カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景
筆の収納
このところ、筆の収納をどうしたらいいか?というご質問が続き
ましたので、ご説明したいと思います。
筆の収納は大きく分けると筆巻と筆筒になるかと思います。
まず筆巻です。
こちらは私が自宅で使っている名村というメーカーのブラシケース
・ショート(水彩画用)です。
(紐は柔らかい質のものに交換しています)
画像でご覧頂けるようにかなりの本数の収納が可能です。
私は3つ折りで使っていますが、筒状に巻くことも可能です。
筆先側にカバーがついていますので、筆やキャップの脱落の心配が
ないのも評価出来ます。
こちらは筆筒です。
画材メーカー品から100円ショップ品まで様々あります。
メリットはコンパクトなところでしょうか?
難点は目的の筆を探しにくいところと、逆さまに収納してしまうと
筆先を痛める可能性があることです。
変わり種はキャンプ用のカトラリーケースです。
何とダイソーで330円。
立体的に丸められるので、テーブルの上で筆立てのように立てて
置くことも可能です。
難点は長さが筆に対してギリギリなこと。
カバーをすると筆先が潰れる可能性大です。
いろいろご紹介しましたが、お裁縫が得意な方は自分の使い勝手に
合わせて自作するのが一番かと思います。
何より大切なのは道具のコンディションが作業の質に関わるので、
穂先を痛めない方法を重要視するべきということです。
藍の復活
今夏の酷暑で藍が枯れてしまったと以前のブログに書きましたが、
実は虫の息で残っていた株があったのです。
もしかして何とかなるかもと水やりを続けていたところ、涼しく
なったところで遂に花が咲きました。
問題は受粉するかどうかなのですが、上手くいけば種が取れます。
復活も遂げたことですし期待して待つことにします。
6styles@女子美’83 展
友人の高橋文子さんが参加しているグループ展を拝見して
きました。
高橋さんは刺繍作品を出品しています。
日本刺繍他、様々な分野の刺繍を修めた高橋さんの作品は上品さと
可愛らしさが同居していて、とても魅力的です。
画像は購入させて頂いたブローチですが、帯留に変えられる金具を
使って帯留として使う予定です。
今回、海の生き物をモチーフにしたシリーズも出品されていたのですが
こちらも素敵でした。
もう1点、購入したのが森下和枝さんの、こちらもブローチ。
帯留にしたら面白いかも、と思ったのですが、冬に愛用しているニット帽
が愛想がなかったので付けてみたところ、とても相性がいいではありませんか。
今冬はこの組み合わせで楽しみたいと思います。
秋はいろいろ展覧会のお誘いがあって楽しい季節です。
斉藤典彦展
友人の日本画家・斉藤佳代さんのご主人である斉藤典彦さんの
東京藝大退任記念の展覧会を拝見してきました。
こちらでは2007年の個展以降の作品を展示。
自然に潜む目に見えない根源的な気配が表されていると評されて
いる大きな作品が拝見出来ます。
私としては床の間の設えのある和室に展示されている正木記念館の
展示が興味深かったです。
そもそも純和室での展示が珍しいですし、照明が抑えられた空間で
見る作品は幻想的でした。
同時に京橋の和田画廊では2000年までの作品が展示されています。
東京藝大の展示品とは作風が違う作品が拝見出来ました。
東京藝大での展示は10日(日)まで。
和田画廊は13日(水)まで。
ご興味がある方は会期末が迫っておりますので、ご注意下さい。
秋は展覧会のお誘いが多い季節でもあります。
インプットの時間として満喫したいと思います。
花器の金繕い
私が金繕いを承った花器をご紹介します。
象嵌で繊細な柄を入れたものですが、縁周辺が割れてしまって
いました。
破片を接着後、欠損部分を埋めました。
仕上げは縁に金彩が入っているので、基本的に金泥を使用。
縁下の染付部分のみ薫銀泥を使いました。
その結果、程よく馴染んだのではないでしょうか。
この花器は持ち主の方が作家さんにオーダーして作って貰った
ものとお聞きしております。
唯一無二のものとして完成した姿を気に入って下さっていれば
嬉しいです。
和敬塾本館見学
目白にある旧細川侯爵邸である和敬塾本館を見学して来ました。
(内部の画像はSNSで公開NGなので、頂いたパンフレット、葉書で)
旧細川侯爵邸は昭和11年、細川護立侯の自邸として建築されました。
イギリスのチューダー・ゴシック様式を基調とする洋風建築ですが、
内部には和室や東洋風のインテリアも併せ持つ自由な折衷様式の華族
邸宅建築です。
細川護立侯自身はわずか9年しか居住出来ず、戦後はオランダに接収
されます。
この時にダイニングルームがシャワー室に、つなぎの和室が壁を立てて
二間に改造されたりしてしまいますが、現在は創建当時に極力近づけて
公開されています。
(貴重な壁材なども触ってOKなのは嬉しい!)
特徴的なのは華麗なインテリアでありながら“もしも”の場合に備えて
各部屋が必ず2方向避難が可能なように設計されていることです。
これは二二六事件の直後に設計された影響ではないかと思われます。
毎年5月から12月の月2回、原則木曜日にあらかじめ申込の上、
見学が出来るようになっています。
案内人の丸山さん(男性)の語り口が軽妙で、1時間20分とは思えない
くらい楽しい見学会でした。
恐らく年内の見学は一杯だと思います。
毎年1月中旬くらいにその年の見学日が公開になりますので、是非
細川護立侯好みの個性的なインテリアを堪能して頂きたいと思い
ます。
日本・東洋 陶磁の精華
現在、出光美術館で行われている「日本・東洋 陶磁の精華」
という展覧会に行ってきました。
ご存知の方もおられるかと思いますが、出光美術館は建物の建て替えに
伴い、一時閉館が予定されています。
その閉館前に出光美術館の軌跡を表す展覧会の一つです。
出光美術館は国宝2件・重要文化財57件を含む約1万件のコレクションを
有する美術館として広く知られています。
その中から陶磁器に絞って
中国「シルクロード」「皇帝のうつわ」
朝鮮・日本
「交流」「中国陶磁の影響」「中国からの脱却」「独自性の形成」
とのタイトルで選定されています。
出光美術館の総力を結集した展覧会ですので、いずれも見応えのある
ものばかりでした。
展覧会の狙い通り各国の個性を意識して見ると、それぞれの特徴が
つかめて面白いかと思います。
会期終了が8月25日日曜日まで迫っています。
貴重な破片室も含めて是非ご覧下さい。
モーニングカップのひび
私がお預かりして金繕いしたモーニングカップをご紹介します。
ズレが生じていた深刻なひびでした。
ドイツのKPMというブランドのモーニングカップというかなりたっぷり
飲み物が入るものです。
こちらに一部破損があり、ズレも生じているひびが入っていました。
実はお預かりした時点でひびにしっかりと茶渋が入っていました。
通常、深刻なひびの場合には漂白はお勧めしていません。
破損を埋める必要があるので、必然的に金属粉で仕上げが必要になる
からです。
ここで敢えて漂白を選択しました。
というのも以前に表に華やかな絵付けのある湯呑みをお預かりした際、
漂白に成功したことによって絵付けに仕上げを乗せないで済んだから
です。
数ヶ月かけて漂白したところ、ひびの隙間に茶渋がなくなったことで、
ズレが解消しました。
その結果、破損を埋めはしましたが仕上げの金泥は細く仕上げることが
出来ました。
白い器に金の線が1本。
潔さが美しい仕上がりになりました。
このような経験をするとセオリー通りが正解とは限らないと感じます。
臨機応変でその器にとって最適解を探すのも楽しみの一つです。
2024 第1回 草木染め
藍の生育に成功し、今年初めての草木染め教室を行いました。
ご参加の方の染上がりです。
織りや素材でニュアンスのあるストール生地を生藍染めで染め
られました。
同じ染液で染めたとしても織りや素材で違う色に染まるのが、
面白いと楽しんで頂けたようです。
再度、藍の生育に努めて1か月後に違うメンバーで草木染め教室を
行う予定です。
草木染めに関しては一度に参加出来る人数が多くないので広く募集
は行いません。
既に参加したいとご要望頂いて方を中心にお声がけ致します。
来年夏の話になりますが、参加をご希望の方はお申し付け下さい。
ハマグリ貝の稚貝 ぜんな
ハマグリ貝の稚貝「ぜんな」を入手しました。
大きさはアサリよりやや小振りな感じです。
稚貝なので傷はありませんし、皮が薄いので磨きも楽です。
これに金箔を貼って小さな貝合せを作っても楽しいかと
思います。
ぜんなが流通するのは産地が近い千葉県ならでは。
ご希望の方のはお譲りしますので、お声がけ下さい。