カテゴリー別アーカイブ: 展覧会•イベント
静嘉堂文庫@丸の内
現在「響きあう名宝−曜変・琳派のかがやき−」展を見てきました。
従来の世田谷にあった美術館は交通の便がいいとは言い難かったの
ですが、丸の内・明治生命館に移ったことで格段に見学がしやすく
なりました。
今回は柿落としということで展示品も国宝の「曜変天目茶碗」はもちろんの
こと、とても力の入った内容になっています。
金繕いをされる方に特に見て頂きたいのが「付藻茄子」「松本茄子」という
2点の茶入です。
これは講演会・オンライン講座でもお話ししていますが、総体繕いの最高
傑作です。
大阪城落城の際に破片として拾い上げられたものが、見事に往時の姿に
繕われています。
会場にX線画像が展示されていますので、是非その超絶技巧を直に見て
頂きたいと思います。
昭和の建造物で初めて重要文化財に指定された明治生命館の2層吹き抜け
のホワイエを中心に展示室が配置された新しい美術館は1時間で十分
見学出来る無理のない点数に抑えられています。
時節柄、事前予約をした方がいいかと思いますが、会場の混雑もなく、比較的
ゆったりと見学出来ます。
会期は12月18日日曜日まで。
柚木沙弥郎の100年
女子美アートミュージアムで行われている「柚木沙弥郎の100年」
展に出かけてきました。
今秋100歳を迎えられた染色家・教育者・デザイナーである柚木沙弥郎さんの
展覧会です。
芹沢銈介氏の型染カレンダーに感銘を受けて染色家の道に入られた柚木沙弥郎
さんの作風は民藝から近年はモダンデザインへと昇華しています。
私の中で民藝=野暮ったいイメージを払拭するには?というのが一つのテーマ
なのですが、柚木沙弥郎さんの変遷はまさにその解答でもあります。
今回の展覧会は50年近く教鞭をとられた女子美での展覧会だけあって、生徒たち
との交流の様子や女子美で取り組まれた幅広の注染染めが取り上げられています。
特に感銘を受けたのが先生と生徒の間のコミュニケーションツールであった制作
ノートです。
単に技法の指導だけでなく制作者としての心を伝えるものでもありました。
その内容は学生にとって「魔法のことば」として伝わり、今も宝物のようにノート
を大切に保管している卒業生が多くおられるとか。
作風から温かい人柄の方であろうと想像はしていたのですが、作品の評価会では
決して生徒を叱ることなく、失敗からも個性や可能性を見つけられたそうです。
私も教えるという意味では同じ立場です。
柚木先生のご様子に近づきたいと感じました。
展覧会は10月17日月曜日までと終了が迫っています。
来年1月13日から4月2日まで目黒区駒場にある日本民藝館でも展覧会が予定
されています。
こちらもお見逃しなく!
IROASOBI
学生時代の同級生であるPAKICOさんのさをり織りの個展に出かけて
きました。
「さをり」とは自分の感じるままに、好きに好きに織る手織りだ
そうで、PAKICOさんは5年前から始めたそうです。
本業はプロダクトデザイナーなのですが、流石の色彩感覚です。
会場は美しい色で満たされていました。
会場のcafe gallery Nは軽食、デザートも美味しいお店です。
私も自家製プリンを頂きましたが懐かしい感じのプリンでもちろん美味
でした。
会期は今月30日日曜日まで。
週末の木・金・土・日のみの開催です。
12:00〜19:00
セット作りました
9月7日水曜日に開催予定の「金継ぎ技法で作る箸置き・アクセサリー
作り」のイベント向けにセットを作りました。
これをそのまま使われてもいいですし、一部をお好みのパーツに
入れ替えても構わない簡単セットです。
特に初めて参加する方はパーツ選びに迷ってしまうかもしれません。
個数に限りがありますが、ご検討下さい。
イベントは
9月7日(水) 10:00〜12:00/13:00〜15:00
お問い合わせ&お申し込みはトライラボさんまで。
070-5569-7908
金繕いの世界 講習会終了しました
昨日、NHK学園市川オープンスクールで行った「金繕いの世界
〜愛着のある器を甦らせる〜」という講習会が終了しました。
この講習会は前半で金繕いの歴史から実際の作業がどんなものなのか
画像をふんだんに使ってご説明した後、お手元の直したい器が金繕いが
可能なのか判定し、小皿に蒔絵体験もして頂けるものです。
今回は従来から行なっている桜の花びらの蒔絵に加え、流水紋の置き目の
選択もご用意しました。
桜の花びらにしろ、置き目にしろ、制作される方によって全く違う作品
が出来上がります。
ご説明する側としても楽しみにしているところです。
金繕いの世界と題して歴史を説明する講演会はオンラインを含めて時々
行なっています。
実際の講座ではなかなかお話できない内容なので、機会がありましたら
是非ご参加頂ければと考えております。
講習会「金繕いの世界」
NHK学園市川オープンスクールで「金繕いの世界〜愛着のある
器を甦らせる〜」と題して講習会を行います。
まず金繕いの歴史についてご説明した後、実際の作業について
画像をふんだんに使って解説します。
その後、金繕いの仕上げになる蒔絵体験を行って頂きます。
今回は「桜の花びら」か気軽に取り組める写し絵の「流水紋の置き目」
の選択制です。
お手元の破損した器をお持ち頂ければ、金繕いで修復可能かどうかの
判定も致します。
メディアで話題になっている金繕い(金継ぎ)とはどんなものなのか
覗いてみたいという方には最適な内容です。
ご検討を宜しくお願いします。
7月29日(金) 10:00〜12:00
残席はわずか1席です。お早めにお申し込み下さい!
日本画展 ハシゴ
この時期は日本画家である友人たちがグループ展を開くので、毎年
楽しみにしています。
本日はその展覧会をハシゴしてきました。
●渺渺展
若手作家の集まりによる展覧会。様々なスタイルが見られる。
友人の廣瀬佐紀子さんの作品。
先般の個展に続き、雄大な山岳風景を描いた作品。
空が狭いのは山の迫力を感じながら間近で写生したからこその構図。
合わせて開催されている小作品展は二十四節気をテーマにして
います。
渺渺展では抽象画を描かれていた方が小作品では岩絵具の重なりが
美しい具象画を描かれていたりとチャレンジが見られます。
会期は明日12日日曜日まで。
銀座の東京銀座画廊・林田画廊・ギャラリー和田にて
●こころばえの会
9人の女性作家のグループ展。
今年の試みはお扇子の作品です。
表裏をうまく使った方もおられて、楽しめました。
画像を撮影し忘れました!
会期は本日11日までで、ご紹介できず、残念。
横浜山手西洋館 花と器のハーモニー2022
コロナ禍で中止されていた横浜山手西洋館の「花と器の
ハーモニー」が再開されました。
久しぶりにイベントに出かけ、エリスマン邸の館長をしている
友人にも会えました。
今回のテーマは「山手の丘のウエディング物語」で各館が違う
スチュエーションで展示を行っています。
●山手111番館 ダイヤモンド婚式「永遠の青と白〜ダイヤモンド婚を
祝う〜」
●ブラフ18番館 結婚式お二人のご自宅に招いたようなアットホーム
なウエディング
正直にお伝えすれば展示は以前の2分の1と言っていいくらい縮小
されています。
しかし人数制限をし、一方通行で誘導する工夫をして開催に踏み切った
運営側の努力を評価したいと思います。
会期は6月12日日曜日までと短いのですが、近隣の公園の花々も見頃
です。
合わせてお出かけになるといいかと思います。
密かに金継ぎでアクセサリー
シー陶器、シーグラスで作る金継ぎアクセサリー作りですが、
こっそり続けています。
まずご紹介するのは藤那海工房本漆クラスのOさんの作品です。
青系、緑系で統一し、放射状にレイアウトしたブローチです。
色味でまとまり感がありつつ、レイアウトは個性的。
日常に楽しんでお使い頂けたら嬉しいです。
次は港北カルチャーセンターのTさんの作品です。
多彩な色合わせをまとめたのは流石。
作業も綺麗な方なので完成度も高いです。
左側の作品は教室でお召しになっているエプロンにつけておられます。
同じ教室の方は是非ご注目下さい。
手元にある材料のみになってしまいますが、今年中にまたイベントが
開けたらと考えています。
やってみたい!という方はお声がけ下さい。
映画「金の糸」
現在、岩波ホールで金繕いに着想を得た映画「金の糸」が公開
されています。
生徒さん方からご紹介を受けて見てきました。
内容については監督の言葉を引用したいと思います。
日本人が数世紀も前に壊れた器を金で繋ぎ合わせるように、金の糸で過去を
継ぎ合わせるならば、過去は、そのもっとも痛ましいものでさえ、財産に
なることでしょう。
79歳の女性作家の過去との和解の物語で、金繕いの作品は一部に出てくるに過ぎ
ません。
それも英国在住のアーティストによる金継ぎとダーニングのハイブリットアート
「金継ぎアート」で、私が行っている金繕いとは別世界のものです。
とはいえ金繕いが海外の映画のアイディアソースになったことには変わりはあり
ません。
また舞台になったジョージアの首都・トリビシの旧市街にある中庭を取り囲む
ように建てられた古い集合住宅はとてもいい雰囲気があります。
主人公の住む家のインテリアと共に注目してご覧になるのもいいかと思います。
ご存知の方もおられると思いますが長年ミニシアターの草分けとして親しまれて
きた岩波ホールは今年の7月末で終焉を迎えます。
名残を惜しむ機会にもなるかと思います。
映画「金の糸」の公開は4月15日まで。
会場は整理券番号順に入場しますが、充分に席がある状態でした。