月別アーカイブ: 2021年5月

蒔絵の練習

金繕いの教室のカリキュラムに「置き目」と「桜の花びら」を
組み入れています。
いずれも蒔絵の練習です。
JEUGIAイオンモール八千代緑が丘教室のTさんとKさんの作品を
ご紹介致します。


「置き目」というのは図柄の転写方法です。
元絵を器に漆を使って写しとります。
作品として行って頂いたのは流水紋の部分です。

さらに桜の花びらですが、こちらは平蒔絵の練習です。
合わせて銀泥の蒔き方も学ぶことが出来ます。

このカリキュラムを行う度に思うのですが、同じ元絵をお渡ししていても
制作される方の感性で全く違う作品が完成することです。
TさんもKさんもそれぞれ個性的な作品が出来上がりました。

この練習で蒔絵の一連の流れが把握が出来、実際に使って頂具ことで蒔く
タイミングが合っていたかの検証も出来ます。
ぜひ積極的にご参加下さい。


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ふぐ印の「新うるし」ではないもの

先日、HPのコンタクトからご質問を頂きました。
拙著「金繕いの本」の内容に従い、萩焼のお茶碗に入ったにゅうのひび止め
をしたが、黒い筋になってしまった。これは何故かというものです。
詳しく記載して下さった作業の内容を精査したところ、気になったのが拙著
でご紹介した「新うるし」ではなく、「うらしま印・高級うるし 透明」を
お使いになったという点です。


画像手前が「新うるし」、奥が「うらしま印」

新うるしまたは工芸うるしと言われるものは本漆に対する総称で、各
メーカーで内容物はそれぞれ違います。
漆を元来の手法以外で精製したもの、漆以外の植物性樹脂、ナフサン系の
石油由来のものなどあるようです。
このことから両者は基本的な素性が全く違うものだと考えられます。

何の工芸でも同様かと思いますが、使う素材が違えば結果も違います。
料理に例えれば同じ小麦粉でも強力粉でと説明されているものを薄力粉で
作れば求めているものと違うものが出来てしまうようなものです。

つまりお問い合わせの黒い筋が出来てしまったというのは、お使いになった
「うらしま印・高級うるし 透明」での結果と存じます。

ご質問を頂いた方には拙著をお求め頂き、ご自身の大切な器の修復にチャレンジ
して下さったこと、大変感謝しております。
文末に金泥での仕上げにチャレンジするとありました。
ご満足のいく結果が得られていることを切に願っております。


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螺鈿で仕上げ

カルチャープラザ公津の杜教室のIさんの作品をご紹介します。
小皿の欠けを螺鈿で仕上げられました。


小さく欠けていた部分に螺鈿を貼って仕上げとされました。
これは小皿自体の染付の青に螺鈿が合うとのお見立てです。
螺鈿は夜光貝の小片を使いました。

金繕いに螺鈿?思われる方もおられるかと思いますが、螺鈿自体が漆工芸
ですので技法的には何ら問題がありません。
もちろん使用も可能です。

ただ一般的な金繕いとは別の工程になりますので、手がける前にご相談頂き
たいと思います。

実はIさんにするとこの小皿はウォーミングアップなのです。
最終目標があるので、そちらの完成も楽しみなところです。


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Instagramデビューしてみました

重い腰を上げてようやくInstagramに挑戦してみました。
記念すべき初投稿は一番お気に入りの作品
「備前焼フリーカップ」です。
良かったらご覧下さい。

ユーザーネームは「kintsukuroi shiratori」です。


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横浜教室 作品展示

NHK文化センター横浜ランドマーク教室に作品を展示して頂ける
ことになりました。

拙著も含めて、こんな感じの展示になる予定です。

奥の中皿は割れを本漆で金繕いし、絵付けに加飾する形の蒔絵は新うるし
で行っています。
いずれも銀が硫化中で金とあまり差がないのですが、硫化が進めば銀の
効果が見えてくると思います。

右手前の菊花型の小皿は欠けが不思議な形で入ってしまっていたのを瑞雲型
に蒔絵してあります。
これは途中経過で迷った様子をいずれブログでお目にかけたいと思います。

左手前は瑠璃釉の片口です。
片口の先端の欠けとひびが入ったものを金繕いしてあります。
瑠璃釉に金泥が映えて綺麗だと思います。

NHK文化センター横浜ランドマーク教室にお越しの際には是非ご覧下さい。


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大きい欠けの仕上げ

NHK文化センター柏教室のAさんの作品をご紹介致します。
大きな欠けの金繕いです。


このお皿は縁が垂直に立ち上がっていて、形を作り込むには難しいタイプ
でした。
これを綺麗に作られた上に大きい面積の仕上げも完璧になさっています。

金繕いの仕上げにチャレンジした方なら、どなたでも大きい面積の欠けの
仕上げが難しいことをご存知だと思います。
テクニックとしては色々あるのですが、Aさんはスタンダードに筆で取り
組まれました。
お使いになったのは薫銀泥です。
この渋さが好まれて柏教室を始め、他のクラスでも人気です。

大きい欠けの仕上げに望まれる場合は、あらかじめご相談下さい。
手段についてご説明致します。


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お帰り!

カルチャーセンターでの講座にはキャリーバッグで出かけています。

ゆうに1週間の旅行に出かけられるくらいのサイズのバッグにグッズを
いろいろ収めてあります。
これは心配性というより受講して下さっている方が快適に学べるよう、
これがあったら便利かなというものを持っているだけなのです。

世界で一番丈夫と言われるS社のバッグを1年半愛用していたのですが、
これが先日ついにキャスターが1つ壊れてしまいました。
幸い修理をお願いすることが出来、連休明けから復活しました。

修理の際、保証書を改めて見たところ、凸凹道の耐久検査は32kmと記載
されていました。
講座に出かけると1回に2kmはアスファルトの道を歩いていると思います。
これが凸凹道に換算するとどうなるかわかりませんが、1年半は使い過ぎたと
反省しています。

今後は早めにメンテナンスを考えるつもりですが、とりあえずまたよろしくね!


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金継ぎで作るアクセサリー・箸置き作り第2弾

おかげさまで満席になりました。
お申し込みの皆様、当日のお越しをお待ちしております。

2月に行なったワークショップが好評だったので、2回目を開催して
頂けることになりました。


ご用意したシー陶器・シーグラスなどの材料を組み合わせてアクセサリーか
箸置きを作って頂く1日のイベントです。

金繕いでも呼び継ぎはやってみたい技術の一つかと思いますが、なかなか
チャレンジする機会がありません。
このワークショップはそのエッセンスを感じて頂ける好機です。

時節柄難しいところはあるかと思いますが、会場になる柏の葉T-SITEは
オープンなスペースであること、1回の人数を4人と絞っていることで
かなり対策はされていると思います。

今後このイベントを継続して行う予定はありませんので、ご興味のある方は
ラストチャンスとご参加頂ければ幸いです。

6月2日水曜日 10:00〜12:00/13:00〜15:00
柏の葉T-SITE 2階イベントスペース
参加費 ¥3,500(材料費を含む)
お申し込みは直接 柏の葉T-SITEまで

https://store.tsite.jp/kashiwanoha/event/magazine/19629-1650290414.html


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牡丹餅

産経学園ユーカリが丘校のTさんの作品をご紹介致します。
備前焼の猪口の割れの金繕いです。



画像でご覧頂けるように、かなりバラバラに割れてしまっていました。
小さい猪口なので作業が大変だったと思いますが、綺麗に接着されています。

工夫されたのが側面にある牡丹餅部分の仕上げです。
大半は硫化して馴染むように銀泥で仕上げられましたが、牡丹餅部分はその
色に合わせて金泥で仕上げておられます。

牡丹餅とは作品の上に丸めた土や小さい作品を置いて出来た焼けむらが模様
として美しく発色したものです。
まるでぼた餅を並べたような模様に焼きあがることから牡丹餅と名づけられました。

銀泥が硫化して馴染むのが待ち遠しい作品になりました。


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作品展示中

NHK学園市川オープンスクールで生徒さんと私の作品を展示して
頂いています。

手前の小鉢、猫の置き物、漆器の急須が生徒さんの作品です。
小鉢は割れとそれに続くひびを直した大道の金繕い、猫の置き物は右耳が
欠損したのを修復し、何ともなかった左耳と一緒に金泥で蒔絵した作品
です。
漆器の急須は把手が折れてしまったのを、痕跡がわからないようにした作品
です。
いずれもひと工夫あり、一見の価値ありの作品です。

画像奥に写っているのが私の作品です。黒釉の割れと欠けを金繕いした作品、
欠け+ひびを2箇所金繕いした印判なます皿、様々な欠損を金繕いした印判
蕎麦猪口5個です。

通常カルチャーセンターの作品展示はガラスケースに入っているのですが、今回
の展示は目線の高さで直にご覧になれます。
そういった意味で貴重な機会かと思いますので、NHK学園市川オープンスクール
にお越しの際には是非ご覧下さい。
ただし二つとない貴重な品ですので、お手に取るのはご遠慮下さいませ。

展示は来月始めまでの予定です。


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