カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景
幸和ピンセット工業に行く
都内で精密なピンセットを製作しているメーカーがあるというお話を
聞き、実物を拝見しに出かけてきました。
「幸和ピンセット工業株式会社」さんです。
サンプルとして見せて頂いたのが、こんなにたくさんあります。
中にはリード線をロックしたまま保持できるものや、逆ピンセットと言って
押すと開くなど珍しい形のものもあります。
金繕いの作業に使えそうなものをピックアップしたのが、こちら。
細さ、厚み、長さ、端の形状など、微妙な違いでバリエーションがあります。
最も繊細なタイプの先端です。
海外の品でも同様のものはありますが、価格的には3倍以上します。
海外品との違いもお聞きしてみました。
同じステンレスでも素性に違いがあるものを使用していたり、製造工程にも
違いがあるようです。
その結果、錆が出たり、合わせがズレていたりと問題がある製品もあるとか。
つまみ細工やつまみ絵などの工芸の他、まつ毛を扱う美容関係などの
方々が、実物を見たいといらっしゃるそうです。
道具は自分の技術を助けてくれます。
いい道具が欲しいと思うのは、どの世界にも共通かもしれません。
特に幸和さんのように誠実にものつくりをしているところなら、なおさら
です。
最終的にこれはと思うものを購入してきました。
もしワンランク上のピンセットをご要望の方がいらっしゃいましたら、
ご相談下さい。
格闘の証
先日、校正中の様子をアップしました。
校正とは「文字校正」と「色校正」と2種類ありまして、何回か
繰り返して完璧を期します。
これが積み重なって、相当な量になりました。
格闘の証です。
すでに不要となっているのですが、思い入れがあって、まだ保管
しています。
成果は、すでに各教室でご紹介し始めました。
お申し込みを受けておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
校正中
夏頃から何かに取り組んでいるという曖昧情報だけ発信し、
ブログの更新も少なくなっていましたが、そろそろ何を
していたのかお話できる段階まで来ました。
教室によってはお話しているところもありますが、現在、校正という
作業中です。
画像に出ているペン類は、編集の方の「七つ道具」です。
赤と青の鉛筆だったり、ペンだったりを使い分けて修正の指示をして
いきます。
具体的な情報は、また。
ユザワヤ 蒲田店
先日久しぶりにユザワヤ蒲田店に出かけました。
蒲田駅周辺が綺麗になっていたのも驚きましたが、ユザワヤの店舗が
減少していたのにも驚きました。
最盛期には12号館まであったかと記憶しているのですが、現在販売して
いるのは3館のみとなっています。
千葉県内にある店舗も縮小していますが、ユザワヤの状態が工芸の
衰退も現しているようで、切なくなります。
わざわざ自分で作らなくても簡単に、そして安価に物が手に入る現在
ですが、「手仕事」というものの大切さをお伝えしていきたいと
思います。
伝統色の切手
切手を収集しているのではないのですが、手紙を送る際に使える
ように時々記念切手を購入します。
今回購入したのは、「伝統色」というものです。
画像の52円では青〜紫系で、82円ではグリーン系が販売されています。
伝統色というテーマもいいですし、色も綺麗です。
買っても楽しい、送られても楽しい記念切手です。
伊東屋リニューアル
2015年に本館を改築した伊東屋は、従来のイメージとは異なる
ショールームのような店舗になったと以前のブログに書きました。
それがこの9月にリニューアルしていました。
本館の裏側にK.Itoyaという別館があって、万年筆などのパーソナル文具を
扱っていました。
これらが本館に移動し、筆記用具、ノート、文房具といった一般的な
文房具の取扱いが復活したのです。
本館改築時は確かにおしゃれな空間になりましたが、所狭しと商品が
並んでいて、伊東屋に行けば見つかるという期待感はなくなってしまって
いました。
以前伊東屋で購入したペンの替芯ですら扱っていないと聞き、限界が
来るのではないかとは思っていたのです。
もちろん以前程の取扱い量ではなく、厳選されてはいます。
それでも今回のリニューアルにほっとした方は多いのではないでしょうか?
ようやく完成
現在一般に修復のご依頼は承っておりません。
私と個人的にお付き合いのある方のみに限らせて頂いております。
そのご依頼品で完成したものをご紹介致します。
こちらは以前、部分的にご紹介しているかと思います。
自作の磁器で、割れてしまっていたものを接着し、仕上げました。
割れの線が景色になっており、面白さが出たと思います。
こちらは本漆で金繕いしたものです。
実は釉薬に細かいひびが入っており、それらが剥落してしまう
可能性がありました。
そこで生漆をひびのひとつひとつにしみ込ませ、止めています。
よく本漆と新うるしの修復をどのように分けているのか、ご質問が
あります。
この器は本漆での修復が効果的だった典型例です。
完成したばかりの銀粉の仕上げは白く輝いていますが、硫化すると
釉薬に馴染んで自然な感じになると思います。
講座を持っているカルチャーセンターに修復の依頼は可能かと
お問合せがありますが、冒頭の事情でお受けしておりません。
ご了承頂ければ幸いです。
久しぶり過ぎる習字
ここ数ヶ月、書道の筆を全く持っていませんでした。
久しぶりにかなを書いてみたら、案の定、書けなくなって
いました(涙)
金繕いの仕上げの上達のために指導を受けている書道ですが、
今では趣味を聞かれたら「習字です。」と答えたくなるくらい
楽しんでいます。
上達に合わせて道具も良い物が必要になってきます。
かなに関しては、硯と墨をもっといいものを使うようにと
先生から言われていました。
今日やっと工房に金繕いを習いに来ている方からお借りした
硯と墨を試すことが出来ました。
自分が使っていたものより遥かにいいもので、墨をする時間から
墨の色まで違う事がよくわかりました。
やはり道具は大事ですね。
料理好きのうつわと片づけ
知人の大倉千枝子さんが『料理好きのうつわと片づけ』(河出書房新社)
という本で取り上げられました。
このブログをご覧の方は「おむすび まるさんかく」の店主とご説明
した方がおわかりになるかと思います。
その記事の中で私が金繕いした器も紹介して頂きました。
大倉さんが器を破損させてしまったら、金繕いをして大事にしているという
内容です。
本では料理に関わる他7組が紹介されていますが、いずれの方もこだわりの
器が素敵ですし、どのように手入れされているのか詳細に取材されている
のがとても面白いと思いました。
金繕いをされている方は器がお好きな方ばかりですので、きっと参考に
なる内容だと思います。
写真もきれいなので、見るだけでも楽しくなります。
ぜひ書店で手にとってみて下さい。