カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景
白生地の買い出し 2018
高田馬場にある染色材料店・誠和さんに白生地の買い出しに
行ってきました。
7〜8月はセール期間ということで、ストールの生地がお安くなって
いました。
面白くなるのではと思い、買ってきたのが上の画像の物です。
全体に横糸がシルクなのですが、右側の縦糸が木綿なので、豆汁
下地をしなければ全く染まらないはずです。
太く縦と横に所々入っているのがビスコース。
太い繭状に入っているのは木綿です。
こちらも全く染まらないので、1枚のストールで色々な表情が
楽しめる物になる予定です。
1株枯れてしまった藍ですが、これ以上虫害にはあわないぞという
決意表明の白生地買い出しです。
成田先生から挿し芽で増やす方法があるのでは?というアドバイスを
もらったので、時期を見てチャレンジしようと思います。
上手くいけば失った1株分復活です。
ゴジラの香炉 漆繕い
プロレスラーの藤原喜明さんを、ご存じの方は多いと思います。
雑誌「盆栽世界」を購入して下さった方は、連載ページを見て
頂くと氏の多彩な一面をご覧頂けると思います。
藤原さんの才能の一つが陶芸です。
趣味の域を超えてプロの域に達しておられます。
作られた作品の一つが今回ご依頼頂いた「ゴジラの香炉」です。
頭の部分が別パーツになっており、そこを外してお香を中にセットします。
頭部を戻すと口からお香の煙が立ち上るという仕組みになっています。
焼締の肌がゴジラの感じを出しているだけでなく、背中のヒレの数、形
まで忠実に作られた藤原さんのこだわりが凝縮された一品です。
その大切な品の尻尾の先が割れてしまっていました。
ご依頼は金・銀などで化粧せず、なるべく目立たせないことと
いうものでした。
そこで本漆で接着し、漆繕いで完成させることにしました。
以下の画像は完成したところです。
わかって見なければ気がつかないようにはなったかなと思って
納品したのですが、藤原さんからも「本当にわからないね。素晴らしい。」
とのコメントを頂き、安堵したところです。
ゴジラも尻尾の先を取り戻して威厳が回復したようです。
今回の工夫ポイントは、接着の際のゴジラの姿勢です。
尻尾の接着部が水平になるように固定して固化させました。
また焼締の肌に馴染むようにカッター以外の道具を使って削りの
作業を行ったのも、ご希望の仕上がり感に貢献したと思います。
先般の鹿児島睦さんの板皿の金繕いのブログでも書きましたが、
ご要望に応じて手段は選択しています。
器によって最も良い手段を考え、教室でもお話ししていきたいと
思っております。
ふたもん 梅干しの壺
鹿児島睦さんの話題を続けます。
先般、塩の壺を入手したと書きましたが、購入しそびれた
「ふたもん 梅干しの壺」を入手しました。
塩の壺は塩の色が映えるようにグレーでしたが、梅干しの壺は
紫蘇漬けの赤が映えるように白です。
蓋のレリーフのデザインも違います。
鳥にあしらわれた花は梅でしょう。
ぽってりした形は、何だか幸せになります。
中の大倉さんプロデュースの梅干しを食べてしまった後は、
また梅干しを入れてもよし、他のものを入れても良いかと
思います。
鹿児島睦さんのファンの方、
おむすび まるさんかくのお食事に魅せられている方、
是非お求め下さい!
鹿児島睦さんの板皿 金繕い
このところ特別な金繕いを完成させたので、順次ご紹介したいと
思います。
まず「おむすび まるさんかく」の店主、大倉千枝子さんから
ご依頼頂いた鹿児島睦さんの板皿です。
鹿児島睦さんは、動物や植物をモチーフにした図案を入れた作品が
人気の作家さんです。
ご依頼頂いたお皿は、大倉さんが鹿児島さんに屏風をイメージして
オーダーしたもので、とても思い入れのある作品です。
3枚組の状態が鹿児島さんの作品集にも掲載されています。
それが大きい破片と小さい破片2つに割れてしまいました。
大倉さんからのご依頼は、出来るだけ鹿児島さんの世界観を損なわない
状態で金繕いすることでした。
実は画像に写っている右上の小さい破片と大きな破片には、ひびが
入っていたのですが、これを本漆で直すと、しっかり表面に色が
出てしまいます。
なるべくこれを目立たなくするために、新うるしでの金繕いを選択
されました。
上の画像を見て頂くと、そのひびの入り具合がわかると思います。
さらに仕上げは白い釉薬の部分は金泥で、青い釉薬で図案が入って
いる部分は銀泥で仕上げをしました。
銀泥で仕上げた部分は、いずれ硫化して青い釉薬に馴染んでくるのを
計算してあります。
このあたりはカラーリストでもある大倉さんと綿密に打ち合わせ
致しました。
本来長さのあるお皿の場合は裏面から補強をお勧めするのですが、
3枚組ですので、この1枚だけ補強してしまうと大倉さんが大切に
している鹿児島さんの世界観を損なうことになります。
そこで使用の際には注意して扱って頂くことで、回避しました。
今回の作品のように、ご依頼主からのご要望に出来るだけ応える
のが重要だと考えています。
そのためには「〜でなければいけない」というような固定観念に
固執する必要はないかと思います。
今後は銀泥の硫化の様子で、もうひと手間加えるか否かが課題です。
台湾TOTOのノベルティー
TOTOのノベルティーはヒットが多いのですが、今回はかなり
ツボに入って気に入っています。
奥に写っているライターと大きさを比べて頂くと分かると思いますが、
実物はマッチ箱程度のものです。
製品が入っているダンボール箱を模して、ガムテープの感じも再現
されているのが面白いと思います。
中身は「磁鐡鋏」と書いてあるのですが、クリップなのかマグネット
なのか?です。
中身も知りたいのですが、この状態が気に入っているので開けないつもり
です。
道具入れニューバージョン
セブンカルチャークラブ成田のIさんの道具入れを、ご紹介
致します。
Iさんの道具入れは以前にも紹介させて頂いていますが、筆の先が
つかえてしまうので、新しい形のものを自作されました。
子供用の習字の筆入れに、いらなくなった風呂敷の生地を巻いた
そうです。
ワンポイントの飾りは別のラッピングについていた物を流用された
そうなのですが、誂えたように合っています。
中は太めのストローで仕切りを作ってあります。
これで必要なものが取り出しやすく、整理しやすくなっています。
Iさんはあるものを工夫されるアイディアが豊富で、いつも参考にさせて
頂いています。
道具の整理はリーズナブルで使いやすい物が出来るのが一番です。
筆類の持ち運びに悩まれている方は、どうぞ参考になさって下さい。
音楽に親しむ
昨日、今日と音楽に親しむ2日でした。
まず昨日はよみうりカルチャーセンター大宮教室のKさんが
所属している「三菱UFJ管弦楽団」の定期演奏会に行ってきました。
オーケストラの演奏を生で聴くのは久しぶりです。
会場のすみだトリフォニーホールに展示されていた
船越桂さんの彫刻「水のソナタ」
字幕付きの「くるみ割り人形」や「新世界」など、クラシックに疎い
私でも耳馴染みのある曲で、とても楽しめました。
音が空気の振動と共に伝わる感じ、たくさんの演奏家によって一つの曲が
奏でられる様子は生でなければ感じられないものです。
本日は映画「羊と鋼の森」を鑑賞。
本屋大賞を受賞した「音が聞こえる」と言われた作品が原作です。
青春映画や漫画原作の映画の印象が強い主演の山崎賢人ですが、悩みながら
成長していくピアノ調律師を好演しています。
特に大きな事件は起きないし、もちろんアクションもありませんが、美しい
静謐な映像でとても良い時間を過ごさせてもらいました。
どうもズルズルと24時間仕事状態にしてしまいがちな日常です。
音楽に親しんだ2日で、やっぱり心に栄養を与えなきゃと前向きに
考えました。
ふたもん 塩の壺
「おむすびまるさんかく」と陶芸家の鹿児島睦さんがコラボレーション
した「ふたもん 塩の壺」が届きました。
温かみのあるぽってりした形の壺です。
蓋には鹿児島さんのイラストがレリーフになっています。
中に入っているのは「鳥海 海の泉の塩」です。
海水と伏流水が交わる場所から海水を汲み上げて塩にしたものだそうで、
まろやかな甘みが素材の旨みを引き出すようです。
「おむすびまるさんかく」さんのセレクトですから間違いありません。
これがグレーの壺の中に入ると、塩の白が冴えて見えるように計算されて
いるのです。
パッケージも好みです。
残念ながら対になっている「梅干しの壺」はSOLD OUTして
いたのですが、再入荷の予定があるそうです。
こちらは白い壺で、蓋のレリーフ柄も違います。
きっと白に梅干しの色が綺麗に見えるでしょう。
楽しみに待っています。
スワロフスキーもOK!
先日、金箔を貼った貝合わせには金マジックで色々な物が
合うのではないかと提案したところ、スワロフスキーも
合うのでは?とNHK文化センター ユーカリが丘教室の
Mさんが持ってきて下さいました。
スワロフスキーのタイプライターと香水瓶です。
拝見して思わず「かわいい!」と言ってしまったほどの品です。
どちらも金がワンポイントに使われているので、貝合わせに違和感が
ありません。
Mさんは洋風のものでも合いますねとおっしゃいましたが、その
通りです。
教室の方々からも「これなら通年飾れるのでは?」等々、賛同の声が
上がりました。
どちらもしまっておられた物なのだそうですが、そのようなものが
貝合わせによって使われるのは嬉しいことです。
これも一種の金繕いかもしれません。