月別アーカイブ: 2022年1月

デザートカップのステー

港北カルチャーセンターのTさんの作品をご紹介致します。
デザートカップのステー部が折れてしまっていました。


ご友人の陶芸作家さんの作品なのだそうで、クラシックな感じあり、モダンな
感じありの魅力的な作品です。
これのステー部が折れてしまっていました。
画像では分かりにくいのですが、ステーの丸く膨らんだ部分の下が破損部です。

デザートカップのように頭(カップ部)が重いと、ステー部をただ接着しただけでは
重みに耐えられず、再破損の危険があります。
Tさんもステー部の接合には芯を入れて頂きました。

金泥で仕上げてみると、ベージュ色の釉薬に馴染んで目立ちません。
しっかり再使用が可能になったという意味では金繕いの王道です。

頑張って金繕いされたご褒美として、Tさんのお手元で活躍していると思います。


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梅 2022

先日のいけばなのお稽古で使った梅が開花しました。

お稽古の時には花芽だったのが、蕾が膨らみ、次々開花しています。
小さい花ですが、香りが部屋中に漂います。

まだまだ寒さが続きますが、この香りで春を一足先に感じられます。
しばらくはこの香りの中で過ごせそうです。


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受賞作

先日の「カルチャー芸術祭」で優秀作品賞を受賞したNHK文化センター
さいたまアリーナ教室のSさんの作品です。
以前のブログで途中の状態をアップしていますが、芸術祭に行けなかった
方から完成状態を是非拝見したいとたくさんリクエスト頂いていました。



同じさいたまアリーナ教室の方々はSさんが頑張って作業をしているのを
ご存じなので、皆様受賞を我が事のように喜んで下さいました。

ご本人も小さく目立たない作品なのにと感想を言っておられましたが、
やはり頑張りが見る人に伝わったのだと思います。

来年、同様の作品展が催されるかわかりませんが、出展をお願い出来る
力作をお待ちしております!


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「蕨」ではない

先般、いけばなのお稽古で使った花材です。
何だと思われますか?

チェーン展開している某花屋さんでは「蕨(わらび)」として販売されて
いました。

本当は「ウラジロ」です。
お正月に大きく開いた葉を鏡餅の下に飾る方もあるかと思います。

すっきりとした茎は他の花材に対してインパクトがあります。
しかし想像以上に固く、食用の蕨とは似ても似つかない感じです。

原一菜先生からお正月用に葉を使い(切り取った跡があります)、残りを花材
として販売しているのでは?というお話を伺いました。


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粉引の縁

NHK文化センターさいたまアリーナ教室のOさんの作品をご紹介致します。
粉引の小鉢の縁がたくさん欠けていました。

粉引は素地と化粧土の活着が悪く、縁がボロボロと欠けてしまう場合があります。
基本的に欠けは全て埋めて頂きますが、悩まれるのは多数の仕上げをどうするか
ということだと思います。

粉引の色には金が合うので金でもいいと思いますが、目立ち過ぎると感じる方も
多くおられます。
その場合にお勧めしているのは銀泥の仕上げです。

銀泥が硫化する初期の過程でシャンパンゴールドになります。
この時が粉引の色に自然に馴染みます。

Oさんも多数の欠けを丁寧に埋められました。
銀泥の色は頃合に止めて頂ければと思います。


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金継ぎ技法で作る箸置き・アクセサリー

来週19日水曜日にシー陶器・シーグラスを使って箸置きやアクセサリー
を作る1日講座を行います。
(募集は既に終了し、満席になっています)
今回はご参加の方のアドバイスを受けてセットを用意してみました。

1日で完成し「呼び継ぎ」という金繕いの技法が体験出来るのが魅力ですが、
たくさんのパーツから選ぶので、迷ってしまうのも事実です。

コツはまず気に入ったパーツを1つ選び、それに合わせて他の物を選んでいく
ことです。
シー陶器は青い釉薬の染付がほとんどですので、合わせていくシーガラスで主に
印象が変化します。
同系色でまとまった感じにしたいか、対比のある色で際立たせるか、狙いの
イメージを設定すると決めやすいと思います。

もうやりません、やりませんと言いつつ、また行ってしまうこのイベントですが、
やはり1日で完成することの難しさを感じています。
私には時間をかけて完成度を上げていく手法の方が合っているようです。


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蘭鉢の金繕い

NHK文化センターさいたまアリーナ教室のFさんの作品をご紹介
致します。
蘭鉢の割れの金繕いです。



蘭鉢とは蘭を植えるのに適した鉢のことを言います。
一般的な鉢と同様、屋外に置かれることから割れやひびが入った場合、補強を
することが必須になります。
根張りの他、結露で再破損してしまうからです。

Fさんの場合、接着した後、縁の下に糸を巻く方法で補強されました。
接合線と同様に釉薬に馴染む薫銀泥で仕上げられたので、違和感がないと思い
ます。

内側を見て頂くと、仕上げをしていないことがお分かりになると思います。
これは蘭を植えると内側には土が入るので、仕上げが必要ないからです。
鉢の金繕い独特の手法と言えます。

Fさんの丁寧な仕事で蘇った鉢には既に蘭が植えられていること思います。
釉薬に馴染んで目立ちはしませんが、鉢として再び使えるいい作品です。


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門松の行方

歳神様の依代として飾った門松ですが、私は7日に外しました。
その後ですが太田流礼法では15日のどんと焼き(左義長)で処分
するのをお勧めしています。

現代では神社仏閣ではお引き取りを行なっていないところも多くなりました
ので、白い清浄な紙に包んで「燃えるゴミ」に出されても構いません。
要するに火で処分することに意味があるのですが、この辺りの意味は「門松・
屠蘇」の講座にご参加頂けるとお話ししております。

お正月にちなんだ行事も終わりです。
そろそろ新年のご挨拶も終わりのようです。


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渦巻き

NHK文化センター千葉教室のNさんの作品をご紹介致します。
煎茶茶碗のひびです。

意匠にも見えてしまうくらい印象的なひびの形です。
これを止めるのは問題ないかと思いますが、口径の小さい煎茶茶碗で綺麗に
仕上げることは大変です。
Nさんは苦労なさったと思いますが、美くしく仕上げなされました。

そもそもこのようなひびが生じた原因ですが、製造段階の問題の他、保管
しているときに重ねていることも考えられます。

このひびの形が当然、表にも影響したわけですが、こちらは絵付けを再現
するようにされました。

黄色の絵柄は「仏手柑」というミカン科の柑橘類で人間の手のような形をして
います。
日常ではあまり見かけませんが、お正月の縁起物として茶席に使われます。

その仏手柑を跨いでしまった仕上げの線に輪郭の黒い線を入れただけで、特徴的
な形がしっかり蘇りました。

Nさんがお返しになった持ち主はとても喜ばれたそうです。
大変でも喜ばれることが金繕いの達成感ですね。


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流用出来ます

金繕い中の器を教室に持ち運ぶには気を使うかと思います。
基本的には器は一つずつ箱に入れるのをお勧めしていますが、
なかなか器に丁度いいサイズの箱を探すのは難しいところです。

以前にもご紹介していますが、100円ショップの文房具に流用
出来るものがあります。

まずは折り紙ケースです。
だいたい直径15cm程度までのなます皿が入ります。

丸い器を入れるには正方形の入れ物が必要ですが、正方形はなかなか
ありません。
そういう意味で折り紙ケースは便利かと思います。

もう1点は書類ケースです。
ある程度のサイズのお皿を入れるのに便利です。
お皿のサイズでB5、A4と使い分ければいいと思います。

もちろん大きい箱に幾つかの器を入れても構わないのですが、運んでいる
最中に崩れる可能性のある入れ方は避けるべきです。

せっかくの作業、特に仕上げをした器を痛めてしまっては残念過ぎます。
注意しすぎるくらいが丁度いいと思います。


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