カテゴリー別アーカイブ: 基本のき

仕上げ直前

仕上げ直前の平鉢です。

教室にご参加頂いている方には違和感がないかと思いますが、
このブログでのみご覧頂いている方は「何故、赤い?」と
思われているかと思います。

金繕いは接着にしろ、ヒビを止めるにしろ、欠損部を補う
という作業が生じます。
この欠損部を埋めるという作業には、赤漆を使用します。
それは赤漆の含有成分に効果があるからです。
よって途中経過は赤漆が塗られ、見た目がよいとは言えません。
しかし仕上げ直前には画像のように成形し、蒔絵を施します。

仕上げを金にするか、銀にするか、よくご相談を受けますが、
陶器なら、磁器なら、と基本のきまりごとがあります。
日本の文化を意識して仕上げを決められるのもよいかと
思いますが、最終的には、ご自身のお好みで構いません。


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ここまで出来ます

ユーカリが丘教室のTさんの作品をご紹介致します。
ティーカップの接着ですが、ご本人も何ピースに
割れてしまったのか、分からないくらい細かく
割れています。

接着力の強い“のりうるし”を使って接着をしていることも
ありますが、ここまで形が戻ったのはひとえに根気があると
自負されるTさんの頑張りにあります。

接着を成功 させる鍵は、接着24時間後までの調整です。
漆の厚み、除去もポイントですが、こまめに面倒を見る
ことが最も重要なのです。

続報
Tさんからご連絡が入りました。
ティーカップは13ピースに割れているそうです。
この完成度、素晴らしいです!


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補強 ポット編

破損してしまった器を再び使う為に、状態に応じて
補強をします。
カップの把手や、急須の蓋、持ち手などがよくある
ケースですが、ティーポットの例をご紹介します。
画像は、現在私が修復を依頼されているものです。

ズレが生じている程深刻なひびで、複雑な欠けもあります。

ポットの場合、中にお茶を入れるので修復箇所に水圧が
かかります。
入るものが熱いお湯ですから、安全の為内側に布を貼って
補強しています。
漆の器を中に作った状態になる訳ですね。
相応に手間はかかりますが、安心して使用出来る状態に
なります。


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