月別アーカイブ: 2022年4月
トクサの色
春を迎えて我が家のトクサは新芽が出始めました。
2〜3月にトクサの刈り取りを行った方から特に質問が多かった
のがトクサの色についてです。
初回にお渡ししているトクサが画像右のように枯れ色になっている
せいか、ご自身が刈り取ったトクサがいつまでも青々とした緑色の
ままだが、使えないものなのではないか?というものです。
道具としてトクサを使う場合、色は全く関係ありません。
刈り取って1週間干して水分が飛んだら、それで道具として使える状態
になっています。
「金繕いの本」をお持ちの方は是非90ページをご覧ください。
使い方を詳しく解説してあります。
香を聞く
ある事をきっかけに原一菜先生からご愛用の香炉とお香を頂戴
しました。
特にお香のお稽古をしているわけではないので、ことさら灰の形
など整えない勝手流ではありますが、お香を聞いてみました。
お花を活け、お香を聞く。
わずかな時間ではありますが、一つ一つの所作で落ち着くような気が
しました。
普段はバタバタと生活していますが、気をつけてこのような機会を設ける
ようにしようと反省した次第です。
魚 泳ぐ
産経学園ユーカリが丘校のTさんの作品をご紹介致します。
小皿の欠けです。
画像でご覧になれるように欠けは縁に泳いでいる魚の部分にありました。
Tさんは小皿の真ん中辺りにある釉薬の景色を水紋に見立てて欠けを魚の
形に蒔絵されました。
最初は縁の1匹だけだったのですが、2匹増やして3匹として頂きました。
それぞれの魚に動きがあり、1つの絵画を見ているような作品になりました。
Tさんは金繕いを始められた頃は「絵心がない」と謙遜されていたのですが、
今や堂々たる作品の制作者になっておられます。
Tさんのご様子を拝見していますと、やはり人間には絵を描きたいという
根源的欲求があるのではないかと感じます。
指導する立場の私としては皆様がより楽しく、より良い作品を制作できる
よう、精進しなければと気持ちを新たにしております。
映画「金の糸」
現在、岩波ホールで金繕いに着想を得た映画「金の糸」が公開
されています。
生徒さん方からご紹介を受けて見てきました。
内容については監督の言葉を引用したいと思います。
日本人が数世紀も前に壊れた器を金で繋ぎ合わせるように、金の糸で過去を
継ぎ合わせるならば、過去は、そのもっとも痛ましいものでさえ、財産に
なることでしょう。
79歳の女性作家の過去との和解の物語で、金繕いの作品は一部に出てくるに過ぎ
ません。
それも英国在住のアーティストによる金継ぎとダーニングのハイブリットアート
「金継ぎアート」で、私が行っている金繕いとは別世界のものです。
とはいえ金繕いが海外の映画のアイディアソースになったことには変わりはあり
ません。
また舞台になったジョージアの首都・トリビシの旧市街にある中庭を取り囲む
ように建てられた古い集合住宅はとてもいい雰囲気があります。
主人公の住む家のインテリアと共に注目してご覧になるのもいいかと思います。
ご存知の方もおられると思いますが長年ミニシアターの草分けとして親しまれて
きた岩波ホールは今年の7月末で終焉を迎えます。
名残を惜しむ機会にもなるかと思います。
映画「金の糸」の公開は4月15日まで。
会場は整理券番号順に入場しますが、充分に席がある状態でした。
急遽募集2022.4
2022年4月期から受講出来る教室を「HOME」でご紹介しています。
そのうち急遽募集をすることになった教室をご紹介致します。
●NHK文化センター千葉
毎月第4木曜日 10:00〜12:00
●港北カルチャーセンター
毎月第1土曜日 13:00〜15:00
ご興味を持たれましたら、それぞれ事務局までお問い合わせ下さい。
何かを始めたくなる春です。
金繕いをご検討いただけたら嬉しいです。