縁の複数の欠け

NHK学園市川オープンスクールのTさんの作品をご紹介します。
陶器の小鉢の縁がたくさん欠けていました。


陶器製にはありがちなのですが、縁が複数の欠けでガタガタになっていました。
さらに大変だったのが、欠けた部分にカビが発生してしまっていたことです。

以前のブログにも書いていますが、カビは漂白剤では死にません。
好みの環境にあれば、すぐに復活してしまいます。
ですので漂白剤で色を落としたあと、しっかり煮沸消毒する必要があります。
Tさんはこの工程をしっかり行ってから縁の複数の欠けを金繕いされました。

実はこの小鉢はお子さんが小さい時に陶芸教室で作られたもので、まさに
プライスレスの世界唯一の品になります。

多少の揺らぎはOKということで銀泥で仕上げられました。
その後、銀泥がシャンパンゴールド色に硫化したところで色止めを行い、完成
となりました。

陶器のカビ防止は洗浄の後、しっかり乾燥させるのが一番の予防です。
中途半端な乾燥状態で重ねて食器棚にしまってしまうのが主原因だと考えて
います。

世界でただ一つの品、金繕いして蘇りました。


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