NHK文化センターさいたまアリーナ教室のFさんの作品をご紹介
致します。
蘭鉢の割れの金繕いです。
蘭鉢とは蘭を植えるのに適した鉢のことを言います。
一般的な鉢と同様、屋外に置かれることから割れやひびが入った場合、補強を
することが必須になります。
根張りの他、結露で再破損してしまうからです。
Fさんの場合、接着した後、縁の下に糸を巻く方法で補強されました。
接合線と同様に釉薬に馴染む薫銀泥で仕上げられたので、違和感がないと思い
ます。
内側を見て頂くと、仕上げをしていないことがお分かりになると思います。
これは蘭を植えると内側には土が入るので、仕上げが必要ないからです。
鉢の金繕い独特の手法と言えます。
Fさんの丁寧な仕事で蘇った鉢には既に蘭が植えられていること思います。
釉薬に馴染んで目立ちはしませんが、鉢として再び使えるいい作品です。