カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品
堂々たる仕上げ
NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品をご紹介
致します。
益子焼を代表する濱田庄司の縁戚の方制作の湯呑みです。
かなり大ぶりな湯のみなのですが、これが割れてしまっていました。
接着後、欠損を埋め、仕上げして下さったのですが、湯のみの作行きに
合わせて太い線を描かれました。
Iさんはポーセリンアートを長く学ばれているので、糸のように細い線を
難なく描かれる方です。
そのテクニックがあるので、これだけ太い線を描いていてもブレがありません。
堂々たる仕上げに圧倒されるくらいです。
このブログでも度々、仕上げは細い線が正解ではないと書いていますが、
Iさんの作品はそれを証明して下さいました。
拭き漆大会 第2回目
先月から行っている、よみうりカルチャーセンター大宮教室での
拭き漆大会の第2回目です。
参加されたSさんの作品を撮影させて頂きました。
ケヤキの茶托です。
無塗装だったもので水シミが出来ているものすらあったのですが、
見事拭き漆で蘇りました。
2回目ではありますが色味が気に入られたので、これで終了とされる
そうです。
Sさんはこの他、日常で使っているものも拭き漆されたのですが、こちらも
漆の色が入っただけで高級感が増していました。
そんな風に漆に親しんで頂ければ大会の目標は達せられたと思っています。
ちなみにマンゴー(ウルシ科)ですらカブレるSさんを含めて、参加した方は
全員かぶれていません。
日常生活を送っている方に「漆はかぶれるもの」であってはならないと考えて
います。
板皿の窯キズ
NHK文化センター 柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
作家さんものの板皿の窯キズを金繕いされました。
一辺が30cm超の大型の焼締のお皿です。
表面に大きな亀裂と欠けがありました。
立ち上がりの四隅にも亀裂が入っています。
板皿と呼称しましたが正確にはムクではなく、中は空洞になっていて箱が
うつ伏せになったような形です。
そのため四隅に無理がかかり、亀裂が入ったものと思われます。
拙著にも作例がありますように窯キズは独特な方法で金繕いしていきます。
溝の幅によっても手段が変わりますので、着手前に必ずご相談下さい。
また窯キズ独特のセオリーがありますので、それをご理解の上、方針を
お決めになった方が良いと思います。
Kさんの作品は金泥が焼締に映え、さらに器の迫力が増したようです。
飾っておいても使っても楽しめるものになったと思います。
これは誰でも簡単に得られるものではなく、Kさんがコツコツと丁寧に
作業された結果なのです。
あまりにも素敵なので、何とか窯キズのある器を入手したくなって
しまう方が多数現れそうです。
急須の注ぎ口
NHK文化センター 柏教室のIさんの作品をご紹介致します。
急須の注ぎ口が割れて、先端が紛失していました。
紛失してしまった部分は別素材で作られました。
新たに作られた部分は思わず「本当に綺麗!」と口をついて出る程の完成度
の高さです。
これだけ大きく欠損してしまった場合、残った部分から推測しながら作って
いくしかありません。
Iさんは既に水切れを確認されていたのですが、これが気持ちのいい切れ
具合だったそうです。
このことは推測しながら作った部分の正確さを示していると思います。
仕上げは銀泥でなさっていますが、本体が銀色の光彩があるので、とても
合っています。
いずれ銀が硫化しても、馴染んで良い感じになると思います。
こちらはお預かりものなので、返却されます。
きっと持ち主の方は見た目良し、使い勝手良しの完成度に満足されるに
違いありません。
銀杏の抹茶茶碗
藤那海工房 金繕い教室のTさんの作品をご紹介致します。
かなり複雑に割れ、ひびの入ったお抹茶茶碗です。
あまりに痛々しい状態だったので、当初は銀杏を蒔絵して隠すことも
検討されましたが、まずは傷通りに仕上げをして頂きました。
その結果、淡いベージュの地色に金泥が馴染んだので、傷が目立たなく
なったのです。
そこでグリーンの葉の上にかかった部分だけ、色漆で染めるように塗って
頂きました。
実際は画像よりしっかり緑色がわかるので、より金泥の仕上げが目立たなく
なっています。
最近、傷通りに仕上げをするのではなく加飾する金繕いをなさる方が
増えてきています。
しかし安易に加飾に走るのではなく、じっくり器と向き合って、何がBEST
なのか見極めることが必要だとTさんの作品は教えてくれました。
漆繕い
よみうりカルチャーセンター大宮教室のOさんの作品をご紹介致します。
大鉢が割れてしまったのを接着されました。
画像の器、右側の十時に入った線が接着の線です。
ご覧頂いて分かる通り、金属粉での仕上げではありません。
青色の漆で仕上げられています。
このように漆の色で仕上げることを「漆繕い」と言います。
現代では「金繕い」「金継ぎ」がポピュラーになっていますが、陶磁器の修復は
漆の色で仕上げる方法が原点でした。
Oさんの作品の場合、青色が器に入っている元々の柄の色とそっくりで、完成した
状態は元からこの意匠だったように見えます。
漆繕いの成功例と言えるでしょう。
漆繕いは金属粉を使わないので、ローコストと思われる方もおられると思います。
ただお茶道具では「格落ち」と言われてしまうケースもありますので、安易に
飛びつかない方が良いかと思います。
マグカップの把手 補強
NHK文化センター ユーカリが丘教室のMさんの作品をご紹介致します。
マグカップの把手が割れていたのを接着し、補強されました。
補強は把手の内側に竹を入れる方法で行っています。
竹の加工や把手の形に馴染ませるのに時間がかかりますが、Mさんの作品のように
把手の表面に意匠があった場合、損なうことがないのがいいところです。
Mさんが工夫されたのが、把手の表面に出ている割れの線をもう1本描き足して、
元々のデザインのようにされたことです。
内側の金泥の仕上げと続き、さらに馴染みが良くなったと思います。
把手表面の薄紫色と金泥がとても綺麗です。
この美しさは補強の状態を根気よく埋められたMさんの作業の成果です。
こちらはご友人のものだそうで、返却されます。
さりげなく直された様に苦労は伺いしれないと思いますが、きっと喜ばれると
思います。
繊細な縁
NHK文化センター ユーカリが丘教室のNさんの作品をご紹介致します。
繊細な縁を持つ湯さましです。
繊細な縁なので、どうしても欠けやすかったのだと思います。
点々と何箇所か欠けてしまっていました。
薄い厚みの欠けを埋めるのは、とても難しかったのですが、根気よく作業を
続けられ、ついに完成しました。
形、仕上げ共に大変綺麗に出来ています。
こちらは合わせて完成された小鉢です。
割れの線が元の柄と呼応して、一つの意匠になっています。
どちらの作品も丁寧に作業されるNさんならではの完成度だと思います。
それが顕著に現れたのが湯さましです。
時間がかかっても丁寧に作業することによって絶対の満足感が得られると
考えています。
皆様、この満足感に浸ってみたくはありませんか?
珍しい破損
NHK文化センター 柏教室のKさんの作品をご紹介致します。
珍しい破損があったお茶碗です。
金泥で仕上げた線の途中に円が描かれているのが、お分かりになるかと
思います。
これはデザインではなくて、この形通りに欠損があったそうです。
恐らくもう少し衝撃が大きければ表面が円形に薄く削げていた状態に
なったものだと思います。
お茶碗自体に円形の柄が入っているので、それに合わせたようになって
いるのが面白いと思います。
こちらはよくある円盤型の破損ですが、破片あり、ひびあり、欠損部分ありと
変わった形の仕上げになりました。
モダンな瑠璃釉のマグカップなので、金泥の仕上げが映えて面白い仕上がりに
なっていると思います。
柏教室は大きく欠損した器の修復に挑んでいる方が多いのですが、Kさんも
迫力の金繕いに挑戦されています。
こちらの完成も楽しみにしています。
高台の欠け
NHK文化センター 柏教室のTさんの作品をご紹介致します。
色々完成させて頂きましたが、特にご説明したいのが高台が欠けていた
お皿です。
高台に破損があったとしても目に入らない部分のせいか、直さなくても
いいのではないかとおっしゃる方がおられます。
ただ器全体の重さを支えているのは高台ですし、欠けて表面の釉薬が
なくなり素地が見えているのは事実です。
ですので基本的に金繕いされるのをお勧めしています。
Tさんのお皿の場合、主に高台の内側が欠損していたので形がとても
複雑でした。
それを根気よく埋められて形も作り込まれて、完成に至りました。
他にも形が難しいものを金繕いされていますが、その経験が反映されて
画像に写っている小さい欠けやひびは難なく直されています。
フリーカップの欠けですが、ひびを伴い少々複雑な欠けになっていますが、
瑠璃釉に金泥が映えてとても綺麗な仕上がりになっています。
近いうちにTさんの作品をまたご紹介出来ると思います。
こちらも力作なので、お楽しみに。






















