月別アーカイブ: 2023年11月

年迎え 門松・屠蘇特別講座2023

今年も「門松・屠蘇」の講座を行います。
これは私の別の顔である礼法の師範としてのご案内になります。

年迎えの為に用いる正式な「根引きの雄松・雌松」に紙と水引を掛け、
正式な飾り方とは何か、日常行われている事柄がいかに略式であるかを
学びます。
また正月に行う初めての儀式「屠蘇」の調合、作製も致します。

お正月は日本人が古くから大切にしている伝統行事です。
今年は正式な門松を飾って厳かに迎えてみましょう。

日時:12月20日(水) 10:00~12:00/14:00~16:00
12月26日(火) 10:00~12:00/14:00~16:00
場所:藤那海工房 (最寄駅・西船橋駅より徒歩11分)
定員:各回 5名様
講習会費:¥8,000(雄松・雌松一対、屠蘇の材料費込み)
お申し込み:HPの「コンタクト」からメッセージをお願いします。
振込先、工房場所、持ち物などご連絡致します。

お申し込みをお待ちしております。


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草木染め2023 最後の成果

今年の草木染め大会は3回で終了しました。
その最後のレポートです。

Hさんの作品です。
ご自分でなさったのが絞りです。
着物をお召しになった際の膝掛けにするそうで、淡いベージュ色が
上品な染め上がりになりました。

上に乗っているのは帯揚げです。
今回初チャレンジのやしゃぶしの鉄媒染です。
渋いベージュですが、どんな着物にも合う万能カラーです。

すでに藍は花が終わり、あとは種を実らせるばかりになっています。
来年の開催に参加をご希望の方はお声がけ下さい。


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ちょっとひと手間

NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
ティーカップ&ソーサーの欠けの金繕いです。


ティーカップに欠け+ひび、ソーサーに欠けがあったのを金繕い
されました。
それぞれ金泥で仕上げられています。

ひと手間かけられたのが、金泥の上から器にあった元々のラインを
復元されたことと、ティーカップのひびの仕上げを器の柄に合わせて
途中に輪を入れられたことです。

器の元々の柄を復元するのは良くお勧めしていますが、今回Kさんは
ラインを柄の色に合わせた色漆を使われました。

通常は銀泥で仕上げておき、その硫化を待ちます。
しかし預かったもので、すぐに返却する必要がある場合は色の変化を
待てない場合もあるかと思います。
その場合には色漆は有効かと考えます。

ただ色漆は上手く使わないと安っぽい感じになる場合があります。
金泥が高騰しているので色漆をご希望になる方が増えていますが、
頑張って制作したものの価値を下げる必要はないかと思います。
安易に飛びつく前にご相談下さい。


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やまと絵展

現在、東京国立博物館で行われている「やまと絵」展を見に行って
きました。

やまと絵とは中国に由来する唐絵や漢画といった外来美術の理念や
技法との交渉を繰り返しながら独自の発展を遂げてきたもの、と定義
されています。

やまと絵自体は平安時代前期に成立とされていますが、当初の絵画は
中国からの影響を色濃く残しています。
本館の関連展示である「近世のやまと絵」まで通じてご覧になるとわかり
やすいと思うのですが、柔らかな筆致の絵画に昇華していきます。

題材も四季の移ろい、花鳥・山水といった自然を取材したものから、月ごと
の行事、さまざまな物語など文化を感じさせるものまで様々です。

また百鬼夜行や鳥獣戯画は現在の日本のサブカルチャーの萌芽となるのは
皆様が認めるところでしょう。

著名な作品が多く展示されているので、会期末が迫るにつれて混雑が予想
されます。
展示品が小品が多いせいか、ガラスケース前の滞留が目立ちます。
見学の際には空いているところから、隙間からと要領よく見学されることを
お勧めします。


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複数のひび

NHK文化センター柏教室のYさんの作品をご紹介致します。
陶器のお猪口のひびです。


ひびを止めた後、欠損を埋め、金泥で仕上げられています。
外側から見るとあまり目立ちませんが、内側は3本のひびが目に
入ってしまいます。

化粧土もしくは粉引と呼ばれる釉薬の場合、最も目立たなく仕上げる
には銀泥をお勧めしています。
銀泥が少し硫化したところで、ある措置をすると釉薬の色に馴染んだ
色で落ち着きます。

Yさんはまだ仕上げを始められたばかりだったので、失敗の少ない
金泥を選択されましたが、慣れてこられたら銀泥にもチャレンジして
頂きたいと思います。

仕上げはご本人のお気持ち次第です。
仕上げの際に迷われるようでしたら、ご相談下さい。
最適な方法をご提案したいと考えています。


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自然に馴染む

NHK文化センター柏教室のYさんの作品をご紹介致します。
楕円形のお皿に入ったひびの金繕いです。


何らかの植物の柄が入っているお皿です。
それがモダンなデザインで直線的にラインが入っているところに、まるで
植物の枝分かれのようにひびが入っていました。

ひび止め後、金泥で仕上げられたのですが、これが絶妙に馴染んでいます。
これが金繕いマジックですね。
人間が意図して出来ない意匠が完成するのです。

これを新たな魅力としてお使い頂ければと思います。


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二の字型のひび

私が金繕い(仕上げ)をご依頼頂いたカフェオレボールを
ご紹介致します。


ボール部分にひびが2箇所、高台に複数の欠けがありました。
仕上げとして工夫したのが、紺のラインに差し掛かっている
ところは薫銀泥で、地の乳白色の釉薬の部分は銀泥をわずかに
硫化させたところで色止めを行いました。

問題は縁にあった「二の字型のひび」です。
この不思議な形の欠けは破損した時の衝撃が今ひとつ弱く、欠けに
至らないでひびとなったものです。
決して珍しいものではなく、かなり頻繁に見受けられます。

「問題は」と言ったように、この破損は見た目が良くないのが悩ましい
ところです。
器に何らかの図柄が入っている場合は同様の柄で蒔絵して隠すのが
常套手段ですが、今回のご依頼品はラインが入っているだけなので
いつもの手段は使えません。

苦肉の策ですが、ラインに差し掛かった傷は薫銀泥で蒔絵し、地の
部分の傷は銀泥を少し流下させたところで色止めしました。
つまり二の字の上下で仕上げた金属粉の色が違う訳です。

一応ご依頼主の方の了解は取りましたが、現物を見て頂いて最も目立た
ない作戦としてご理解頂けました。

金繕いの姿勢として器本来の姿を損なわないというのがあるかと思います。
とかく思い切った改変を求めてしまいがちですが、器が日常で使うもので
あれば、若干引き算と感じるくらいの方策が正解なのではないかと考えて
います。


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シー陶器・シーグラスで作るアクセサリーその後

こっそり行っているシー陶器・シーグラスで作るアクセサリー作り
ですが、3月に行った分をご紹介致します。


透明に近いガラスを集めた作品。
天然石とシー陶器をパズルの様に上手く合わせているところが秀逸
です。


講座終了後、お手持ちのビーズを入れ込まれた力作。
パテで埋めて金で着彩しただけになってしまう部分が生かされています。


こちらも講座終了後にお手持ちのパーツを足された作品です。
何と眼鏡の装飾部分だったとか。
アイディア次第で何でも生かされる例ですね。


個性的なレイアウトの作品です。
横に並べた形は構成しにくいのですが、形さえ成り立たせられれば
パーツの選択のセンスの良さが光ります。

このイベントはもうやりませんと宣言しておりましたが、まだ残って
いるパーツで良ければという条件で来年に小規模で計画する予定です。
やってみたい!という方はお声がけ下さい。
優先的にお知らせ致します。


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