カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景

割れた魯山人 『世界で最も美しい本』日本代表に

以前のブログでご紹介しました前田義子さん著『割れた魯山人』が、
第47回造本装幀コンクールで、最高賞にあたる文部科学大臣賞と
出版文化国際交流会賞をダブル受賞しました。

さらに来年ドイツ・ライプチヒで開催される「世界で最も美しい本」
国際コンクールにも日本代表として参加されます。

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白地に金で金繕いの線を表した斬新な装丁ですが、カバーを開くと、
そこにも美しい写真が。

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金澤篤弘さんの写真のバックは、大古瀬和美さんのアートです。

本の完成まで10年かけたそうなのですが、その時間の密度は本の完成度の
高さからも感じられます。

とかく簡単に短時間でと要求される昨今で、時間がかかる金繕いは
驚かれることが多いですが、この本のようにじっくり物に向き合う貴重な
時間とお考え頂けたら嬉しいです。


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川口教室

今日は川口教室の日でした。
川口には教室開設のお話を頂くまで縁がなく、降りたことが
ありませんでした。
ですから川口というと鋳物の街というイメージがありました。
(古過ぎますね)

しかし現在は東京都心へのアクセスの良さから、駅前は高層マンションが
立ち並び、そごうなどの商業施設も多く、買い物の利便性の良さもあります。

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よみうりカルチャーセンターがある方のロータリーです。

川口教室は今期募集を行いませんが、歴史のある街ですので、金繕いに
ご興味のある方も多いのではと期待しています。

※次回の新規募集は、来年4月期になります。
募集開始は2月末頃の予定です。

 


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ネコジタザラガイ

変わった貝を入手しました。
ネコジタザラガイの名前の通り、表面がザラザラとしていて、
猫の舌のようです。

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ニッコウガイ科
奄美諸島以南、ニューカレドニアに分布しているそうです。
私が購入したのは、セブ島産でした。

表面の怖い感じとは裏腹に、ピンク色の縞模様が美しく、内側に
透けています。

さてこの貝がどんなふうに加工されたのか、各教室でお目にかけたいと
思います。


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生藍染め大会

生藍染めにチャレンジしてみました。
友人のKさんが、ミキサー持参でサポートに来てくれました。

①前処理 中性洗剤を入れたお湯に15分浸したあと、水洗いする。

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豆汁下地 豆乳を20倍に薄めた液に木綿のものを浸す

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② 藍を茎から刈り込み

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枯れたところが紺色になっています。
色素の元が含まれているのが、わかります。

③ 葉のみ摘んで、50g計量

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葉の量は、染める布の重さの2〜5倍必要です。
ミキサーの容量と、手早く出来る上限量(100g)がありますので、
そこから必然的に決まってくると思います。

④ 700ccの水と一緒にミキサーへ

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⑤ 1分間、ミキサーにかける

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⑥ 木綿布で漉して、染料液を作る
(ミキサーにかけて染料液を作るまでを5分以内で行う)
前処理した布を浸す

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15分間、絶えず布を動かしながら浸し染めにする

布を動かし続けるのはなかなか大変ですが、みるみるうちに色が
染まっていきます。
ここで浸らない部分が出来てしまうと、染めムラになってしまうと
思います。

⑦一度絞って広げ、空気に触れさせる
4回ほど水洗いする

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すすぐと、又、色が変化します。

⑧ タオルで絞る

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⑨ 天日に干す

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手早く乾かさないと、色がくすんでしまうそうです。

◎ 2度目の染料液、豆汁下地にもチャレンジ
手順は全く同様

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◎ 染め上がりです。

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左から
シルクストール(1回目染料液)
シルク手袋(2回目染料液)
ミニタオル(上) (豆汁下地 1回目染料液)
ミニタオル(下) (中性洗剤下地 2回目染料液)

材質、前処理、染料液使用回数で、かなり違いがあります。

やはりシルクの方が、染まりやすいのもわかりました。

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◎ ゴム手袋 色が染まっています。必須です。

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藍は徒長してしまっていた枝を根元から20cm程残して切り戻しました。
1ヶ月後くらいに枝が伸びてきたところで、もう一度チャレンジ
しようかと考えています。


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大古瀬和美さんの作品 + きぎ工房の額

アーティストの大古瀬和美さんが、あるお寺の納骨堂のために制作された
作品のハガキを、きぎ工房さんの額に入れてみました。

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たまたま大古瀬さんのアトリエのそばを通りかかった長老住職が、
大古瀬さんの作品に魅了されて納骨堂の壁画制作を依頼したという
運命的な出会いがあったと聞いています。
(詳細は大古瀬さんのHPをご覧下さい)

その美しく荘厳な作品のハガキを、ブラックウォールナットのきぎ工房
さんの額に入れてみました。

額の裏面です。

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2本の材が納めた物を押さえるのですが、材を回転させると溝から外れる
という見た目と機能を兼ねた造りになっています。

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角の造りもきれいです。

きぎ工房さんの額は、誠実なものつくりをすることの大切さを
教えてくれます。
作り手として油断のないよう、心がけて行きたいと考えています。


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ドッグヤードガーデン プロジェクションマッピング

昨日はNHK文化センター横浜教室で、助手の日でした。
下の画像はランドマークタワーの横にある『ドッグヤードガーデン』
です。

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かつて造船所であったこの石造りの施設は、国の重要文化財に
指定されています。

舟形に積まれた重厚な石組は国内で類例がなく、横浜港の隆盛期を
彷彿とさせるよい施設だと思います。

現在ここでプロジェクションマッピングのイベントが行われています。
横浜にお出かけの際には、ルートのひとつにご検討下さい。


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川口教室 開講しました

よみうりカルチャー川口教室が開講しました。
酷暑にも関わらず、たくさんの方々にご参加頂き、嬉しく
思っております。

皆様器が好きで、直したいという熱意に溢れており、とても
雰囲気のよい教室です。

その教室の様子です。

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実は陶芸教室なので、奥のシートがかかっているのは、ろくろ
なのです。

お陰さまで川口教室は、ほぼ満席です。
次回の新規受講の募集は、来年4月期になる予定です。


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ルーサイトギャラリー

偶然、おしゃれなギャラリーを見つけました。
JR浅草橋駅近くの『ルーサイトギャラリー』です。

戦後建てられたという外観に惹かれて入ってみました。

玄関までの路地も風情があります。

ギャラリーでは陶芸家大江憲一さんの展覧会が行われていました。
(6月28日まで)

こちらの和室は、ギャラリー展示が行われていない時は茶道教室と
なるそうです。

2階ギャラリーは、雰囲気ばかりでなく隅田川を臨んだローケーションも
素敵です。

タイル貼りの洗面所です。
昭和な感じが、イイですね。

このようなギャラリーがあるとは、まったく知らなかったのですが、
思い切って入ってみて良かったです。
建物好きとしては、とても楽しい冒険になりました。


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藍の出荷

先日プランターに定植した藍ですが、大量に残っていた苗がありました。

そのうち半数を、原一菜(いちな)先生に引き取って頂くことに
なり、出荷しました。

なかなか育ちが良かったようで、生藍染めに使って頂けそうです。
先生の作品も楽しみになりました。

※工芸家である原一菜先生は、草木染の作家でもあります。


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本漆用ユニフォーム

じめじめと蒸し暑い季節ですが、本漆にとっては最適期です。
本漆というとカブレが心配ですが、これを避けるにはひたすら
皮膚に着けないことです。
そこで私は下の画像のようなユニフォームを用意しています。

エプロン、アームカバー、ゴム手袋です。
髪はしっかり束ね、化粧も必須です。

漆かぶれのメカニズムはかなり解明されており、正確には
アレルギー性接触性皮膚炎に分類されるものです。
漆の主成分であるウルシオールが、皮膚のタンパク質と結びついて
発症します。
ですので、皮膚につけないことが重要になる訳です。

作業中は頻繁にゴム手袋を交換しますし、作業後は肘から指先までに
サラダ油 を塗って洗浄します。

もし皮膚につけてしまった場合は、サラダ油で拭います。
漆は油分で溶けてしまうからです。

そうまでしても本漆を扱う理由は、優れた物性と何よりも仕上がりの
美しさに他なりません。

注 漆かぶれ対策は、色々な方法があります。私の方法として参考までに。
なお教室で使用している新うるしは、このような対策は必要ありません。


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