現在、東京国立博物館で行われている「特別展 国宝 鳥獣戯画のすべて」
を見てきました。
時節柄、事前予約が必須です。
今回の展覧会では甲・乙・丙・丁の全4巻の全場面を会期を通じて
一挙に公開されます。
かつて4巻から分かれた断簡、原本から失われた場面を留める模本の
展示もあり、まさに全てが堪能出来る内容になっています。
作者はもとより、まだまだ解明されていない部分が多い鳥獣戯画ですが、
複数人で描かれ、制作年代も幅広いことがわかっています。
実物を見ると墨の濃さ、筆の勢いがわかって、拝見の価値ありと感じ
ました。
動物を擬人化するという着想は確かに面白いですし、生き生きとした
筆致は製作者が楽しんで描いている様が浮かぶようです。
しみじみ思ったのが筆という道具の万能さです。
細い線から太い線、しっかり塗りつぶすことも可能ですし、かすれた感じ
も出せます。
これを墨色1色で多彩に変化させるのです。
会場の様子ですが、事前予約で人数を制限しているので、ある程度混雑は
抑えられています。
一番著名な甲巻は直前に長い列ができているものの、動く歩道で立ち止まる
ことなく見学させることで、しっかり細部まで見ることが出来ます。
しかし乙・丙・丁巻では1列目で見ようとすると並んで待つ状態です。
可能ならば2列目から人の間を縫って見る方が効率がいいと思います。
都内は近日中に再度、緊急事態宣言が出される可能性が高まっています。
見学を考えておられる方は最新情報を確認して予約なさって下さい。