カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景
2016年を振り返って
大晦日、皆様どのようにお過ごしでしょうか。
上の画像の花束は出版のお祝いに、ある教室の方々から頂戴したものです。
花一輪一輪の裏側に各人のコメントが書かれており、全体で寄せ書きに
なるようになっています。
これを頂いた頃に少々落ち込むことがあったのですが、「これがあれば
頑張れる!」と励みになりました。
本当にありがとうございました。
今年は講師を始めて10年の節目の年でした。
加えて「金繕いの本」を出版するという、大きな仕事も達成
出来ました。
来年は引き続き精進しつつ、しっかりと地に足をつけた仕事を
していきたいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。
文房四宝
原一菜先生からお借りし、通読していた榊莫山先生の「文房四宝」
(角川書店)の古書を入手しました。
文庫本も出ているようなのですが、図版がない可能性があるので、
ハードカバーの古書を探しました。
幸い美本が入手出来、大満足です。
この本は榊莫山先生の四宝に対する愛情と温かみのある文章が一番
の魅力ではありますが、優秀な解説書でもあります。
特に莫山先生が実際に使われている経験をもとに解説されている内容は
とても貴重だと思います。
書道初心者の私は、四宝それぞれの基本的な知識を系統立てて勉強
出来ました。
もし何か文房四宝の本をお探しでしたら、お勧め致します。
書店で見つける
たまたま立ち寄った書店で、拙著が並んでいるのを見つけました。
実は書店に並んでいるのを見たのは、初めてなのです。
友人からTSUTAYAで見たよ!と連絡が入ってはいたのですが、
実際自分では見たことがなかったのです。
改めて出版したことを実感しました。
国産漆のお弁当箱
家人共々お世話になっている坂本鐡司さん制作のお弁当箱です。
坂本さんを囲む会で頂戴致しました。
開けると国産漆のいい香りがします。
坂本さんは静岡文化芸術大学デザイン学部教授を退官後、鎌倉山漆工房時蔵にて
岡英雄氏に師事。
現在は自宅に工作機械を設置して、作品を制作されています。
NHK朝の人気番組「あさイチ」で作品が紹介されたこともあるとか。
合わせて頂いた箸箱です。
箸が半分で分かれて収まるので、携帯に便利なサイズです。
表に厚貝がはめられていますが、これは意匠としてだけでなく、蓋を
開ける時の手掛にもなり素晴らしいです。
会に参加した面々それぞれに違うデザインのお弁当箱を頂きましたが、
それを見ていて漆工芸のあるべき姿を見たように思いました。
特に色や形に奇をてらわなくても、十分魅力あるものが作れるのでは
ないかと。
ユニバーサルデザインの世界で著名な坂本さんは、かつて「インテグレート」
(統合する)という言葉を提唱されたと聞いています。
伝統的な漆工芸と現代の感覚がインテグレートされた坂本さんの作品です。
機会がありましたら、是非ご覧頂きたいと思います。
ランチセット
度々ブログでご紹介していて、ぜひ行ってみたいとお声を頂いている
「おむすび まるさんかく」にまた行ってきました。
ランチセットです。
奥に写っているのがおかずの盛り合わせです。
焼いたイワシの他、優しい味の野菜が盛りだくさんです。
手前のおむすびは、左の白米の塩むすびと玄米の塩昆布の2点。
シンプルですが、ご飯が美味しく、おかずとの相性もバッチリです。
これにお味噌汁がついて、大満足の内容です。
お客様によって器が変わるのも楽しいところ。
盛られる景色で見え方が変わるので、楽しめます。
12月23日(金) 夜7:56〜からのTBS「ぴったんこカンカン」で
「おむすびまるさんかく」が紹介されるそうです。
素敵なお店の雰囲気や、店主・大倉千枝子さんの佇まいをご覧
下さい。
「金繕いの本」が出来るまで3
前回、器の選定まで書きました。
次のステップは「絵コンテの作成」です。
絵コンテとは映画や漫画の制作でも作られますが、撮影する工程と
その説明文を落とし込んだものです。
本の内容の原型とも言えます。
これをプロセスを追うページと、画像が入るページ分を作成しま
した。
途中経過としてブログにアップしましたが、これを作業部屋に貼り、
撮影中と撮影後の確認に活用しました。
撮影日程が示してあったり、撮影完了として✖️がつけてあったりと、
情報満載です。
この資料も思い入れがあります。
クリスマスツリーコレクション2016
講師の仕事で行く先々にクリスマスツリーがあります。
まずは市川駅前です。
毎年、青のイルミネーションで彩られています。
こちらは港北カルチャーセンターの入っているショッピング
センターの吹き抜けを生かした7Mのツリーです。
それぞれの景色があって、ついつい撮影してしまいます。
ランドマークのクリスマス2016
「金繕いの本」が出来るまで2
前回のブログで企画書から始まったと書きました。
続きの今回は「器選び」です。
金繕いのプロセスを示すのは「新うるし編」「本漆編」「応用編」の
3つで、計13点あります。
まず「新うるし編」では初心者が取り組まれることを想定し、日常生活で
使われるような器、「本漆編」では本格的に取り組まれる方のために、
抹茶茶碗、西洋骨董などワンランク上の器を選定しようと方針が決まりました。
さらに、それぞれの章で提示したい技術があり、それに該当する器を選んで
行きました。
言葉で言うと簡単ですが、条件に見合う欠損があるとは限りません。
金繕い前からプロセスを追って撮影していくので、すでに金繕い中や
完成してしまった器は諦めざるを得ないのです。
もちろん本にふさわしい見栄えも必要です。
Y編集長の意見を聞きながら、原先生と私で、それこそ食器棚を総ざらえ
するように、器を探しました。
それをまとめた表が上の画像です。
これを出版社でも器の種類に偏りがないかなどチェックして頂き、決定と
なりました。
(仮案の器もあります。)
器の選定は、本の印象を決めます。
最初の山場でした。
「金繕いの本」が出来るまで1
トップページやブログでお知らせしているように「金繕いの本」
という金繕いの技法書を出版致しました。
出版までの出来事は得難い経験でしたので、少しずつブログに
アップしていこうと思います。
出版の出だしは「企画書」でした。
原一菜先生が最も信頼するエスプレス・メディア出版の編集長
Yさんとの打ち合わせからスタートしました。
その結果をもとに本の内容を示したものが作られました。
必要ページ数が示され、ほぼ目次に近い内容です。
実は当初の企画書に応用編は入っていませんでした。
しかしここ2〜3年で金繕い(金継ぎ)の技法書はたくさん発行されて
おり、私の本は最後発の状況です。
今までとは違う本を作らなければなりません。
そこで思い切って応用編として技術を出していこうとなりました。
一気に内容が増え、負担も増しましたが、結果的にやって良かったと
思っています。
それはYさんの「その時点での最高を出すべき」「2番煎じはダメ」
という言葉にも現れています。