日別アーカイブ: 2014年10月7日

根津美術館「名画を切り、名器を継ぐ」

現在根津美術館で行われている「名画を切り、名器を継ぐ」
という展覧会に出かけてきました。

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この展覧会は現在私たちが目にしている古美術品が、将軍や茶人を
はじめとする所有者達によって改変や再生された点に注目し、
その作品の扱われ方、鑑賞のされ方の検証を試みたものです。

数多く名品が展示されていますが、私が特に注目したのが、名画では
佐竹本三十六歌仙絵です。

斎宮女御
こちらは大正時代に売りに出されたものを、時の有力者が分割
所有したといういわれがあります。
絵画的には、後の姫君の描き方のお手本になった点が重要です。

華やかな女性歌人3人が揃って展示されるのは大変めずらしいそう
なので、もしご都合がつくならば展示期間の10月13日までにお出かけ下さい。

名器としては、まさに繕いがされた器が展示されています。

須弥

画像はポスターにも掲載されている大井戸茶碗 銘 須弥(別銘 十文字)
です。
これは古田織部がもともと大きかった茶碗を十文字に切り、径を小さくして
継いだと言われていますが、その他割れの接着あり、鎹止めあり、と
様々な修復がなされています。

器はこの他、赤楽茶碗 銘 乙御前、瀬戸筒茶碗 呼継、赤楽茶碗
銘 木守など、原一菜(いちな)先生の著書に取り上げられている器が
多数展示されています。

金繕いをなさる方には、是非見て頂きたい展覧会です。


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