カテゴリー別アーカイブ: 日常の風景
喫茶店エレーナ
商業施設が充実している神戸の異人館街と違い、横浜の西洋館は
住宅街の中にある洋館を、当時を想像して頂きながらご覧になれるのを
旨としています。
そのため見学の際には、ランチやお茶休憩する場所を考えておく必要が
あります。
私がオススメなのが、「喫茶店エレーナ」です。
西洋館が集中している港の見える丘公園から元町公園あたりまでと、
イタリア山庭園の間に位置しています。
JR石川町駅から山手に登り、ブラフ18番館と外交官の家を見学。
エレーナで昼食を摂って、午後元町公園方面へ行くパターンと、
みなとみらい線の元町中華街駅から山手に登り、山手111番館、
イギリス館を見て、元町公園付近で昼食、その他の館を見学して、
イタリア山庭園の途中でエレーナでお茶というのもいいと思います。
エレーナは、季節の紅茶とスィーツがメインですが、カレーやスパゲッティ
などの軽食も美味しいです。
私が特にオススメしたいのが、サンドイッチなどのパンを使ったランチです。
店主がパンにこだわって手に入れているので、パンが美味しいのです。
特にお気に入りが、ロールパンのサンドイッチです。
高台にあるエレーナの窓からは、港が一望できます。
この景色を見ながらの休憩は、他では得難いものです。
横浜山手においでの際に、お店を探してみて下さい。
ベーリック•ホール パームルームの謎
昨日に続き横浜山手西洋館について、お送り致します。
横浜•山手にある西洋館の中で、最大規模を誇るのが「ベーリック•ホール」
です。
ベーリック•ホールには居間の北側に、サンルームのように見える
「パームルーム」という部屋があります。
では何故サンルームではなくて、パームルームなのか?
インテリア様式に詳しい友人の助けを借りて、その謎を私なりに
考えてみました。
そもそもサンルームは、16世紀のドイツから始まる温室に起源があります。
「オランジェリー」と呼ばれたオレンジを冬越しさせる施設は、18世紀には
社交のための場〜ダンスパーティー会場と変化します。
オレンジや南方の植物は、社交の場を飾るエキゾチックな装飾の一部だった
のです。
19世紀になると熱帯地域の植民地から次々に有用植物や、鑑賞用植物が
持ち帰られます。
それらを育てる施設として温室は、巨大化していきます。
これは産業革命による技術革新で得られた鉄、ガラス、水蒸気による暖房
なくして成立しません。
(例 イギリスのキュー植物園 パーム•ハウス)
巨大化した温室はその後、健康志向の高まりからサンルームとなり、一般
家庭に取り込まれます。
それが20世紀に日本に伝搬し、和洋併立の住宅に併設されます。
(例 東京•岩崎邸)
ではパーム(ヤシ)とは、何なのか?
一つは、温室の代名詞ということが言えると思います。
パーム(ヤシ)は、温室を飾った熱帯植物の代表です。
そしてその温室は、所有者にとっては経済的な余裕を誇示するステータス
シンボルなのです。
そしてもう一つ、パーム(ヤシ)は、様々な宗教、人種の中で、特別な
植物だということです。
これは日本人にとっては少々縁遠いのですが、言い換えれば「生命の木」
という感じでしょうか。
立ち戻ってベーリックホールを考えてみます。
施主のB.R.ベリック氏は、フィンランド領事の顔を持つ公人でも
あったので、パーティースペースやディナー後のティースペースが
必要になったと思われます。
建築家のJ.H.モーガン氏は、流行の建築スタイルに精通しながらも
居住性を重視する建築家であったことから、ベリック氏の執務室を
兼ねた居間の通風、採光を重視したことが考えられます。
これを眺望の良い2階北側ベランダを支える場所としてサンルーム
様のスペースとしたのではないでしょうか?
場所としては北側なので、サンルームではなく「パームルーム」。
パーム(ヤシ)が特別な植物であることを踏まえれば、パームが
出てくるのは自然な発想ではないかと思います。
ベーリックホールのパームルームには、壁泉と呼ばれる噴水があります。
これは世界的にも珍しい例だと聞きます。
ベーリックホールにお立寄になられた際には、ぜひパームルームを
ご覧下さい。
そして私の推論を思い出して頂ければ、嬉しいです。
夏の横浜山手西洋館
ボランティアの関係で、横浜山手西洋館に出かけてきました。
普段の西洋館は華やかな飾り付けはありませんが、その分建物の
美しさが堪能出来ます。
◯山手234番館

○エリスマン邸

○ベーリック•ホール

○外交官の家

○ブラフ18番館

イベントとしては「サマーコンサート」と題して、8月末まで土日を
中心にボランティア演奏家によるコンサートが行われています。
生演奏は心地よいものですが、西洋館の中で聞く演奏は格別かと
思います。
どのコンサートも無料でお聞きになれますので、横浜散策と合わせて
お出かけ下さい。

※ブラフ18番館 100年前のピアノ
ピアノ演奏があるコンサートでは、実際に使われます。
大量入手
粉物をお譲りする時に活躍しているフィルムケースですが、以前ブログで
ご紹介したあと、とても入手しずらくなっていました。
それがとある所で大量入手出来ました。
きっとないだろうと思っていた所だったので、ラッキーな気分に
なりました。
なんでも溜まると業者に依頼して処分しているとか。
時々貰いに来ますとお願いしてしまいました。(笑)
うつわのみせ大文字
青山に出かける用事があり、久しぶりに「うつわのみせ大文字」
に立ち寄りました。
大文字は女性雑誌にも取り上げられることが多いので、
ご存知の方も多いと思います。
作家、産地にこだわらず選ばれた普段使いの器…というお店の説明に
ある通り、上品な器が並んでいます。
そして嬉しいのが、とてもリーズナブルなこと。
一見、敷居の高そうな店構えですが、中に入れば安心されると思います。
上の画像は我が家で活躍中の大文字オリジナルの「平成の染付け」と
命名されたシリーズです。
これは佐賀県立九州陶磁文化館に収蔵されている柴田コレクションに
刺激を受けた店主が企画したものだそうです。
古典的な柄をグラフィックデザイナーがアレンジした、懐かしくも
新しい感じが魅力です。
大文字は、根津美術館と合わせてお出かけになれるところにあります。
普段使いにおしゃれで使いやすい器をお探しでしたら、オススメです。
専用カバー付き
金泥の包みを押さえる粉鎮は、カトラリーレストなどを
流用してもいいのでは?と以前のブログに書きました。
よみうりカルチャー大宮教室のAさんは、ガラスのカトラリーレストを
お使いになっているのですが、これにお手製の専用カバーを作って
いらっしゃるのがとても素敵だったので、ご紹介致します。
不要になった靴下を縫い縮められているのですが、これがクッション性、
フィット感共、とてもいい具合なのです。
見た目も小さな靴下をはいているようで、とてもかわいいです。
私もガラスのボーダータイルを使っていますが、持ち運び中に破損して
しまうのが怖くて、もっぱら自宅用にしていました。
物を大切にし、アイディアもある…お手本にさせて頂きます。
ダイニングテーブル de 講座 接着
5月から始まった「ダイニングテーブル de 講座」土曜日クラスですが、
今月は「接着」でした。
以前のブログに書きましたように、プロダクトデザイナーの方々なので、
カッターなどの工具や、筆には慣れておられます。
そこで通常ではお話しない方法で、接着に取り組んで頂きました。
私にとってもチャレンジでしたが、すでによい結果が出る予感がしています。
全く違う分野から
ナチュラル系の雑貨店で見つけたブラシです。
本来は掃除用として販売されているものです。
これを本漆の道具として使えないかと、購入してきました。
専門の道具店ではないところで使えそうな物を見つけると、何だか
得した気分になります。
さて使い心地はどうでしょうか?
愛用 風呂敷
なるべく実物のサンプルをご覧頂きたいので、教室には様々な器を
持ち込んでいます。
その時に活躍するのが、風呂敷です。
包む物に合わせて形を変え、中味がなくなれば畳んでコンパクトになる
風呂敷の便利さは皆様ご存知のことと思います。
私が愛用しているのは、出身地横浜の「濱文様」という会社の風呂敷です。
横浜は開港後、様々な国外の文化の入り口でした。
捺染と呼ばれる技術は、元々日本が持っていた浮世絵などの木版画の技術と
相まってシルクスカーフへと結実しました。
その技術を風呂敷に転用したのが、濱文様の品物です。
特に私はデザインが気に入っていて、サイズ、柄でいろいろ持っています。
季節季節で新しいデザインが発売されるので、店舗を覗く度に違うものに
出会えるのが楽しいところ。
風呂敷生活、オススメです。














