藤那海工房 金繕い教室のKさんの作品をご紹介致します。
急須の蓋の割れの接着です。
磁器なので縁の部分が薄いのですが、これが波紋のような形で
割れていました。
まず難しかったと思われる接着をされ、欠損を丁寧に埋められました。
金泥の仕上げはまさに波紋。
上品な蓋の柄と合っています。
Kさんは慎重に作業を進めるのが持ち味の方です。
その丁寧さが発揮された美しい作品になりました。
藤那海工房 金繕い教室のKさんの作品をご紹介致します。
急須の蓋の割れの接着です。
磁器なので縁の部分が薄いのですが、これが波紋のような形で
割れていました。
まず難しかったと思われる接着をされ、欠損を丁寧に埋められました。
金泥の仕上げはまさに波紋。
上品な蓋の柄と合っています。
Kさんは慎重に作業を進めるのが持ち味の方です。
その丁寧さが発揮された美しい作品になりました。
門松は歳神様をお迎えする際の目印(依代)ですが、喪中の際
には太田流礼法では「葉牡丹」をお勧めしています。
葉牡丹は葉牡丹でも色は白に限られます。
姿は鉢植えで構いません。
これは決まりではありませんが、私は植木鉢に白い紙を掛けて、
水引を結んでいます。
水引は双銀。
結びは喪中に相応しい結びを選択しました。
門松ですと松の内を過ぎても飾っているのは気になりますが、
葉牡丹ですとあまり気にならないので「どんと焼き」まで
飾っておこうと思います。
喪中の場合どうするの?と疑問に思っていた方は参考になさって
下さい。
年末に行っている「年迎え 門松・屠蘇 特別講座」では、この
ようなお正月の行事やしつらえについてお話ししています。
興味を持たれた方は参加してくださると嬉しいです。
NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
鉢の割れの接着です。
接着後、欠損して太く金泥の仕上げが入っていたところを元々の絵柄
と同じ弁柄漆で柄を描き足されました。
全くわからなくなっている部分を葡萄蔦らしく描かれているのは染色家
であるKさんの面目躍如と言えるでしょう。
このちょっとした工夫はたくさんの方がチャレンジして下さっていますが、
とても自然で効果が高い方法です。
臆せずチャレンジして頂きたいと思います。
今や珍しくない店名など広告の入ったペーパーナプキンですが、
日本発祥だということをご存知でしょうか。
以前のブログでも書きましたが、明治期に和紙は盛んに海外に輸出
されていました。
薄葉紙と言われる宝石などの貴重品を包む紙やタイプライター用紙
など薄くて丈夫な和紙が世界中で重宝されたのです。
ペーパーナプキンはその薄い紙を作れる技術と浮世絵などの印刷技術が
合体して作られたものなのです。
画像は横浜山手西洋館で最大規模を誇るベーリック・ホールに展示されて
いるものです。
建築主であるベーリック氏の会社名がはっきり印刷されています。
デザイン全体は洋風ですが、よく見ると描かれている花が菊だったりして
和を感じる内容になっています。
海外でオークションに出ていたものを、たまたまベーリック・ホールに
所縁のある方が見つけてベーリック・ホールに寄贈したと聞いています。
和紙輸出の隆盛も現在主流のパルプ紙が開発されると一気に下火になります。
明治35年くらいには全く逆転してしまい、日本はパルプ紙の輸入国になって
しまいます。
実は実父の実家は江戸時代に横浜・保土ヶ谷で今でいう旅館業を営んで
いました。
それが明治維新で宿場町の制度が廃止になり、仕事を変えざるを得なく
なります。
最初は名刺の印刷業を始め、パルプ紙の輸入が始まった頃に洋紙の輸入業に
携わります。
この辺りの出来事はこの頃の立身出世物語のような激動があったのでは
ないかと想像しますが、今ではそれを知る親戚は皆、鬼籍に入ってしまい
ました。
もっと興味を持って聞いておけば良かったと残念に思っています。
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
盆栽を習っておられて、それで使っていた鉢の割れを
直されました。
盆栽は鉢が重要なアイテムだそうで、その意匠は重要な評価ポイントに
なることをご存知の方は多いと思います。
Hさんがお持ちの鉢も煤けたような表面が特徴のもので、通常の金属粉
の仕上げは合わないというお考えでした。
そこでご提案したのが通常は仕上げには使わない素材です。
使って頂いたところ悪目立ちせず、自然な仕上がりになったかと思います。
金繕いに「ねばならない」はないと思います。
Hさんのように「こうしたい」というご希望をおっしゃって頂ければ
対応策を捻り出したいと考えています。
どうぞ柔軟な発想で通り組まれて下さい。
NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介致します。
マグカップの取手の接着・補強です。
マグカップの取手が割れてしまったのを補強を入れて再び使用可能に
された作品です。
元々金彩の入ったマグカップなので、取手の内側に入った取手が
馴染んで補強とはわからないと思います。
特にSさんは作業が丁寧で美しいので完成度の高さも見て頂きたいところ
です。
一菜会の特色として補強の多彩さがあると思うのですが、マグカップの
取手の補強は馴染み感と強さで誇れる技術だと考えております。
ただ相応に難しさと手間がかかりますので、ご自身がどのように使いたい
かをご検討の上、挑んで頂きたいと思います。
例年ご紹介している横浜山手西洋館のイベント・世界のクリスマス
ですが会期の初め頃に会社員時代の同僚を案内して行っていたにも
関わらず、ご紹介していませんでした。
年内にブログに掲載して心残りのないようにしたいと思います。
今回私が気に入ったのは「ベーリック・ホール」と「外交官の家」
でした。
いずれも装飾が充実しており、見応えがありました。
週末に見学に行ったのは初めてだったのですが、感染対策のために
会場内に滞在している見学者の人数を制限していて、人が入らない
画像を撮影するのも難しくありませんでした。
人の流れを良くするために私が皮肉を込めて「クローズアップさん」と
呼んでいる接写に夢中になるあまり備品の入ったバッグを会場に置きっ
ぱなしにし、同じ場所を占拠し続けるカメラマニアの方への対応も
厳しくなっています。
今年はご紹介が遅くなってしまいましたが、来年の6月には「花と器」
という西洋館が華やかに装飾されるイベントが待っています。
イベント時の西洋館の雰囲気は格別です。
神戸の西洋館と違い横浜市が管理することによって商業主義が排除されて
洋館本来の姿が堪能出来ます。
ぜひお出かけ下さい。
NHK文化センター千葉教室のHさんの作品をご紹介します。
抹茶茶碗の割れです。
割れのラインがインパクトが強すぎるということで当初は表の柄と
同じような円形の蒔絵を考えられていました。
しかしこれも重過ぎたのでスポンジングという方法に落ち着きました。
京焼きのお抹茶茶碗にはよく群雲のような柄が入っています。
スポンジングの柄はそれに類似しているので違和感がないかと思います。
このスポングングの方法は時々ご紹介していますが、様々な道具で
表現されます。
チャレンジしてみたい方はあらかじめご相談下さい。
NHK文化センター千葉教室のHさんの作品をご紹介致します。
お茶碗の割れでした。
典型的な鳥脚型の割れ方です。
接着後、欠損部分を補われて金泥で仕上げておられます。
仕上げの質問で多いのが欠損が太いところに合わせて仕上げの線の太さを
太くするのか?というものです。
この場合、欠損に合わせて自然に線を描かれるのが良いです、とお答え
しています。
Hさんの作品は欠損に合わせて自然な線を描かれています。
特に表の趣のある絵付けととても相性がよく、イキイキとした仕上げに
なっているのがご覧頂けるでしょう。
もしこれが欠損の太い部分に合わせて全体が均一の太い線になっていたら、
随分印象が違っていたかと思います。
仕上げはあるがままに、をお薦め致します。