月別アーカイブ: 2020年5月

お重の修復

藤那海工房西登戸教室のIさんが又、休講中に完成しましたと画像を
送って下さいました。
お重の修復です。

金繕いの教室では漆器の修復もお教えしています。
Iさんのお重は主に角の漆が剥離していました。
最下段では柄の真ん中が剥離するという深刻な状態でした。

角は剥離部分を埋めて黒漆で塗り直し、柄の欠損は梅の蒔絵されました。
いずれも全く違和感がありません。

漆器の直しの難しさは、破損してない部分を傷つけないようにする
配慮が必要だということです。
さらに1つ1つの作業を丁寧に重ねていく必要があります。

先日も陶器の割れの金繕いをUPさせて頂きましたが、Iさんの丁寧な
作業が漆器でも発揮されたようです。

西登戸教室は7月から再開を予定しています。
実物を拝見出来るのを楽しみにしています。


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スケッチ散歩

巣ごもり生活は楽しかったのですが、運動不足は大きな問題でした。
前にブログで書いたように、食料品買い出しの際、なるべく歩くように
していたのですが、さらに行っていたのがスケッチです。

小さなメモ帳とボールペンを持参。

散歩していて道端で花を見つけるとスケッチしていました。

花は綺麗な時期があるので、次のチャンスはないかもしれないと思うと
一期一会という気がします。
道を間違えて偶然見つけたとか、時期を外してもう花が終わっていたとか
ダメだと思っていたら別の場所で見つけたとか、いろいろな出会いが
ありました。

ところでスケッチなのにボールペン?と思われた方もおられると思います。
これは師匠の原一菜先生の教えで、蒔絵で描く時の為に一気に描く練習
でもあるのです。

鉛筆のように中心線を描いたりしてアタリが取れないので、手前の物から
計画的に描くというコツが要ります。
またバランスも把握しながら描かなければなりません。

円山応挙は写生を重要視した画家として知られています。
完成した作品の魅力は写生で培われたものが支えていると思うと、スケッチの
大切さを感じずにはいられません。

 


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講座が再開します

緊急事態宣言が解除され、6月から各カルチャーセンターの講座が
再開されます。

いずれも消毒、換気、ソーシャルディスタンスの確保など万全の態勢を
取っての再開になります。

それぞれのカルチャーセンターで対応が異なりますので、詳細は通っておられる
教室でご確認下さい。

また私個人の藤那海工房での教室も6月から再開致します。
こちらも順次ご連絡しておりますので、メールをお待ち下さい。

安心して受講再開して頂けるよう気を引き締めてお迎え致しますので、再度の
受講をお考え頂けたら嬉しいです。


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ガラスサンプル着手

随分前からガラスの修復サンプルを作りたいと思っていました。
「百聞は一見にしかず」と言いますが、どんなに言葉を尽くしても
サンプルを見て頂くのが一番わかりやすいのです。

この状態では何をしようとしているのか、全くわからないと思います。
サンプルとしては第1段階なので、それは仕方ありません。

実はこの第1段階がなかなか作れなくて、サンプル作りに蹴つまずいて
いたのです。
それが新しい道具が見つかって、一気に作業が進みました。

道具一つでそんなに変わるものかと思われるかもしれませんが、面白い
もので、パッと問題が解決してしまう出会いがあるのです。

とはいえこのサンプルもいつ完成するとは確約出来ません。
そろそろ私のワクワク巣ごもり生活も終わりになりそうなので。

 


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梅のはちみつ漬け2020

昨年、教えて頂いて初チャレンジした梅のはちみつ漬け。
とても美味しく頂けたので、今年も挑戦してみました。

青梅を下準備してはちみつと共に漬け込むというシンプルな作り方
ですが、体にいいものばかりで夏には最適です。

前回は、はちみつの結晶化してしまった部分まで入れてしまったという
ミスをしましたが、同じ失敗は致しません。

後は無事の完成を祈るのみ。
1ヶ月半ほどでジュースが飲める予定です。


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隙間が埋まる

少し前に「パーツが足りない」というタイトルでアップしたお皿の
足りなかった部分が埋まりました。

私共の方法では隙間は木片で埋めて行きます。
本漆での金継ぎをなさっている方だと「錆漆」という砥の粉と生漆を
練り合わせた物を使う方が多いと思いますが、このような奥が深い欠損の
場合、ちゃんと固化したかどうかが問題になります。

一見、木片だと難しいと思われるかもしれませんが、上記のような不安もなく
確実に欠損が埋まっていくのが木片のいいところです。

あとは少々表面に出ている足りない部分を他の方法で埋めて行きます。
器の形通りになったら、あとは仕上げだけ。
完成までもう1歩となりました。


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フェイスシールド 自作してみた

新型コロナウィルス感染予防の為のフェイスシールドを自作して
みました。
得意の100均材料です。

使った材料は左からA4サイズのプラ板、すきまテープ、B6サイズのプラ板、
ゴムテープとマジックテープで出来た荷造りテープの4点です。
その他、接着剤とマスキングテープを使いました。

完成品です。
手順は簡単。
1.A4サイズのプラ板の下方になる角をカットし、丸くする。ヤスリがけ

2.同じくA4サイズのプラ板の上方にゴムテープが通る穴を明ける。

3.B6サイズのプラ板から2で明けた穴を補強する板を切り出す。接着

4.ゴムテープを半分に切り、プラ板の左右に分けて取り付ける

5.額が当たる部分にすきまテープを3重に貼る

6.補強のプラ板を貼った部分をマスキングテープで隠す

実装したところ、マスクはもちろん拡大鏡をかけても使用可能でしたので、
機能としては十分なのですが…可哀想なまでの手作り感は否めない(涙)

そもそも何でこんなものを作り始めたかというと、いよいよ首都圏も
緊急事態宣言が解除される見通しになって、各カルチャーセンターの教室
が再開される模様になってきたからです。

より受講の皆様に安心して頂くにはと考えたのですが、これが登場するか
否かは参加された時にご確認下さい(笑)


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形を丸める

欠損の形が変な形をしているケースはよくあります。
主張が強くて目立ち過ぎる場合、適当に形を変更することをオススメ
します。

新うるしの場合は釉薬への活着がいいので、欠損が器通りに埋められて
いれば、いくらでも形の変更が可能になります。

ただやり過ぎるとかえって不自然になる場合があります。
例として今回私が仕上げたものをご覧頂きたいと思います。

欠損を埋め終わり、仕上げる前です。
特に画像の右側の欠けが不思議な形をしています。

右側の欠けは1回、かなり凸凹をなくして仕上げてみたのですが、逆に
不自然になってしまいました。
画像のやり直した状態でバランスが取れたかなと思っています。

左側の欠けですが、こちらもひびにつながる段をなくしてしまいました。
しかし変な感じがしています。
ひびの線も入れることにして、段をそのままの形にやり直す予定です。

このお皿で試行錯誤してみて、やり過ぎは良くないという結論に至りました。
また手を入れたところで、ご覧頂きたいと思います。


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ビニール手袋 品薄

本漆の作業では、かぶれないようにビニール手袋の使用が
欠かせません。
私も金繕い程度の作業だと気にしないのですが、さすがに本漆の
量が多くなる拭き漆の作業ではビニール手袋を使います。

先般、ホームセンターに出かけた際に購入しようとしたのですが、
棚から商品が姿を消していました。

新型コロナウィルスの感染防止の為にビニール手袋の需要が多く
なった為と思われます。
マスクほど必須ではないので、いずれ市場に戻ってくると思いますが、
お手元の在庫が少ない方はご注意下さい。


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トクサを分解する

ずっと乾燥させていたトクサを、余裕のある巣ごもり期間を利用
して分解しました。

トクサはダンボール箱に入っているように、本来は70〜80cmの長さに
成長するものです。
それを根元から切り取り、ダンボール箱にまとめて乾燥させていました。

長いままだと収納や持ち運びに困るので、一節ごとに園芸ハサミで切り、
分解したのです。

トクサは表面についた珪酸で漆部分のみ削れ、器自体は全く傷つけない
という便利な道具です。
使用の際には水に20〜30分浸して柔らかくしてから使用します。

ご飯のりにしろトクサにしろ、日本人は自然の中から道具を見出しています。
それらの道具は何らかの手間はかかりますが、無用な強引さがないところが
いいと思いませんか。


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