カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品

第1回草木染め講習会2025

今年も草木染めの講習会を行いました。
第1回目の今回はお使いになっていた物を染め直しする方が
多くあり、生まれ変わって新しい姿になるのを楽しんで頂き
ました。


手前2枚は絹のストール 生藍染め、奥は仕立て直し予定の綿


刺繍のある綿のハンカチ 生藍2染目


使い込んだアームカバー 玉ねぎ鉄媒染

今回ご参加の方は皆様初めてだったこともあり、色の変化を
楽しんで頂けたようです。
一応、こういう色に染まりますとサンプルはお示ししているのですが、
生地によって思わぬ変化を遂げます。
特に刺繍の入ったものは刺繍の立体感が際立ち、売っているものでは
得られない色と喜んで頂けました。

次は8月の末に行います。
この酷暑にめげず藍が再成長してくれるのを祈るような気持ちで水やり
しています。


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金箔貼り

JEUGIAカルチャーセンターイオンモール八千代緑が丘教室に
来られていた方の作品です。
ご友人が作った木の葉から型取ったお皿の割れでした。


実は先端の尖った部分だけが割れていたのですが、そこだけ仕上げても
見た目があまり良くありません。
そこで破損したところより遥かに大きい面積に金箔を貼って頂きました。
緑系の釉薬と金箔の相性がよく、全体の印象が締まったように思います。

金箔を貼った範囲はきちんと計算して計画しています。
金箔の範囲が素敵に見えるのは何となくフィーリングで行ったものでは
ないからです。

このような攻めの姿勢の仕上げも楽しいかと思います。
チャレンジしてみたい方は教室でご相談下さい。


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急須の金繕い

NHK文化センター千葉教室のNさんの作品をご紹介致します。
急須の取手の割れと注ぎ口の欠けです。


使用頻度の高い急須は金繕いのご希望が多い器でもあります。
中でも突出部である取手と注ぎ口の破損が望まれます。

Nさんの急須も取手は根元から割れており、注ぎ口も先端が欠け
ていました。

特に取手は急須自体を持ち上げるという荷重がかかる部分ですので、
ただ接着するのではなく、中に芯を入れて金繕いします。

表面の釉薬に類似した薫銀泥で仕上げられているので、画像では
どこが破損したのかわからないと思いますが、安全を重視した
金繕いになっています。

急須のように熱い飲み物を入れる器に関しては、どう安全を確保
するのか、確認の上、金繕いされるのをお勧め致します。


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土鍋の取手

NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介致します。
土鍋の取手破損の復元です。



三枚目の画像をご覧頂くとお分かりになるように、中空になっている取手
が割れて破片は紛失してしまっていました。
蓋をすることは可能でも掴むことができないのでは使えるとは言えません。
Sさんは失ってしまった部分を様々な素材で充填し、元の形に復元され
ました。

紐を捻ったような形を残った部分から想像して作るのは大変だったかと思い
ますが、ご覧頂けるように自然な形に作られていると思います。
仕上げはガンメタリックカラーの薫銀泥を使っておられます。
こちらも本体と違和感がない要因だと思います。

このような「もう駄目では」と思われるようなものでも金繕いは可能です。
諦めずにご相談下さい。


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もみじ

NHK文化センターさいたまアリーナ教室の方の作品を
ご紹介致します。
欠けの金繕いです。


欠けがちょうど弁柄色で描かれたところにありました。
通常は金や銀で蒔絵するところですが、欠損を埋めた弁柄漆が
馴染みましたのでそのままにし、葉脈を金泥で描いて頂きました。

弁柄漆は釉薬の色が馴染むケースが多い色です。
その場合は今回のケースのように上手に隠すのも一つの手段だと
思います。
是非参考になさって下さい。


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蒔絵で華やかに

NHK文化センター柏教室のMさんの作品をご紹介します。
大鉢の欠けとひびです。



欠けの形があまり美しい形ではなかったこともあり、Mさんは欠損を
元々器にある桜の柄を使って蒔絵されることにしました。
内側は桜の花で、外側は葉と蕾で上手く欠損を隠しながら蒔絵の図柄
を決められています。

桜の花は銀泥ですので、いずれ硫化して器の柄と馴染みます。
外側の金泥で蒔絵された葉は意外に白地に目立ちません。

今回は器元々の柄が欠損を隠すのには最適な図柄でした。
このようなケースは是非蒔絵にチャレンジして頂きたいと思います。


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こっそりやってます

シー陶器、シーグラスで作るアクセサリー・箸置き作りですが、
昨年、今年とこっそりやっています。





材料に限りがあるので、それでご納得頂けるのであればと条件付き
なのですが、毎回ご参加される方があり、素敵な作品が誕生して
います。

ただ今後の日程は決まっておりません。


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欠けの仕上げ いろいろ

NHK文化センター柏教室のSさんの作品をご紹介
致します。
欠けの仕上げをされた器たちです。

日常生活で最も生じるのが欠けではないかと思います。
取れたボタンを付け直すように器の金繕いが出来るようになる、という
のが教室の狙いでもあります。

Sさんの作品は度々このブログでもご紹介させて頂いていますが、一つ
一つの仕上げに真摯に取り組まれるので、美しい完成度が当然のように
なってきました。

ご本人の影での格闘はあるかと思いますが、それを感じさせない完成度
をご覧下さい。


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急須の蓋 補強

NHK文化センター千葉教室のSさんの作品をご紹介します。
急須の蓋の割れです。


あいにく蓋のみの画像なのですが、表面の絵付けでとても斬新なデザイン
の急須であることはお分かりになるかと思います。
これが真ん中で割れてしまっていました。

急須の蓋は想像以上にハードワークです。
熱い湯気にさらされ、持って移動もあります。
ですので単に接着しただけだと2年程しか持たない(接着が外れる)と
経験則でわかっています。
よって接着しただけではなく補強をお願いしています。

Sさんの場合、蓋の内側の立ち上がり部分に和紙を貼って頂きました。
補強部分だけではなく内側全体を銀泥で仕上られたので、補強が際立つ
ことなく馴染んだ形でお使い頂けると思います。

日本の誇るべき和紙は金繕いでも活用されています。
作業の際には手順を教室でご確認下さい。


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こだわる

NHK学園市川オープンスクールのYさんの作品をご紹介します。
陶器皿の割れです。


赤い釉薬が印象的なこのお皿はYさんのご家族が作られたものです。
微妙な揺らぎが魅力なのですが、それが故に仕上げの線を限定する
のを難しくしていました。
さらに釉薬の特性で細かい貫入も入っており、どうしたら美しく
処理が出来るのか悩みが深くなります。

Yさんはそれらの関門を一つ一つ追求して直されるのですが、その
こだわりの姿は頭が下がるものがありました。

結果はご覧の通り。
赤い釉薬に金泥のラインが映える美しい仕上がりになりました。

金繕いの教室にお越しになる方々は皆様直したい器があって、それを
丁寧に美しく直すことを趣味とされています。
プロではないのですから完成度を突き詰めなくてもいいのかもしれません。
しかしYさんのこだわりの工程、完成度を見て頂ければ、良いものは
良いと感じて頂けると思います。


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