月別アーカイブ: 2016年3月
練習の成果
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介
致します。
Hさんの作品は度々紹介させて頂いていますが、前回は線の仕上げが
とてもいいと書きました。
その時欠けの仕上げが平滑に仕上げられると完璧と書いたのですが、
今回の作品はその欠けの仕上げが完璧なのです。
この完成度の為に随分練習なさったそうですが、練習は裏切らないと
実感させて頂きました。
それでもなお「まだまだ」とおっしゃる、その姿勢に感服です。
そのようなお気持ちがあるからこそ、上達されるのでしょう。
見習わなければと、気持ちを新たに致しました。
仕上げは出来ればコンスタントになさっていると、上達に繋がります。
しかしそうそう完成する器ばかりではないので、1週間に1度、
作業をする際に仕上げの練習をするだけでもよいかと思います。
ローマは1日でならずではありませんが、たまに仕上げをして
上手に出来ないというのは、ある意味当たり前かと思います。
ぜひHさんの作品を参考になさって下さい。
努力の成果です。
第26回草木会展 見て来ました
原一菜先生が所属している草木会の展覧会を見てきました。
草木会は、「草木染め」の命名者山崎斌(あきら)氏の遺志をついで
本来の技法を守り、今日の生活にも適応した草木染めの研究、及び
普及をはかることを目的とした会です。
会場入口に展示されている草木会の資料です。
これだけご覧になっても、いかに幅広い色が染められるのが
おわかり頂けるかと思います。
出展されている作品も、草木染めの地味なイメージを覆すもの
ばかりです。
特に今回は反物の幅程度で作品が統一されているので、多様性が
際立っています。
原一菜先生の作品は、原先生しか染めることが出来ない野生紫を
使ったものです。
ピンクから紫まで染め分けることが出来る技術と、美しい文様が
素晴らしいです。
会場は銀座•大黒屋ギャラリー6階
鳩居堂の2軒左隣です。
会期は20日(日)までです。
暖かくなってくるようですので、銀座にお出かけの際にお立ち寄り
下さい。
川口教室の作品
よみうりカルチャーセンター川口教室の方々の作品を
ご紹介致します。
YYさん、仕上げデビュー2つ目の作品です。
欠け+ヒビの破損で変形した形だったのですが、器自体の
文様に合わせて円弧を描いて仕上げられました。
違和感のない仕上げになって、とてもよいと思います。
先日ティーカップの把手折れをバラの蒔絵で完成させたYNさん
の作品です。
デザイン性のあるマグカップの尖った部分が欠けてしまって
いました。
欠損してなくなってしまった所を別素材で作っています。
この形を作り込むのがとても大変だった上、仕上げも難しい
という難度の高い修復でした。
形の作り込みも、仕上げも根気よく頑張られた結果、大変
完成度の高い作品になりました。
難しい修復に多数臨んでおられるIさんの作品です。
もともと金彩が入っているので、比較的大きな欠けにも関わらず
器に馴染んだ作品に仕上がりました。
こちらも形の作り込みにじっくり取り組んで頂いたのが、美しい
仕上がりに繋がっていると思います。
川口教室は私が担当して3年半ほど経ちましたが、この4月から
担当講師を成田美穂先生に交代致します。
講座日も第4木曜日の10:00〜12:00とリニューアルされます。
4月から受講をご検討の方のご参加をお待ちしております。
把手折れシリーズ第5弾
このところまとめてお送りしている「把手折れシリーズ」として
よみうりカルチャーセンター川口教室のYさんの作品をご紹介
致します。
このティーカップは、もともと華奢な把手がついていたのですが、
これが部分的に粉砕してしまっていて、元に戻すのを断念せざるを
得ませんでした。
以前ご紹介しているカップと同じように根元から残っていた把手を
切断し、後をカップの図柄と同じバラ柄で蒔絵して頂きました。
蒔絵することによって、切断したあとがわかりにくくなったのでは
ないかと思います。
Yさんの作品のようにカップに図柄がある場合は、とてもよい方法
だと思います。
同じようなカップで方法を検討中の方は、一つの手段としてお考え
下さい。
ベーリック•ホール表示が変わる
横浜山手西洋館ベーリック•ホールの館内案内の表示が
変わりました。
開館当初から展示されていた表示には天井は日本の格天井、
床の間風の壁の窪みなどと書かれていました。
これは以前のブログに書いた通り誤りなのですが、この案内が
一般に流布してしまい、すっかりベーリック•ホールは日本
テイストの建築となってしまっていました。
原因、経過とも、何とも情けない理由と聞いていますが、それを
訂正するのに随分大変だったようです。
しかし横浜山手西洋館は横浜市民の財産です。
正しい情報をもって様々なお客様にご覧頂くべきと考えます。
このベーリック•ホールが明日11日のぶらぶら美術•博物館に出ます。
博学の山田五郎氏によって、通り一遍の取材では出てこない
ベーリック•ホールの解説がなされている必見の番組になった
ようです。
ご興味のある方は是非ご覧下さい。
21日まで展示されている雛飾りも素敵です。
2016年4月期カルチャーセンターの募集
春から金繕いにチャレンジしてみませんか?
4月期に募集を行うカルチャーセンターをご案内致します。
港北カルチャーセンター 第1土曜日 15:30-17:30 4/2〜
セブンカルチャークラブ成田 第1月 10:30-12:30 5/30〜
NHK文化センター柏 第3日曜日 10:00〜/13:00 4/17〜
NHK文化センターユーカリが丘 第3月 10:00~/13:00~ 4/18~
よみうりカルチャーセンター大宮 第4月 15:30~17:30 4/25~
JEUGIAイオンモール八千代緑が丘 第2金 10:00~12:00
については、詳細お問い合わせ下さい。
キャンセル待ちを承っているのは、以下の教室です。
NHK学園市川オープンスクール 第1金 13:00~/15:30~
NHK文化センター千葉 第2火/第4木 13:00~15:00
NHK文化センター柏 第3金曜日 13:00〜15:00
港北カルチャーセンター 第1土曜日 13:00~15:00
よみうりカルチャーセンター大宮 第4月 13:00~15:00
おかげさまでキャンセル待ちを承っている教室は、相当数の方が
お待ちになっている状態です。
もし通える範囲に募集を行っている教室がおありになるよう
でしたら、そちらもご検討下さい。
早期の受講が可能になります。
お申し込みをお待ちしております。
ワンポイントに金
NHK学園市川オープンスクールの生徒さんの作品を
ご紹介致します。
なます皿が複雑に割れてしまったのを接着されました。
仕上げの線が重なっているところにワンポイントで金を
入れられました。
特に下の画像で3本の線が集中してしまっている所に
違和感を感じられたそうで、それを緩和するためにお考えに
なったそうです。
このように仕上げ線がたくさん入る場合、通常は染付け柄の
部分に銀泥、白地の部分に金泥とオススメすることが多い
ケースです。
銀泥が硫化後にどういう印象になるのか、私も楽しみです。
ご自分のセンスで新しいことにチャレンジして頂くのは、大歓迎
です。
チャレンジお待ちしております。
じっくり完成
NHK学園市川オープンスクールのKさんの作品を
ご紹介致します。
唐津焼の大湯のみというのでしょうか?高さが20cmほども
ある大きな湯のみです。
画像でご覧頂けるように、かなり複雑に割れていました。
さらに細かい欠損もあちこちに出来ていました。
これを接着し、欠損を丁寧に埋められて、このほど完成しました。
複雑な割れがアートのようです。
欠損なりに仕上げられた線が、とても美しいです。
湯のみの大きさと相まって、とても迫力のある作品に仕上がりました。
これはひとえに根気よく作業を続けられたKさんの努力の賜物です。
Kさんの努力は受講中のご様子にも出ています。
熱心に他の方への説明もお聞きになり、それを自分の作業に転換して
ご質問なさいます。
このような不断の努力が作品に現れているのです。
往々にしてご自分の作業で精一杯で、他の方への説明は他人事になって
しまうものです。
私としてはいつかそれぞれの方にお役に立つであろうと考えて説明
していますので、是非聞いて頂きたいと考えています。
Kさんにじっくり直してもらった大湯のみの完成した姿は、少々誇らし
げに見えました。
大湯のみもきっと丁寧に作業してもらったことを喜んでいるのだと
思います。
お抹茶茶碗の仕上げ
昨年7月から開講した「セブンカルチャークラブ成田教室」
ですが、完成第1号が出ました。
Tさんの作品です。
もともと金彩が入っているお茶碗なので、金泥で仕上げても
違和感がありません。
初めて描いた線ですが、上手くまとめられました。
実はTさんは昨年11月からの受講なので、4ヶ月目で完成した
ことになります。
この作品は軽微なニュウだったので、仕上げも早く出来たの
です。
ですので同じ時期に受講を開始なさった方でも仕上げられない
とご心配なさることはありません。
茶道をなさっている方は、いろいろお道具を直したいご希望が
あるかと思います。
お茶道具については、避けた方がよい仕上げがありますので、
教室でご相談しながら決定したいと思います。