はひび止めの際に適量出す必要がありますが、このスポイトびんを
使われると少量が出しやすいと思います。

道具箱の都合もあるかと思いますが、スポイトびんは様々な大きさが市販
されているので、丁度いいサイズが見つけられるかと思います。

便利そうと思われた方は東急ハンズの実験用具コーナーやアロマオイル
販売店を探してみて下さい。


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漆繕い

NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介します。
縁の小さな破片の割れでした。


上の画像で奥の縁にあるのが金繕いした部分です。
元々白地に茶色の鉄釉でアーティスティックな絵付けがされている
お茶碗でした。

Kさんのアイディアは欠損部分にプラスしてアートな感じの絵付けを
足したことです。
外側から見ても違和感なく絵付けを繋いでいます。

現在「金繕い」とか「金継ぎ」と呼称されているので、仕上げは金属粉で
蒔絵したものと考えておられるかもしれません。
しかし歴史的に見ると漆の色で仕上げられた漆繕いが原点です。

仕上げの選択肢に漆の色も加えてみて下さい。


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漆器の直し

陶磁器の金繕いではありませんが、教室では漆器の直しもご説明
しています。
ご紹介するのは私がご依頼頂いた水差しの割蓋の欠けの直しです。



折り曲がる部分の角と縁が数カ所、欠けてしまっていました。
画像でご覧頂く通り、どこが破損部分なのか全くわからないと思います。

漆器の直しの基本はこのように全くわからなくなることですが、色合わせが
難しい場合は装飾を考えて頂くこともあります。

いずれにしても陶磁器と違って一気にカッターで削ることが出来ませんので
慎重な作業が必要になります。

手がけてみたいという方は基本の注意事項の説明を受けた上で、手順の確認を
なさって下さい。


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不運を乗り越えて

NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
楕円形のお皿の欠けでした。


表から見ると何事もないように見えますが、裏面には大きな傷跡の痕跡
があります。
お友達が骨董屋さんからお求めになったそうですが、裏面に欠けがある
ことを指摘すると、その場でグラインダー(電動回転式のヤスリ)で
削られてしまったのだそうです。

確かに深い欠けではなくなりましたが、広範囲にヤスリの深い傷がつき、
表から見ても楕円形が歪んでしまったのです。

本来は1.5cm角程度の欠けだったのではないかと思われますが、広がって
しまった傷を必要最小限の範囲で埋め、楕円形の綺麗な形も戻されました。
これもHさんの丁寧な作業の結果です。
お返ししたお友達も元の姿を取り戻した器に喜ばれたと思います。

このブログをお読みになっている方には、骨董店で破損した器のお買い物を
する際に、このような対応は絶対お断りになることをお勧めします!


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道具マニア

金繕いをなさっている方には多いかもしれませんが、形から入る私は
道具マニアです。
ずっと欲しいと思っていたのが、持ち歩きに便利なコンパクトサイズの
木工用金ヤスリです。


偶然見つけたのはプラモデル道具コーナーです。
しばしばプラモデル道具には使えるものが多いとブログに書いていますが、
今回も大当たりです。

まだ出動の機会はありませんが、入手出来ただけでご満悦です。


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シンプル

NHK文化センター柏教室のSさんご夫妻の作品をご紹介致します。
フリーカップの欠けとひびです。


実際の形も近かったとは思いますが、このようなすっきりとした形に
まとめられたのはSさんご夫妻のセンスだと思います。

表の仕上げも綺麗です。

Sさんご夫妻は仕上げ前の下地の大切さを理解して下さり、その徹底ぶりは
頭が下がる思いです。
それに伴って仕上げの腕もどんどん上達されています。

最近は漆器の直しが多くなっているお二人ですが、いろいろチャレンジして
あたらしい世界に触れて頂きたいと思っています。


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自作の筆カバー

NHK文化センター千葉教室のIさん自作の筆カバーをご紹介致します。
蒔筆として使っている平筆のカバーを木材で作っておられます。


一見すると何なのかわかりませんが


スリットから筆先を入れると


穂先がしっかり守られます

道具のコンディションが悪いと作業の精度が下がります。
是非Iさんのように工夫して大切にして頂きたいと思います。


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