日別アーカイブ: 2013年6月6日

古染付と祥瑞

出光美術館で行われている「古染付と祥瑞」展に行ってきました。

古染付と祥瑞はいずれも中国明代(17世紀)に日本の茶人からの注文で
作られたと言われる磁器です。

古染付は粗悪な雑器といえるくらいの製品で、釉薬と胎土の活着が
悪く外れてしまっている部分があります。
これを日本の茶人は“虫喰い”と言って珍重するのです。

日本の美濃焼を模したとも考えれますが、器形は厚みがあり、ゆらぎも
大きいです。
絵付けも揃いの5客なのに動物の絵はバラバラだし、柄が変わってしまって
いたりと、鄙びた感じがします。

古来中国からの影響を多大に受けて来た日本文化ですが、 古染付と祥瑞は
明らかに中国と違うものになっています。
これを一言で言ってしまえば“侘び•寂び”なのでしょうが、それに至った
日本人の感性を考えずにはいられません。

未だに解明されていない生産地の窯址、日本からの注文メカニズムとともに
興味深い展覧会でした。
会期は6月30日(日)まで。


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