月別アーカイブ: 2015年9月
大古瀬和美展 2015
友人のアーティスト•大古瀬和美さんの個展が、昨日より
日本橋•ギャラリー砂翁で行われています。
タイトルは「発光ーEmit own light」
ここ数年、画風が変化しつつあるのを感じていました。
アトリエのある地からの力を得ておられるのではないかと思っています。
そして今回の個展は、ついに到達した感があります。
会場のギャラリーは、日本橋三越からほど近いところにあります。
おでかけの際に、お立ち寄り頂けたら幸いに存じます。
2015.10月期準備
金繕いの講座は、主に4月と10月に新規受講の受入れを行っています。
この時期は、新規受講の方々と既に受講して下さっている方々から
お申し込みの教材準備でごった返します。
何度も繰り返していますし、自分なりのシステムもあるので、どうと
いうこともないのですが、新しく受講する方をお迎えすると思うと、
一種の緊張感があります。
新しく受講する方々、お会いするのを楽しみにしています。
そして継続して受講して下さる方々、引き続きどうぞよろしくお願い
致します。
2015年10月期から始められる講座
2015年も早いもので、10月が駆け足でやってきます。
過ごしやすくなった秋から陶磁器の修復「金繕い」を始めて
みませんか?
10月からの受講を受け付けている講座をご案内致します。
港北カルチャーセンター(第1土曜日 13:00〜、15:30〜)
よみうりカルチャー川口(第2木曜日 10:30〜)
NHK文化センター ユーカリが丘(第3月曜日 午前•午後、第4日曜日)
NHK文化センター柏(第3日曜日 午前•午後) ※午前クラスは残席あと僅かです
よみうりカルチャーセンター大宮(第4月曜日 15:30〜17:30)
お申し込みをお待ちしております。
トクサ 肥料やり
トクサは基本的に肥料をやらなくてもよいとされています。
私の経験上の感覚ですが、鉢植えに関しては肥料をある程度やった
方がよいと思います。
苗で購入した年や、地植えの物をもらった年は、苗自体の力で
大きく育ちます。
しかし翌年以降は肥料をやった方が、しっかり育つようです。
現在我が家のトクサは、藍と一緒に肥料をやっているので、まあまあの
状態に育っています。
これは秋になって気候が落ち着いた影響もあるかと思いますが。
使用している肥料は「ハイポネックス」です。
適宜希釈し、1週間に1度くらいで十分かと思います。
千字文 臨書スタート
蘭亭序が終了して、いよいよ千字文の臨書がスタートしました。
千字文とは中国で習字の手本として作られたものです。
日本で例えれば「いろはにほへと」のようなものでしょうか。
梁の武帝が王子達に書を習わせるため、王羲之の筆蹟の中から重複しない
文字一千字の模本を作らせました。
しかしこれは1字ずつの紙片であって、ばらばらで順序はありませんでした。
武帝は文学の才能を高く評価されていた周興嗣(しゅうこうし)を呼び、韻文を
作るように命じます。
周興嗣は一晩かかってこの一千字を用いた整然たる韻文一篇を作り、武帝に
奉りますが、その苦労のため髪の毛が真っ白になったという逸話があります。
今回お手本にするのは、南宋の高宗のものです。
高宗の文字は、細身で流麗なところが特徴です。
文字の太さに変化が大きく、引きがあります。
お手本を書いた原一菜先生が、腕が震えたとおっしゃるくらいです。
実際臨書してみて、流れるような線をゆっくり直筆で書くには、筆を二の腕で
支えなければならず、筋トレから始めなければならないと思いました。
上の画像は先生のお手本を赤一色でコピーしたものです。
月1回のお稽古なので、お手本を頂くと、まず単色でコピーし、上から
トレースするのを何枚か書くのです。
お手本を頂いた時に書き順や、運筆の注意点はお聞きしますが、細かい所は
お手本を見ながら推測して書きます。
さながらミステリー小説の謎解きをしているようなものです。
元は王羲之の文字とはいえ、全く違う筆法の高宗です。
1,000字の長い旅の始まりです。
新芽のトクサ
トクサの刈り取り時期についての質問が多くあります。
春に新芽として出たトクサは柔らか過ぎるので、今刈り取っても
道具としては使えません。
試しに強風で折れてしまった新芽を乾燥させてみました。
画像奥に写っているのが、新芽です。
手前に写っている緑色が残っているのが、年越し後に刈り取った物です。
ご覧になってしっかり度が違うのがおわかりになるでしょうか?
今春出た新芽は、少なくとも秋以降、地植えの方は年越しして2月〜3月
で刈り取るのをオススメ致します。
色を気にされる方も多いのですが、刈り取り後1週間乾燥してあったら
枯れ色でなくとも構いません。
適切な手順で、よりよい道具を手にされて下さい。
花穂をとる
第1回目の生藍染め以降、再び成長している藍ですが、花穂が
出始めました。
植物として当然ですが、花穂が出ると栄養はそこに集中してしまい
ます。
そこで花穂をとることにしました。
最初の葉は大きく育ちますが、2回目以降は葉の大きさがどうしても
小さくなります。
葉を大きくするためには、致し方ない決断です。
種を採る場合には、花穂を一部残しておいてもよいかと思いますが、
今年種苗メーカーから購入した種から育ててみて、やはり大きく
育てるのであれば、購入した種の方がよいという結論に至っています。
種を採ることは考えず、全ての花穂をカットする予定です。
水彩色鉛筆
久しぶりに色鉛筆を入手しました。
それも初めての水彩色鉛筆です。
グラデーションに並んだ様子が美しいです。
選んだのはカランダッシュというメーカーのスプラカラーというシリーズ
です。
カランダッシュは、描き心地が柔らかいところが気に入りました。
早速筆での溶け具合を試してみました。
想像以上にきれいに溶けます。
貝絵などの作品作りに使おうと考えています。
残すように磨く
NHK文化センター柏教室のNさんの作品をご紹介致します。
割れてしまったものを接着し、欠損を埋めて仕上げられました。
割れたなりの線がとても魅力的で、器の柄と呼応するかのようです。
Nさんは作業が丁寧な方なので、線もきれいに描かれており、大変
完成度の高い作品に仕上がりました。
しかしNさんとしては、接着の際に微妙に生じてしまった段差が
綺麗に埋め切れていない点が不本意とおっしゃいます。
段差解消のためには、ある程度テクニックが必要です。
また見映えも重視しなければなりません。
そのため意識的に作り込みを行います。
そして最終的には、“手加減”が美しさを決めます。
この“手加減”の説明が難しいのですが、力加減を抑えめにするという
感じでしょうか。
女性は日頃の掃除で、磨く作業に力が入りやすくなってしまっています。
まずは時間制限を設けて、磨くのは2分以内としてみたらいかがでしょう?
置き目の応用
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
カリキュラムで、図柄の転写方法として「置き目」というものに
取り組んで頂いています。
Hさんはその際に使用した波文様を仕上げに利用されました。
このお皿は両サイドからヒビが入っており、それが唐突な感じが
否めないとお考えでした。
そこで波文様を入れることによって緩和しようとお考えになったのです。
最終的には左からのびているヒビの仕上げ線と、波文様と繋げる予定
ですが、試みは大成功だと思います。
練習用の素材だった波文様が、このように実際に生かして使って
頂いて、かつ大変良い作品に仕上がったのが、私としてもとても
嬉しかったので、ご紹介させて頂きました。