カテゴリー別アーカイブ: 展覧会•イベント
四田淳三・湯口絵美子 父娘展 雪と薔薇
現在、箱根 芦ノ湖湖畔にある成川美術館で行われている
「四田淳三・湯口絵美子 父娘展」に行ってきました。
荘厳で静謐な雪の塔を描き続けた父・四田淳三さんと娘・
湯口絵美子さんの鮮やかで情熱的なバラの対比が織りなす美の
競演でした。
湯口さんの描くバラは洋花の西洋のエッセンスと日本画の清心さ
が同居する不思議な魅力があります。
このあたりが日本画ファンのみならずバラを描く、もしくはモチーフ
として扱う方の心を捉えて幅広いファンがいらっしゃいます。
箱根観光の際に足を伸ばして頂くと外の喧騒とは隔絶した静かな空間
で作品が堪能出来ます。
芦ノ湖までは難しいという方は来年1月に都内で湯口さんの個展が
予定されておりますので、そちらへどうぞ。
父娘展は11月13日までです。
金繕いから学ぶ 文様の格
「金繕いから学ぶ 文様の格」と題して1日講座を行います。
10月30日水曜日 13:30〜15:00
NHK文化センター千葉教室
近年、金繕いはただ破損を直すだけではなく、蒔絵をプラスして
オリジナリティを求める傾向にあります。
そこで必要になるのが文様に関する知識です。
あまり知られていませんが日本では文様に厳密な格付けがあります。
その知識を踏まえた上で作品に最も相応しい文様を選択すべきでは
ないでしょうか。
この講座では一般の文様辞典にはない知識をご紹介します。
お聞き頂くことで日本文化に対する造詣を深めて頂ければ幸いです。
ご参加をお待ちしております。
◯オンデマンド(リアルタイムでの視聴〜ご都合が良い時に視聴)
シー陶器・シーグラス 箸置き・アクセサリー作り2024
随分時間が経ってしまったのですが、今年3月に行ったシー陶器・
シーグラスで作るアクセサリー作りのご報告です。
こうして並べてみると、ご参加の皆様それぞれで大変面白い作品が
完成していると思います。
相応の時間がかかる金繕いと違い、1日のワークショップで完成する
のも魅力だと考えています。
とはいえじっくり取り組むのが性に合うので、もう行わない予定?
2024年 第1回+第2〜3回 草木染め
和敬塾本館見学
目白にある旧細川侯爵邸である和敬塾本館を見学して来ました。
(内部の画像はSNSで公開NGなので、頂いたパンフレット、葉書で)
旧細川侯爵邸は昭和11年、細川護立侯の自邸として建築されました。
イギリスのチューダー・ゴシック様式を基調とする洋風建築ですが、
内部には和室や東洋風のインテリアも併せ持つ自由な折衷様式の華族
邸宅建築です。
細川護立侯自身はわずか9年しか居住出来ず、戦後はオランダに接収
されます。
この時にダイニングルームがシャワー室に、つなぎの和室が壁を立てて
二間に改造されたりしてしまいますが、現在は創建当時に極力近づけて
公開されています。
(貴重な壁材なども触ってOKなのは嬉しい!)
特徴的なのは華麗なインテリアでありながら“もしも”の場合に備えて
各部屋が必ず2方向避難が可能なように設計されていることです。
これは二二六事件の直後に設計された影響ではないかと思われます。
毎年5月から12月の月2回、原則木曜日にあらかじめ申込の上、
見学が出来るようになっています。
案内人の丸山さん(男性)の語り口が軽妙で、1時間20分とは思えない
くらい楽しい見学会でした。
恐らく年内の見学は一杯だと思います。
毎年1月中旬くらいにその年の見学日が公開になりますので、是非
細川護立侯好みの個性的なインテリアを堪能して頂きたいと思い
ます。
オンデマンド「金繕いの世界」再配信
2020年に行った内容が好評につき再配信になりました。
金繕いの発祥から追う歴史と実際の作業工程をふんだんに画像を
使って説明しています。
特に金繕いを始めたばかりの方や始めてみようという方には
最適な内容になっております。
お申し込みをお待ちしております。
あらかじめHPから登録を行い、支払い決済後30日間視聴可能です。
NHK文化センター千葉
渺渺展2024
友人の広瀬佐紀子さんが参加している日本画若手作家の集まりによる
展覧会「渺渺展」を拝見してきました。
広瀬さんの作品は山の風景です。
ご覧頂いてお分かりになるかと思いますが、一般的な山岳画と違って
空が狭いのです。
これは広瀬さんが実際に冬山に登山し、厳しい環境の中に身を置いて
写生しているからなのです。
あたかも自分自身がその場にいるような錯覚に陥るくらい心に迫ってくる
自然の美しさ、厳しさを感じます。
「渺渺」とは「広く果てしないさま」という意味を持つそうです。
全く違うスタイルを持つ参加者の共演は毎年拝見していても、新しい
感動があります。
会期は9月1日(日)まで。
JR千駄ヶ谷駅から徒歩5分の佐藤美術館です。
是非実物を会場でご覧下さい。
日本・東洋 陶磁の精華
現在、出光美術館で行われている「日本・東洋 陶磁の精華」
という展覧会に行ってきました。
ご存知の方もおられるかと思いますが、出光美術館は建物の建て替えに
伴い、一時閉館が予定されています。
その閉館前に出光美術館の軌跡を表す展覧会の一つです。
出光美術館は国宝2件・重要文化財57件を含む約1万件のコレクションを
有する美術館として広く知られています。
その中から陶磁器に絞って
中国「シルクロード」「皇帝のうつわ」
朝鮮・日本
「交流」「中国陶磁の影響」「中国からの脱却」「独自性の形成」
とのタイトルで選定されています。
出光美術館の総力を結集した展覧会ですので、いずれも見応えのある
ものばかりでした。
展覧会の狙い通り各国の個性を意識して見ると、それぞれの特徴が
つかめて面白いかと思います。
会期終了が8月25日日曜日まで迫っています。
貴重な破片室も含めて是非ご覧下さい。
横浜山手西洋館 花と器のハーモニー2024
横浜山手西洋館のイベント、花と器のハーモニー2024に行って来ました。
今回はRediscovery〜世界のアーティスト×日本の器というテーマです。
日本の器だからなのか、全体的にシックで落ち着いたイメージの展示でした。
◯ベーリック・ホール Rediscovery of Lilies
今回はイチオシが選べません。
日本の器は釉薬で魅せるものが多く、アイテム数も洋食器のように
多くありません。
その分、花の演出は洋館との一体感が要求されることになり、それが
それぞれの館で成功しているように感じました。
その結果、山手西洋館全体の雰囲気が調和することになり、イベント
全体で楽しめる内容になったように思います。
混雑緩和のため、靴はビニール袋に入れて持ち歩きます。
画像の撮影はスマホかタブレットのみ。
(カメラでの撮影は開館直後の時間帯に予約制)
脱ぎ履きしやすく、歩きやすい靴で散策下さい。
会期は9日日曜日まです。
民藝展
現在、世田谷美術館で行われている「民藝」展に行って来ました。
民藝とは100年前に思想家・柳宗悦によって提唱されたものです。
日常生活のなかで用いられてきた手仕事の品々に美を見出し、
「民衆的工藝=民藝」の考えを唱えました。
日々の生活の中にある美を慈しみ、素材や作り手に思いを寄せる
民藝のコンセプトがいま改めて必要とされています。
この展覧会では民藝を「衣・食・住」をテーマに紐解き、展示解説
しています。
展示品のクオリティの高さもあるのだと思いますが、柳宗悦が収集した
ものから、現代の提唱者のインスタレーションまで見ることによって、
改めて民藝とは何なのかを感じることが出来ました。
展覧会のサブタイトルに「美は暮らしのなかにある」とありますが、
コロナ禍を経て丁寧に生活することの大切さが見直されたのは、
とても良いことだと考えています。
ミュージアムショップがかなり充実しているので、ミュージアム
ショップ好きには楽しめるかと思います。
展覧会は6月30日日曜日まで。
お天気が良ければ用賀駅から歩くのもおススメです。