カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景

運搬兼用の室

工房で本漆の受講を始めた方が、とても良い工夫をされていたので
ご紹介致します。
持ち運び兼用の室です。

大きなダンボール箱の中に小さいダンボール箱を伏せて入れてあります。
それをお持ちの器に合わせてくり抜き、器をセット出来るようになって
います。
これで安定して器を持ち運び出来ます。

ご自宅では湿らせたタオルを入れて、このダンボールがそのまま室に
変身するそうです。
これは工房まで車でお出でになるメリットを最大限に生かした方法でしょう。

当工房ではスペースの関係上、器はお預かりしておりません。
しかしお持ち帰りになって頂くことで、ご自身で漆を固化させる方法を
覚えられます。
また接着の際にもズレないようにしっかりチェックが出来ますので、完成度
も高まると考えています。


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お納めしました

先日お納めした金繕いの依頼品を、ご紹介致します。

まずは練り込みのお皿です。
かなりバラバラに割れてしまっていました。

練り込みとは色の異なる粘土を練り合わせて模様を作る技法のこと
で、金太郎飴を想像してもらえばわかりやすいと思います。

お預かりしたお皿は、練り込みが小花柄のように見える可愛らしいものです。
これに金泥の仕上げがとても映えました。
破損上、仕上げが太くなってしまったところは、練り込みの線が続くように
銀泥でラインを入れてあります。
これが持ち主の方に好評だったそうで、一安心しました。

次もお皿の割れです。

こちらは直径25cmほどの陶器です。
仕上げを釉薬の感じに合わせて硫化した銀箔を使いました。
1箇所だけ、黄色の斑点のところは金箔に変えてあります。

どちらもちょっとした工夫ですが、程よく馴染ませた感じが成功して
いるのではないかと思います。


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拭き漆大会拡大中

よみうりカルチャーセンター大宮教室での拭き漆大会は継続・
拡大しています。
それぞれの方で気に入った木地を探されて、挑まれています。

木地の入手先ですが、探しやすいのは漆材料のお店だと思います。
木地を専門にしている業者さんもおられますが、ネットで検索しやすい
という点では漆材料店になるかと思います。

拭き漆向きと明記されている場合もありますが、木目が綺麗なものを
選ばれるのが良いかと思います。
ケヤキを思い浮かべて頂けるとわかりやすいのではないかと思いますが、
他にも木目が美しい樹種はありますので、お好みのものを見つけて
みて下さい。

漆を塗り重ねる度に、どんどん美しさが増すので、ハマってしまう方が
拡大中です(笑)


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世田谷ボロ市2018

今年も原一菜先生の引率で世田谷ボロ市に行ってきました。
今年の狙いは書道用の筆の購入と、何か作品作りに役立つ物の
購入でした。

会場への到着が昼間の都合で17時を過ぎてしまったせいか、どんどん閉店
していました。
いつもチェックしているお店も閉店していたり、違うルートで歩いて新しい
お店を見つけたりと色々ありました。

お店にあまり物がないなと思っていたら、同じ日の昼間に出かけた
生徒さんから身動きも出来ないくらいの混雑ぶりだったと聞きました。
ある程度の売り上げがあったので、早仕舞いだったのかもしれません。

しかし馴染みのお店が出店していなかったのが、いくつかありました。
お店が変わってきているのかと思われます。

目的の筆と、いくつか作品用の器を購入と成果はありました。
作品が出来ましたら、お目にかけたいと思います。


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室キャビネット

拙著にもご案内しております通り、一般のご家庭で室を作る場合は、
段ボール箱の活用をお勧めしております。

私自身も段ボール箱を室にしているのですが、作業部屋が北側にあるため、
この季節は低温になってしまうのが問題でした。
そこで専用のキャビネットを発注してみました。


外観はすでに持っていたキャビネットに合わせた突板です。
内部はホットマットの加熱に耐えられるようにメラミン化粧板にしました。
ホットマットの電源はキャビネット右側から取り入れ、棚板隅の穴でコードが
取り回し出来るようにしてあります。

早速加湿した段ボール箱を入れてみたところ、内部が本漆の固化に最適な
温度湿度を保っていました。

見た目よし、部屋もスッキリで、かなりご満悦です。


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目から鱗の質問2

昨日に引き続き、目から鱗の質問です。
金繕いの講座の見学にお出でになった方から「使えますか?」と
質問がありました。

この質問にはとっさに「使うために直しています。」とお答えして
しまったのですが、よくよくお話を聞くと仕方のない質問だった
のです。

というのもこの方は割れた器を瞬間接着剤で接着されていた為、何度も
剥離してしまうことを繰り返されていたのです。

拙著「金繕いの本」にも記載していますが、瞬間接着剤で接着してしまうと
不本意な形で接着されてしまうので、剥離して金繕いした方が綺麗に
仕上がります。

もう一つの問題が、見学に来られた方が体験したように剥離することにあります。
これは接着剤全般が耐熱温度が60度しかないからです。
よって熱い飲み物を入れる器に顕著に現れます。

剥離する度に接着し直していると断面に接着剤の残りが蓄積し、ますます
接着強度が落ちます。
これは悲しい話です。
「使えますか?」というご質問が出るのも当然です。

「また使いたい」というのが金繕いの原点です。
その言葉に改めて気がつかせてくれた質問でした。


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日本民藝館

先般、旧前田家本邸の洋館と和館をご紹介しましたが、お出かけに
なられたら合わせて「日本民藝館」の見学もオススメ致します。



建物脇にトクサ!

民藝館は「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝
運動の本拠地として柳宗悦によって企画され、1936年に設立されました。

17,000点にも及ぶ柳の審美眼で集められた諸工芸品は、日用雑器を超えて
無心の美や健全な美を宿しています。
展示物だけでなく、建物も時代を経た趣があります。

ある意味、旧前田家本邸とは対極にあります。
2つを見比べることで、なおお互いの良さが際立つように思います。

旧前田家本邸の正門から徒歩10分ほどのところにあります。
見学後、駒場東大前駅に出れば、完璧な見学コースです。

<ランチ>
今回は午前中にボランティアガイドで旧前田家本邸を見学し、敷地内の日本
近代文学館内にあるカフェ「BUNDAN(ブンダン)」でとりました。
高い本棚に囲まれて図書館の中にいるようです。
ちょっとレトロな雰囲気もGood!
ルート的にも良かったので、旧前田家本邸→カフェ「BUNDAN」→日本民芸館
がオススメです。


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旧前田家本邸 和館

先般レポートした洋館に続き、和館もご報告したいと思います。
和館は主に外国からの来賓をもてなすために建てられました。
その他、前田家の行事にも使われています。

1階大広間です。
フォーマルな逆勝手の書院造で、付書院には巨大なケヤキの1枚板が
使われています。

細かい細工がされた欄間です。

池泉庭園には5種類の紅葉が植えられています。
それぞれ紅葉の時期が違うそうなので、これからお出かけになる方は
その時々の紅葉が楽しめると思います。

洋館もそうですが、和館は特にボランティアガイドを受けた方がいいと
思います。
ガイドさん同行だと、通常の見学では見られない2階御居間や茶室も見学
出来ます。

前田家は現代になっても前田家であり続けていると聞きました。
その一端が無料で公開されているのは、とてもありがたいことだと思います。
リニューアルして往年の輝きを取り戻した今、見学されるのをお薦め致します。

<情報>
洋館、和館共、靴を脱いで上がります。
脱ぎ履きのしやすい靴でお出かけになるのは勿論、冬場の洋館は冷えると
思いますので、足元の対策をお考えになった方がいいと思います。


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練香を作る

藤那海工房 西登戸教室をお借りしているKさんはお香の先生
ということで、以前は匂い袋を教えて頂きました。
その続きで今回は「練香」の制作です。

元々は漢方薬の中の香りがいいものだったという材料から、好みの香りを
イメージして合わせていきます。
最後は先生に香りを調整して頂いて、丸薬状に丸めて完成です。

実際使えるのは年末くらいまで、熟成してからです。

実は体調がイマイチだったのですが、元々が漢方薬だったものだからか
何やら元気が出たようです。
嗅覚は人間の五感の中で、最後まで残ると言われています。
香りで刺激を受けたのかもしれません。


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柿の葉寿司 紅葉

頂き物の話で恐縮ですが、あまりに綺麗だったので、ご紹介
致します。

緑の葉の柿の葉寿しは、皆様ご存知かと思います。
頂いたのは、この時期限定の紅葉の葉に包まれた物です。

包みを開けると、目にも鮮やかな紅葉です。
美味しさもひとしお。

試して見たのが、パッケージに紹介されていた「炙り」です。
包まれたままオーブントースターで焼くだけなのですが、温かくなって
味わいも変わります。

今年は塩害の影響で近隣の紅葉は今ひとつのようです。
その分、楽しませて頂きました。


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