月別アーカイブ: 2022年6月

ルピナス

先日のグループ展に出展されていた斉藤佳代さんの扇子です。
画題はルピナス。



斉藤さんが私にはこれが似合うと薦めてくれたのですが、調べてみると
いろいろ繋がりがあることがわかったのです。

プロフィールに記載しているように家の家紋が藤に由来することから、
作品にしても工房名にしても藤にこだわってきました。

ルピナスは花型でもわかるように藤と同じマメ科なのです。
それも別名「のぼり藤」

私の太田流礼法の齋号(師範の資格を取ると頂ける名前)は「鶴昇齋」
といい、「昇る」という字が入っています。

ということでこの斉藤さんの作品は私のところに来るべくして来たと
勝手に思いを深くしています(笑)


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ガラスを磨く

NHK文化センター柏教室のNさんの作品をご紹介致します。
ガラスの器の直しです。



2つ共アンティーク風の型押しガラスの器です。
赤い印のついた先に欠けがありました。

ガラスの欠けの場合、大きさによっては金繕いの技法ではなく、磨き
上げをお勧めする場合があります。
単純にヤスリで磨き上げるだけなのですが、人によって得手不得手が
あるようです。

Nさんの場合、とても向いていたようで、2個共スムーズに磨き上げ
が完了しました。
完成状態を見ると一体どこに欠けがあったのかわからないかと思います。
日常にお使いになる場合、わからなくなるという状態はBestではないかと
思います。

気軽に使いたいという場合は磨き上げにチャレンジしてみて下さい。


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トクサの胞子葉群

この季節トクサの先端には胞子葉群が出来ます。


どこかで見たように気がすると思います。
そう、それは「ツクシ」ではないでしょうか。

それもそのはず、トクサとスギナは同じトクサ科です。
さらにツクシとスギナは同じ株でスギナが栄養茎、ツクシは胞子茎
と役割が別れています。

トクサは主に地下茎で増えていくので、胞子の効果がどのくらいか
わかりません。
しかしツクシのような胞子葉群を見ると、トクサの出自に思いを
馳せて頑張れ!という気持ちになるのです。


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把手をなくす

マグカップの破損で多いのは把手が割れることです。
金繕いする際には直して使いたいかどうかを考えて頂くこと
から始まります。

一つの回答は把手を切り落としてしまうことです。
フリーカップや花器など、用途を変えて使い続けて頂きます。

産経学園ユーカリが丘校のMさんの作品は、切り落としてしまった
例です。


把手の座部分を綺麗にドーム状にならして、青紫色に硫化した
銀箔で仕上げられました。

座の部分は切り落としたとしても破損の痕跡があって、ならすのは
簡単ではありません。
Mさんは丁寧に作業されて出来上がったドーム状の形はそれだけで
美しいものでした。

マグカップに元々描かれていた青い花紋様と同様の色で仕上げたい
というご希望でしたので、私が在庫していた青紫色に硫化した銀箔を
お譲りしたのです。

たまたま5mm角の箔だったので、仕上がった感じが紫陽花の花の
ように面白くなりました。

簡単に切り落とせばとお考えの方、その後の作業が丁寧でなければ
Mさんのような作品は出来ません。
よくよくご検討あれ。


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日本画展 ハシゴ

この時期は日本画家である友人たちがグループ展を開くので、毎年
楽しみにしています。
本日はその展覧会をハシゴしてきました。

●渺渺展
若手作家の集まりによる展覧会。様々なスタイルが見られる。

友人の廣瀬佐紀子さんの作品。
先般の個展に続き、雄大な山岳風景を描いた作品。
空が狭いのは山の迫力を感じながら間近で写生したからこその構図。


合わせて開催されている小作品展は二十四節気をテーマにして
います。
渺渺展では抽象画を描かれていた方が小作品では岩絵具の重なりが
美しい具象画を描かれていたりとチャレンジが見られます。

会期は明日12日日曜日まで。
銀座の東京銀座画廊・林田画廊・ギャラリー和田にて

●こころばえの会
9人の女性作家のグループ展。
今年の試みはお扇子の作品です。
表裏をうまく使った方もおられて、楽しめました。

画像を撮影し忘れました!
会期は本日11日までで、ご紹介できず、残念。


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横浜山手西洋館 花と器のハーモニー2022

コロナ禍で中止されていた横浜山手西洋館の「花と器の
ハーモニー」が再開されました。
久しぶりにイベントに出かけ、エリスマン邸の館長をしている
友人にも会えました。

今回のテーマは「山手の丘のウエディング物語」で各館が違う
スチュエーションで展示を行っています。

●山手111番館 ダイヤモンド婚式「永遠の青と白〜ダイヤモンド婚を
祝う〜」


●横浜市イギリス館 結婚式「青水無月 華燭の典」

●山手234番館 紙婚式<色で魅せる優しい空間>

●エリスマン邸 銀婚式「そして、これからも…」

●ベーリック・ホール 結婚式 未来への懸け橋「希望」

●外交官の家 金婚式 船上の金婚式

●ブラフ18番館 結婚式お二人のご自宅に招いたようなアットホーム
なウエディング


正直にお伝えすれば展示は以前の2分の1と言っていいくらい縮小
されています。
しかし人数制限をし、一方通行で誘導する工夫をして開催に踏み切った
運営側の努力を評価したいと思います。

会期は6月12日日曜日までと短いのですが、近隣の公園の花々も見頃
です。
合わせてお出かけになるといいかと思います。


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新しい魅力

NHK文化センター柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
水差しの割れです。


縁の部分がかなり細かく割れてしまい、接着だけでも大変な状態
でした。
この後、接着で生じたズレを根気よく埋められ、金泥で仕上げられました。

鮮やかな緑色の釉薬に金泥が映えています。
複雑に割れた線がアートになっており、新たな魅力が加わったようです。


同時にKさんが仕上げられた作品です。
お猪口だと思うのですが、こちらも味わいのある釉薬に薫銀泥の
仕上げが美しい作品になりました。


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ブラシケース

自宅作業用のブラシケースを新調しました。

従来使っていたのが波ダンを使った自作のブラシケースです。
ポーセリンアートをされている生徒さんから教えて頂きました。
1本1本分けて収納出来るのが魅力ですが、さすがに使い古したことと
下から筆が抜けてしまったり筆の押さえが足りないのが気になりました。


購入したのが名村のブラシケース(ショート)です。
金繕いの教室に来て下さっている方々はブラシケースも自作されて
いる方が多いのですが、私にはちょっと無理と判断しました。

納めているのが筆のみということもあって20本以上入っています。
巻いている紐がかなり太くてかさ張るので画像撮影後に細い紐に交換
しました。

気になっていた筆の抜けもなくなり、押さえもしっかりしたので、今の
ところ問題なしです。
道具はもちろんですが、収納も快適なのは必須ですね。


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