カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品

ワンポイントに金

NHK学園市川オープンスクールの生徒さんの作品を
ご紹介致します。

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なます皿が複雑に割れてしまったのを接着されました。
仕上げの線が重なっているところにワンポイントで金を
入れられました。

特に下の画像で3本の線が集中してしまっている所に
違和感を感じられたそうで、それを緩和するためにお考えに
なったそうです。

このように仕上げ線がたくさん入る場合、通常は染付け柄の
部分に銀泥、白地の部分に金泥とオススメすることが多い
ケースです。
銀泥が硫化後にどういう印象になるのか、私も楽しみです。

ご自分のセンスで新しいことにチャレンジして頂くのは、大歓迎
です。
チャレンジお待ちしております。


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じっくり完成

NHK学園市川オープンスクールのKさんの作品を
ご紹介致します。
唐津焼の大湯のみというのでしょうか?高さが20cmほども
ある大きな湯のみです。

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画像でご覧頂けるように、かなり複雑に割れていました。
さらに細かい欠損もあちこちに出来ていました。
これを接着し、欠損を丁寧に埋められて、このほど完成しました。

複雑な割れがアートのようです。
欠損なりに仕上げられた線が、とても美しいです。
湯のみの大きさと相まって、とても迫力のある作品に仕上がりました。
これはひとえに根気よく作業を続けられたKさんの努力の賜物です。

Kさんの努力は受講中のご様子にも出ています。
熱心に他の方への説明もお聞きになり、それを自分の作業に転換して
ご質問なさいます。
このような不断の努力が作品に現れているのです。

往々にしてご自分の作業で精一杯で、他の方への説明は他人事になって
しまうものです。
私としてはいつかそれぞれの方にお役に立つであろうと考えて説明
していますので、是非聞いて頂きたいと考えています。

Kさんにじっくり直してもらった大湯のみの完成した姿は、少々誇らし
げに見えました。
大湯のみもきっと丁寧に作業してもらったことを喜んでいるのだと
思います。


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お抹茶茶碗の仕上げ

昨年7月から開講した「セブンカルチャークラブ成田教室」
ですが、完成第1号が出ました。
Tさんの作品です。

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もともと金彩が入っているお茶碗なので、金泥で仕上げても
違和感がありません。
初めて描いた線ですが、上手くまとめられました。

実はTさんは昨年11月からの受講なので、4ヶ月目で完成した
ことになります。
この作品は軽微なニュウだったので、仕上げも早く出来たの
です。

ですので同じ時期に受講を開始なさった方でも仕上げられない
とご心配なさることはありません。

茶道をなさっている方は、いろいろお道具を直したいご希望が
あるかと思います。
お茶道具については、避けた方がよい仕上げがありますので、
教室でご相談しながら決定したいと思います。


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最初に仕上がるのは

NHK文化センター 千葉教室木曜日クラスの方の作品を
ご紹介致します。

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千葉教室の木曜日クラスは昨年10月に開講したばかりのクラスです。
先月もお一方ご紹介させて頂きましたが、最初に仕上げが出来るのが
このようなヒビのみのものです。
欠けと一緒になく、深刻な状態でなければ、早い段階で仕上げが
行えます。

上の画像の作品は、ざっくりした陶器に迷いのないしっかりした線を
描かれています。
器とのマッチングもとてもよいと思います。

仕上げが出来ると、モチベーションも上がります。
臆することなく、チャレンジして頂ければと考えています。


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置き目+桜の花びら 

よみうりカルチャーセンター大宮教室のEさんの作品を
ご紹介致します。
カリキュラムの後半に盛り込んでいる「置き目+桜の花びら」の
完成品です。

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まず「置き目」の技法で流水紋を入れられています。
「置き目」とは、図柄の転写方法です。
2種類の流水紋からお好みの柄を選んで頂き、用意されたお皿に
転写されています。
その後、桜の花びらを直描きで蒔絵して頂きました。

Eさんの作品は、1枚のお皿として大変完成度が高くなっています。
流水紋の入れ方、桜の花びらの散らし方、それぞれ大変美しく
配置されています。
特に勢いある筆致で描かれた桜の花びらが、とてもよいです。

昨年10月から受講された方は、5〜6月でこのカリキュラムを予定
しております。
単なる技法の練習でなく、1枚の作品として見応えのある様子を
ぜひ参考になさって下さい。


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把手折れシリーズ第4弾

NHK文化センター 柏教室のMさんの作品をご紹介
致します。
把手折れシリーズ第4弾です。

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ざっくりした表情がかわいらしいピッチャーです。
画面左側に写っているのが、把手の残りです。

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あえて把手を補強せず、根元から切り落とすこともせず、割れた
ところで残しました。
注ぐ場合には残った部分に手をかけて行うことも可能という
状態です。
断面になったところは、適宜危なくないようにならして仕上げて
あります。
元からこういう形の器だったかのように、完成しました。

Mさんはピッチャーとしてではなく、何か別の形での使用を
お考えのようです。
用途は変わったとしても、再度実用出来るようになるのが、金繕い
です。
お使い頂けるようになって、器も喜んでいると思います。


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あとは欠けの仕上げ?

NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介
致します。

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潔く2つに割れたお茶碗の仕上げです。
何回かに分けて仕上げた計画が上手くいっているのもありますが、
長い線を仕上げるのは難しいものです。
そこにHさんの上達が見て取れます。

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こちらの2点もヒビの線が繊細に描けています。

あとは欠けを刷毛目なく仕上げられるようになったら、完璧
です。
欠けは輪郭を描き塗りつぶせばいいのですが、塗り厚をコントロール
して、手際よくというのは、やはり練習あるのみ。
しかしコツコツ努力するHさんならば、きっと到達して下さることと
期待しています。


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光輝く

NHK文化センター ユーカリが丘教室のNさんの
作品をご紹介致します。

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こちらは揃いのお皿がいろいろ欠損してしまったのを修復
されました。
そして器の縁に金彩が入っていたのを復元しましたので、
器の内側の金彩と相まって光輝いています。

骨董の器をお持ちの方からご相談が多いのが、この縁の金彩の
剥落です。
こちらは特別に筆を仕立てて頂いてから、練習ののち、仕上げて
頂くようにしています。

チャレンジしてみたい方は、まず筆からご相談下さい。

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こちらは大振りな急須の蓋です。
割れたものを接着して、仕上げられました。

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内側は金箔貼りになっていますが、これは補強してあるから
です。
急須の蓋は、熱がこもる、持ち上げるということで、使用上の
ハードさがあります。
使用頻度も高いので、単に接着して終わりではなく、必ず補強を
お勧めしています。
補強方法は蓋の形状にもよりますので、ご相談下さい。

キズを直すだけでなく、その後の使用を考えるのが金繕いだと
思います。


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見えない工夫

NHK文化センター ユーカリが丘教室のSさんの作品を
ご紹介致します。

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大皿の欠け•ひびの修復をされました。
お皿が大きいところに、とてもマッチした仕上げとなっています。

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欠けは裏面にかけて、かなり大きかったのです。
そこでSさんは、道具からいろいろ工夫されました。

何度かのやり直しを経て、きれいに完成している状態からは
わかりませんが、数々の工夫をされているのです。
努力あってこその完成度なので、この粘りをお手本にして
頂きたいと思います。

このお皿は組物なので、それらが完成してから次の修復に
取りかかられるそうです。
そんなところにSさんの真面目なお人柄が出ています。


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足らぬがよし

NHK文化センター千葉教室のHさんの作品を
ご紹介致します。
先日ご紹介しました蒔絵予定の湯のみを含めて、仕上げて
きて下さいました。

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なかなか3本の枝が上手く入る角度がないのが残念ですが、
元からあったヒビの線に、欠けを含めた枝を入れて3本
描かれました。

1本を銀泥で、一番左側の枝は欠けを含めて大きくなびかせた
ところが秀逸です。

柳の枝は、先端の葉で表情が決まります。
Hさんご自身が柳は得意とおっしゃっているように、柳の絵
としても美しい蒔絵が完成致しました。

ご本人としては複数ある欠け全てから柳の枝を出そうと考えた
そうなのですが、ヒビがあったところを含めて3本がよい
選択だったと思います。
何事も「足らぬがよし」としておくのが、日本の美ではないでしょうか?

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こちらは以前にもチャレンジして下さった金•銀泥合わせ技の
仕上げです。
銀が硫化してくると。染付け柄が繋がったように見え、直しの
存在感がやわらぎます。
すでに経験が深いテクニックなだけに、手際も鮮やかです。

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こちらは右上から左下に向けて割れを接着。
不定形の曲線は、ヒビでした。
茶色の釉薬に差し掛かっているところは銀泥にされ、硫化後
には目立たなくなるという計算がされた仕上げです。

まるで元からこのような器だったかのように見える作品に、教室の
方々から賞賛の声が上がりました。
もっと言えば金•銀の線が入ったことで、より力強さのある器に
生まれ変わったようです。

Hさんは、破片の足りない複雑な接着を根気よくなさっています。
「続けていれば必ず完成する。」とお話されていましたが、まさに
これが名言で、今日ご紹介した作品はH さんのセンスだけでなく、
根気の賜物なのです。


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