カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景

「金繕いの本」が出来るまで5

前回はプロセスページの撮影を行ったと書きました。
続いては、画像の選定です。

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画像でご覧頂けるように、同じようなものが並んでいます。
これは微妙に明るさなどを変えて撮影しているからです。

この中から絵コンテで計画したのに適切なものを選定していきます。

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本全体で300枚ほど画像があったと聞いておりますので、単純に1カット
3枚撮影したと計算すると900枚の画像を撮影したことになります。
実際は採用されなかったものもありますから、何倍にもなると思われます。

絵コンテに画像ナンバーを落とし込んでいくと、まるで複雑なジグゾー
パズルが完成していくように、きっちり当てはまっていくのです。

これは撮影の度にY編集長が整理した画像を送って下さって、撮影漏れが
ないか確認していますから当然と言えばそうなのかもしれません。
とはいえ、この作業で確実に本が完成に近づいていくのを実感しました。


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サンスカーラさんのワークショップ終わりました

昨日ヨガ・ピラティスのスタジオ「サンスカーラ」さんで
ワークショップを行いました。

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金繕いの歴史、修復の工程の説明を聞いて頂いた後、桜の花びらの
蒔絵に挑んで頂きました。
ご参加頂いた方々の作品です。

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三角形のお皿の角を上手く利用したレイアウトが秀逸です。
お食事を盛った時に効果的に花びらが見えると思います。
慎重に作業されておられましたので、蒔いた金の光沢も良く出ていました。

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ピアニストのNさんの作品です。
優しい感じの演奏をされる方なのですが、描かれた花びらは大きく
ダイナミックでした。
中心から外側へ広がっていくレイアウトも面白い!
Nさんの新しい面を見られたようで、それも楽しかったです。

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こちらはAさんの作品です。
一つ一つの花びらの完成度が高く、散らし方も美しいです。
お時間ができたら、ぜひ金繕いを始めて頂きたいと思います。

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スタジオ主宰のMidori先生の作品です。
Midori先生は加賀友禅の下絵の仕事をしていらした経験があるので、
花びらにこだわらず、自由に制作して頂きました。
普通5弁の花を描くのは難しいのですが、綺麗に形が描けていて
素晴らしいと思いました。

皆様楽しんで下さったようで、ワークショップをさせて頂いた充足感
に満たされています。
新しい出会いがあり、本当に良い時間を過ごさせて頂きました。


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「金繕いの本」が出来るまで4

今まで企画書が通り、器を選び、絵コンテを作成したところまで
書いてきました。
いよいよそれぞれの器の金繕いの工程の撮影に入ります。

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撮影は自宅リビングで行いました。
工房の教室にお出で頂いている方にはお馴染みのスペースです。
返す返すも残念なのが、撮影風景をカメラに収めなかったことです。
それだけ懸命で、余裕がなかった証でもありますが。

本を購入して下さった方々から、プロセスページがわかりやすいと
好評頂いていますが、それにはこの撮影の時点の工夫が生きています。

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本には採用されなかった画像です。
下に敷いた白バックの巻きが後ろに写り込んでいます。

バックを白に統一することで、器と作業している手がはっきり
写るようにしたこと、道具・小物等にも気を配り余計な色柄を
入れなかったことなどが大きなポイントです。

この成果が出たのは、ひとえにプロセスの撮影に慣れているY編集長が
カメラマンだったからだと言えます。
こちらの「このように撮影して欲しい」という感じも、このように
撮影すれば効果的というプロデュースも含めて撮影して下さるの
ですから。

しかし撮影期間中は本業の講師の仕事をこなしつつ、合間合間に次の撮影
までに金繕いを進めておくという、体力的にかなり厳しい状況でした。


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2017年のスタート

少々のんびりと新年をスタートさせました。

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そうは言ってもやらなければならないことがあり、ぼちぼちと
仕事は始めています。
また少しずつブログにアップしていきますので、今年も
よろしくお願い致します。


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2016年を振り返って

大晦日、皆様どのようにお過ごしでしょうか。

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上の画像の花束は出版のお祝いに、ある教室の方々から頂戴したものです。
花一輪一輪の裏側に各人のコメントが書かれており、全体で寄せ書きに
なるようになっています。
これを頂いた頃に少々落ち込むことがあったのですが、「これがあれば
頑張れる!」と励みになりました。
本当にありがとうございました。

今年は講師を始めて10年の節目の年でした。
加えて「金繕いの本」を出版するという、大きな仕事も達成
出来ました。
来年は引き続き精進しつつ、しっかりと地に足をつけた仕事を
していきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。


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文房四宝

原一菜先生からお借りし、通読していた榊莫山先生の「文房四宝」
(角川書店)の古書を入手しました。

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文庫本も出ているようなのですが、図版がない可能性があるので、
ハードカバーの古書を探しました。
幸い美本が入手出来、大満足です。

この本は榊莫山先生の四宝に対する愛情と温かみのある文章が一番
の魅力ではありますが、優秀な解説書でもあります。
特に莫山先生が実際に使われている経験をもとに解説されている内容は
とても貴重だと思います。

書道初心者の私は、四宝それぞれの基本的な知識を系統立てて勉強
出来ました。
もし何か文房四宝の本をお探しでしたら、お勧め致します。


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書店で見つける

たまたま立ち寄った書店で、拙著が並んでいるのを見つけました。

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実は書店に並んでいるのを見たのは、初めてなのです。
友人からTSUTAYAで見たよ!と連絡が入ってはいたのですが、
実際自分では見たことがなかったのです。

改めて出版したことを実感しました。


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国産漆のお弁当箱

家人共々お世話になっている坂本鐡司さん制作のお弁当箱です。
坂本さんを囲む会で頂戴致しました。

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開けると国産漆のいい香りがします。

坂本さんは静岡文化芸術大学デザイン学部教授を退官後、鎌倉山漆工房時蔵にて
岡英雄氏に師事。
現在は自宅に工作機械を設置して、作品を制作されています。
NHK朝の人気番組「あさイチ」で作品が紹介されたこともあるとか。

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合わせて頂いた箸箱です。
箸が半分で分かれて収まるので、携帯に便利なサイズです。
表に厚貝がはめられていますが、これは意匠としてだけでなく、蓋を
開ける時の手掛にもなり素晴らしいです。

会に参加した面々それぞれに違うデザインのお弁当箱を頂きましたが、
それを見ていて漆工芸のあるべき姿を見たように思いました。
特に色や形に奇をてらわなくても、十分魅力あるものが作れるのでは
ないかと。

ユニバーサルデザインの世界で著名な坂本さんは、かつて「インテグレート」
(統合する)という言葉を提唱されたと聞いています。
伝統的な漆工芸と現代の感覚がインテグレートされた坂本さんの作品です。
機会がありましたら、是非ご覧頂きたいと思います。


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ランチセット

度々ブログでご紹介していて、ぜひ行ってみたいとお声を頂いている
おむすび まるさんかく」にまた行ってきました。
ランチセットです。

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奥に写っているのがおかずの盛り合わせです。
焼いたイワシの他、優しい味の野菜が盛りだくさんです。

手前のおむすびは、左の白米の塩むすびと玄米の塩昆布の2点。
シンプルですが、ご飯が美味しく、おかずとの相性もバッチリです。
これにお味噌汁がついて、大満足の内容です。

お客様によって器が変わるのも楽しいところ。
盛られる景色で見え方が変わるので、楽しめます。

12月23日(金) 夜7:56〜からのTBS「ぴったんこカンカン」で
「おむすびまるさんかく」が紹介されるそうです。
素敵なお店の雰囲気や、店主・大倉千枝子さんの佇まいをご覧
下さい。


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「金繕いの本」が出来るまで3

前回、器の選定まで書きました。
次のステップは「絵コンテの作成」です。

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絵コンテとは映画や漫画の制作でも作られますが、撮影する工程と
その説明文を落とし込んだものです。
本の内容の原型とも言えます。
これをプロセスを追うページと、画像が入るページ分を作成しま
した。

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途中経過としてブログにアップしましたが、これを作業部屋に貼り、
撮影中と撮影後の確認に活用しました。

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撮影日程が示してあったり、撮影完了として✖️がつけてあったりと、
情報満載です。
この資料も思い入れがあります。


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