貝絵 秋春

JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室のTさんの作品を
ご紹介致します。
ハマグリ貝の貝絵です。

金繕いの教室では金箔の扱いを学んで頂く為にハマグリ貝に金箔
を貼るカリキュラムをご用意しています。
ここから更に貝絵にチャレンジされたい方には引き続き、ご指導
しております。

左側の貝には秋(紅葉と松葉)、右側の貝には桜を新うるしの色で
描かれました。
Tさんはご趣味でスーパーリアルの油絵を描かれているそうで、
画題を描くのは難なくこなされているのですが、題材の選び方、
レイアウトの考え方など日本文化に合わせて検討して頂きました。

新うるしで描いて頂くと器としても使用が可能なので、飾るだけで
なく食卓にも華を添えるアイテムになるはずです。
楽しんでお使い頂ければ嬉しいです。


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筆の収納

このところ、筆の収納をどうしたらいいか?というご質問が続き
ましたので、ご説明したいと思います。

筆の収納は大きく分けると筆巻と筆筒になるかと思います。
まず筆巻です。


こちらは私が自宅で使っている名村というメーカーのブラシケース
・ショート(水彩画用)です。
(紐は柔らかい質のものに交換しています)
画像でご覧頂けるようにかなりの本数の収納が可能です。
私は3つ折りで使っていますが、筒状に巻くことも可能です。
筆先側にカバーがついていますので、筆やキャップの脱落の心配が
ないのも評価出来ます。

こちらは筆筒です。
画材メーカー品から100円ショップ品まで様々あります。
メリットはコンパクトなところでしょうか?

難点は目的の筆を探しにくいところと、逆さまに収納してしまうと
筆先を痛める可能性があることです。

変わり種はキャンプ用のカトラリーケースです。
何とダイソーで330円。
立体的に丸められるので、テーブルの上で筆立てのように立てて
置くことも可能です。

難点は長さが筆に対してギリギリなこと。
カバーをすると筆先が潰れる可能性大です。

いろいろご紹介しましたが、お裁縫が得意な方は自分の使い勝手に
合わせて自作するのが一番かと思います。
何より大切なのは道具のコンディションが作業の質に関わるので、
穂先を痛めない方法を重要視するべきということです。


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縞々復活

NHK文化センターさいたまアリーナ教室のYさんの作品を
ご紹介致します。
長方皿の割れです。


片身かわりの斜線の柄が和風過ぎず、モダンな感じが魅力のお皿です。
角部分が割れていたのを接着されました。

仕上げは通しで金泥で仕上げた上から染付の斜線を再現するように
銀泥で入れて頂きました。
仕上げ直後は白く抜けた感じに見えますが、いずれ硫化して染付の
ラインが復活したようになる予定です。

Yさんの作品の場合、染付のラインが細いので難しかったとは思いますが、
線を入れるコツがありますので、同様のチャレンジをしてみたい方は
教室でご確認下さい。

仕上げはひと手間かけると、より魅力が増します。
お勧めした場合には是非積極的に取り組んで頂ければと考えています。


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常滑焼急須のつまみ

NHK文化センターさいたまアリーナ教室のSさんの作品をご紹介
致します。
常滑焼の急須のつまみが折れてしまっていました。


使用頻度の高い急須は補強が必須になる筆頭でもあります。
殊につまみは蓋を持ち上げる分の荷重がかかりますので、注意が必要
です。
さらに常滑焼は独特の土の特性で接着自体が難しいところがあります。
そこでSさんには念には念を入れた補強を行なって頂きました。

まず断面に穴を開けて頂き、軸を入れてあります。
さらにつまみと本体の関連を強める為に和紙で補強を行なって頂きました。
これだけの作業をして頂くと再破損のリスクはかなり減ります。

Sさんは作業が丁寧で綺麗なので完成した姿は元からつまみの座部分に
金の装飾が施されていたように見えると思います。
返却された持ち主の方のお喜びも伺える作品になりました。


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藍の復活

今夏の酷暑で藍が枯れてしまったと以前のブログに書きましたが、
実は虫の息で残っていた株があったのです。
もしかして何とかなるかもと水やりを続けていたところ、涼しく
なったところで遂に花が咲きました。


問題は受粉するかどうかなのですが、上手くいけば種が取れます。
復活も遂げたことですし期待して待つことにします。


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総体漆繕い

NHK文化センター柏教室におられたSさんの作品を前回に
続いてご紹介します。
欠けを総体漆繕いで直されました。


画像正面に欠けがあったのですが、わかりにくいと思います。
こちらはご友人からの預かり物の茶碗なのですが、金属粉で
仕上げをするのではなく、できるだけ目立たないようにとの
リクエストだったそうなのです。
これを備前焼の赤茶色の色を新うるしの色を調合して再現
されました。

現在、陶磁器の修復方法を「金繕い(金継ぎ)」というので、
金や銀での仕上げが当然のように思われているかと思いますが、
技術の発端は漆の色で完成する「漆繕い」が原点です。

ただ器の色を漆で再現するのは簡単ではありません。
金や銀の金属粉で仕上げを行う方が下地の色に左右されることなく
簡単です。

また金属色はどんな色の釉薬でも相性が良いので、究極は失敗が
ないと言えます。

昨今の金の高騰で金での仕上げを避けられる傾向にありますが、
Sさんの作品のように完成度の高い総体漆繕いは難関なのです。


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緑釉の大皿

産経学園ユーカリが丘校のMさんの作品をご紹介致します。
緑釉の大皿の欠けの金繕いです。

このお皿は柔らかい質の割に縁にシャープなエッジが出ており、
とても欠けやすいものでした。
そのため大小10数カ所、欠けが生じていました。

Mさんは一つ一つ丁寧に欠損を埋められた後、仕上げに悩まれました。
緑釉には金泥が合いますが、欠けがたくさんある場合には逆に下品に
見えてしまう場合があります。

最終的にMさんは銀泥を選択されました。
仕上げ直後は白っぽい色ですが、いずれ硫化して緑釉に馴染む予定です。

お料理が上手なMさんは完成してお料理を盛ったところの画像を送って
下さいました。
ローストポークと五郎島サツマイモのマッシュとリンゴソースの盛り合わせ
だそうです。
釉薬にお料理が映えて益々美味しそうですね。

金繕いは再び器として使うために行うものです。
また使えるようになって嬉しいとおっしゃるMさんのような喜びを皆様に
感じて頂きたいと思います。


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削る

NHK文化センター柏教室におられたSさんの作品をご紹介
致します。
ソーサーの割れです。


可愛らしい花の絵付けが素敵なソーサーですが、その絵付けを
またぐように割れの接合線が走っています。
接着後、銀泥で仕上げられ、色が硫化しないうちに色止めをされて
います。

特筆すべきは柄の出し方です。
通常、絵付けの上も金属粉で仕上げて頂いた上から色漆で絵付けを
再現することをお勧めしています。

Sさんの作品の場合、接着がピッタリに出来たので、銀泥の仕上げを
削って絵付けを出しているのです。

これは接着がピッタリに出来たからこそ出来る方法です。
早々真似出来ることではありませんが、こういう方法もあるのだと
ご紹介致します。


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6styles@女子美’83 展

友人の高橋文子さんが参加しているグループ展を拝見して
きました。
高橋さんは刺繍作品を出品しています。

日本刺繍他、様々な分野の刺繍を修めた高橋さんの作品は上品さと
可愛らしさが同居していて、とても魅力的です。

画像は購入させて頂いたブローチですが、帯留に変えられる金具を
使って帯留として使う予定です。

今回、海の生き物をモチーフにしたシリーズも出品されていたのですが
こちらも素敵でした。

もう1点、購入したのが森下和枝さんの、こちらもブローチ。
帯留にしたら面白いかも、と思ったのですが、冬に愛用しているニット帽
が愛想がなかったので付けてみたところ、とても相性がいいではありませんか。
今冬はこの組み合わせで楽しみたいと思います。

秋はいろいろ展覧会のお誘いがあって楽しい季節です。


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斉藤典彦展

友人の日本画家・斉藤佳代さんのご主人である斉藤典彦さんの
東京藝大退任記念の展覧会を拝見してきました。

こちらでは2007年の個展以降の作品を展示。
自然に潜む目に見えない根源的な気配が表されていると評されて
いる大きな作品が拝見出来ます。

私としては床の間の設えのある和室に展示されている正木記念館の
展示が興味深かったです。
そもそも純和室での展示が珍しいですし、照明が抑えられた空間で
見る作品は幻想的でした。

同時に京橋の和田画廊では2000年までの作品が展示されています。
東京藝大の展示品とは作風が違う作品が拝見出来ました。

東京藝大での展示は10日(日)まで。
和田画廊は13日(水)まで。
ご興味がある方は会期末が迫っておりますので、ご注意下さい。

秋は展覧会のお誘いが多い季節でもあります。
インプットの時間として満喫したいと思います。


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