今は

カルチャープラザ公津の杜教室のIさんの作品をご紹介致します。
フリーカップの欠けとひびです。


Iさんは鮮やかなトルコ釉にどのように仕上げるのか、随分試行錯誤を
繰り返されました。
その結果、欠けは輪郭をはっきりさせない形で、ひびは器の元の柄に
絡ませるように、それぞれ銀泥で仕上げられました。

最終的に硫化して元の柄に馴染む予定でした。
しかし残念ながら依頼されたご友人に返却直後、割れてしまったそうです。

Iさんが同時に仕上げられたフリーカップもご紹介しておきます。
こちらも面白い割れ方が印象的な作品になりました。



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薄手

NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
平鉢の割れの金繕いです。



画像を見て頂くと、お分かりになるかと思いますが、縁の部分がかなり
細かく割れています。
元々薄手の器なので、この細かい割れの接着は難しかったと思います。
完成すると何でもなく見えますが、このようなものほど難関です。

仕上げの銀泥の線も美しく描かれています。
あまりにサラッと出来ているので、大変さが伝わりにくいかもしれません。

何でもないように完成しているのはKさんがベテランの域に達している
証拠だと思います。
ぜひ参考にして頂きたい作品です。


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諦めずに

産経学園ユーカリが丘教室のAさんの作品をご紹介致します。
スープカップの割れです。


安定の悪い割れ方をしていたので、少々ズレが出てしまいました。
Aさんは、そこを何とか頑張って埋めて完成に漕ぎ着けました。
結果、割れの線が面白い造形になって、楽しめる器になりました。

割れた破片が多いとか複雑な割れ方をしていると、金繕いに着手するか
悩まれるものです。
でもそういうものほど面白い造形が生まれて、完成の暁には教室の方々の
賞賛が集まるのです。

ぜひ怯まずチャレンジしてみて下さい。
お手元に金繕いで蘇り、金繕いした方が素敵になった器がやってきます。


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第14回 こころばえの会

友人の日本画家・斉藤佳代さんが参加するグループ展に今年も
出かけました。


こころばえの会は出身・年齢、作風も違う9名の女性作家のグループです。
その中で斉藤さんの作品は柔らかい色彩で心が和む作風です。

従来、植物画がメインの斉藤さんですが、今年は風景画が加わったことで
世情とご興味が外に向かったのがわかります。

今年もお扇子の作品が展示されています。

大きくない和田画廊ですが小さな作品群が心地よく同居した気持ちのいい
空間です。
会期は12日(月)まで。
銀座にお出かけでしたら、お立ち寄り下さい。


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阿部 操さんの個展

NHK文化センター柏教室の生徒さんである阿部操さんの個展に
出かけました。


油絵でモダンアートを制作する阿部さんの作品は人物画、風景画、
植物画の大別されます。

私自身は絵画科の専攻ではないので、モダンアートの知識がなかった
のですが、額装しない、サインを表にしないというのが特徴だそうです。

いずれの作品も大胆なタッチで描かれていますが、色調が柔らかいので
とても心が和みます。

人物画は昨今画像を見て制作される方が多い中、きちんとモデルさんを
前にして制作されているので、柔らかい色調でありながらしっかりした
存在感があります。

ギャラリーのオーナーともう1点展示するか否かと時間をかけて議論されて
いましたが、絵画家ならではの葛藤が伺えて興味深かったです。

会期は6月4日まで
場所はワタリウム美術館近くのトキ・アートスペースです。


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窯傷の金繕い

JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室のTさんの作品をご紹介
致します。
窯傷の金繕いです。


青紫系の別素材が埋め込まれた陶器の大皿です。
縁の部分に窯傷が出来ていました。

窯傷とは焼成段階で生じたキズで、後天的に破損させたものとは異なる
形状をしています。
また人為的に生じたものではないため「神様のなせる技」として敢えて
痕跡を残すのがセオリーです。

Tさんの大皿は窯傷ではありますが、実用性を考えて直しの手法は窯傷
ならではの方法で直しましたが、きっちり埋めて仕上げをすることに
しました。

迷われたのがその仕上げです。
当初弁柄色を考えておられたのですが、銀泥の仕上げに変更されました。
結果、嵌め込まれている青紫系と色が合い、まとまった雰囲気になり
ました。

銀泥はいずれ硫化して本体のグレー系に馴染むようになります。
これはこれで良いかと思います。

仕上げは使用上は不要と言い切っても差し支えないものです。
あくまでも見た目の問題ですが、ご自身が納得いくまで検討された
方がいいと思います。


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マティス展

現在、上野の東京都美術館で行われている「マティス展」に行って
きました。

マティスというと画像にあるような鮮やかな色彩と大胆な筆致を
思い浮かべる方が多いと思います。
私は晩年の切り絵の作品が殊に好きで、今回の展覧会もとても楽しみに
して出かけました。

海外の作家の展覧会というと、メディアに出る作品以外はあまりパッと
したのもがない、という残念なイメージがあるかと思いますが、今回の
マティス展は量、質共に満足のいく内容でした。

作品以上に楽しみにしていたのが、グッズです。
あらかじめネットで検索したところ、魅惑の品が満載です。
現地に行って迷いに迷った挙句、購入したのが下の画像のものです。

死蔵品になるものは購入しないと心に決めて、一筆箋とバッチを買いました。
バッチは今まで購入を考えるものではなかったのですが、生徒さんから帽子に
つけると素敵と聞いて、購入にチャレンジしてみたのです。

この他、Tシャツやエコバッグ、マスキングテープなど会場内とミュージアム
ショップの両方に素敵なものがたくさんありました。
作品の拝見と共にお楽しみ下さい。

私は平日の昼間にチケットを購入して見学に行きました。
入場時間に枠があるせいか、それほど混雑はしていませんが、そこそこ
見学の方がおられますので、空いている展示から効率良くご覧になるのを
お勧め致します。
会期は8月20日まで。


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ありのまま

藤那海工房 金繕い西登戸教室のOさんの作品をご紹介致します。
最初は湯呑みのひびです。

貫入と言われる釉薬に微細な亀裂がある器はOさんの作品のように
貫入に沿った亀裂の入り方をします。

Oさんは忠実にそのままの形を仕上げられたのですが、これが最も
自然な形と思います。
このようなケースの場合、あえて自分なりの線で仕上げてしまうと
逆に違和感が生じることがあります。

仕上げをする際に迷われることがあるかもしれませんが、まずは
自然にそのままの形で蒔絵することをお勧め致します。

同時に仕上げて来られたOさんの作品です。
仕事が早いOさんはどんどん仕上げて来られます。




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オミナエシを蒔絵

産経学園ユーカリが丘校のTさんの作品をご紹介致します。
小皿のひびの金繕いですが、割れの線を生かしてオミナエシを
蒔絵されました。


三又に分かれる割れ方は「鳥脚」と言って、王道の形でもあります。
Tさんは当初別のものを蒔絵をすることを検討されていたのです。
そこを私からオミナエシをご提案致しました。

というのもオミナエシの枝は三又に分かれるのが特徴で、自然な
形として蒔絵が出来ます。

枝を銀泥、花を金泥で蒔絵され、少し風になびいた様子が上品な
蒔絵になりました。

何か蒔絵をされたいという方には破損の形と自然に合うものを蒔絵する
という意味でとても参考になる作品だと思います。


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藍の種を蒔く2023

今年は生藍染めを復活しようとゴールデンウィーク中に藍の
種を蒔きました。


わずか1mm程度の種ですが、これから高さ60cm、直径60cmくらいの
大きな株に育ちます。

とりあえず1つのプランターに11粒蒔きました。
10日ほどで7個芽が出ましたので、種造メーカーの60%保証は達成して
います。
12cmほどの高さに育ったところで6株選定し、プランターに定植する
予定です。

上手くいけば7月下旬には最初の生藍染めが行える予定です。
既にやってみたいという方がおられますので、お声がけして「生藍染め」
大会を行う予定です。

本業ではなくあくまでも趣味の範囲ですが、生藍の他、玉ねぎの黄色の
染色、蘇芳の赤の染色もチャレンジします。
ご興味のある方は参加希望とお知らせ下さい。


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