日別アーカイブ: 2015年10月27日

手を洗うのは…

金繕いの講座の際、手指を石けんで洗って下さいとお願いしています。
それはなぜなのか、改めてご説明しておきたいと思います。

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手指を洗っておいて頂きたいのは、講座の都合上ではありません。
本漆にしろ、新うるしにしろ、油分に弱い性質があるからです。

例えば本漆が皮膚についてしまった場合、油を塗布するとかぶれを
回避出来ます。

器の修復上では油分が修復箇所についていると、削る•磨くなどの作業を
すると、欠損面からごっそり剥がれてしまうなどということがあります。

この場合、まず器を洗うことからお願いしています。
もちろん欠損を埋めていた作業もやり直しです。

このようになってしまったのは、修復前の器の洗浄が不十分であったか、
もしくは手指に油分が付着していたなどの理由が考えられます。

修復を始める前の器の洗浄は、徹底して行いましたか?
(仕上げ前の器も洗浄が必須です。
ご不明の方は、教室で手順を確認して下さい。)

ご自宅で作業をする際、もしくは作業の状態をちょっと確認する時に
手指を石けんで洗わずに修復箇所を触っていませんか?
洗っていない手指で、他の方の作品の修復箇所を触っていませんか?

ちょっとしたことが時間をかけてやってきたことを、台無しにして
しまいます。
ご面倒でも器と手指の洗浄は徹底なさって下さい。


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