カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品
魅力の線
NHK学園市川オープンスクールの4月から受講を始めた方の
作品をご紹介致します。
ヒビを止めて、仕上げをされました。
ヒビ自体がとても魅力ある曲線を描いています。
これは人が意図して作れるものではありません。
金繕いの面白さは、このようなところにあると思います。
あまり深刻ではないヒビだと、早い段階で仕上げをし、完成させる
ことが出来ます。
これは毎週金曜日を作業する日と決めて、着実に作業して下さった
ことも重要な要素です。
作業前に講座でご説明した内容を記したノートを確認されていると
聞き、とても嬉しく思いました。
講座が月に1回なので、なかなか基本の作業を覚えて頂くのが難しい
と思います。
しかしこのように確認をしながら作業して頂くことが、習熟に結び
つくと考えています。
ダイナミックな線
NHK文化センター ユーカリが丘教室のTさんの作品を
ご紹介致します。
確か菓子鉢としてお使いだったかと思いますが、陶器が割れて
しまったのを接着し、金泥で仕上げられました。
割れの線が、ダイナミックに入っています。
器が大振りなので、この線が効果的な景色となっています。
しかしご本人としては線を均一に描きたかったのが、途切れ途切れに
なってしまったと、少々不本意なご様子です。
これは器の形が複雑で、表面もざらざらしているので、筆の運びが
上手くいかなかったからのようです。
そこでオススメしたのが、筆の号数を上げて太い物を使うことです。
仕上げ用として最初にお求め頂いているのが0号ですが、これは
だいたい1cm角くらいならば楽に仕上げが出来ますが、それ以上に
なると難しくなってくるはずです。
特に今回Tさんが取り組まれた器は、表面のざらざらに負けないように
長い距離を仕上げなければなりませんので、たっぷり新うるしを含ませ
られる太い筆が必要だったかと思います。
筆が太くなると先も太くなるイメージがあるかもしれませんが、
オススメしているメーカーのものですと、穂先が利いているので、
1本で細い線も、ベタ面も仕上げることが出来ます。
ご興味のある方は、教室でご相談下さい。
モダンな仕上げ
NHK文化センター柏教室のUさんの作品をご紹介致します。
横から見ると、きれいな台形をしたモダンな器です。
これが割れたものを接着し、欠損を埋めて金泥で仕上げて下さいました。
割れの接着が難しく、ズレが出てしまったので、それの修正に難儀
されましたが、完成してみると、割れの線がモダンな器にとても
マッチしていて、元からこのデザインだったかのようです。
これが金繕いの面白いところですね。
ところで仕上げが畳つけと呼ばれる高台がテーブルに接する部分に
差し掛かった場合、仕上げを長持ちさせる工夫があります。
そのような修復をなさっている方は、教室でご質問下さい。
表裏
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介
致します。
ご本人は細い線を描く限界とおっしゃいますが、器の感じと
丁度良いバランスだと思います。
ヒビの美しさが自然に表現されているのも、好感度が高い理由
ではないでしょうか。
また釉薬に金泥が映えて、とても美しいです。
面白いのが、器の表と裏でキズの出方が違うということです。
これはあり得ることです。
器の質と、破損の衝撃との兼ね合いで生じたことと思われます。
Hさんは熱心に受講され、練習も怠らないので、どんどん完成度
が高くなっています。
難しいので、もっと上達してからとおっしゃっている器も
積極的にチャレンジして頂きたいと思っています。
マット釉になじむ
藤那海工房土曜日クラスのTさんの作品をご紹介致します。
割れてヒビが入っていたものを、ヒビ止めし、接着されました。
クリーム色のマットの釉薬に金泥が程よく馴染んで、綺麗な仕上げと
なりました。
いざ仕上げとなると腰が引けてしまう方が多いのですが、Tさんは
思い切りがよく、積極的に仕上げに挑戦するところがとてもいいと
思います。
やり直しも厭わず、コンスタントに仕上げをしているので、どんどん
上達しています。
ですので講座の際には、かなり細かいテクニックを解説しています。
ところでマット釉は、やさしい雰囲気が好まれてお持ちの方も多いと
思いますが、修復の際には気を遣わないと仕上がりが損なう場合が
あります。
特に始める前の準備が大切なので、マット釉の器を直されたい方は
事前にご相談下さい。
柄に色合わせ
NHK文化センター千葉教室のKさんの作品をご紹介致します。
桜の花びらで欠けの直しのイメージを掴んでから、実際の
仕上げにチャレンジされました。
画像右下の角を銀で仕上げられています。
仕上げた直後の銀は白くて、お皿の色と馴染んでいます。
このような状態を見ると、銀が格が高いというのがよくわかります。
このお皿は作家さんの作品で、古典文様のような愛嬌のある柄が
描かれています。
Kさんのお考えとしては、少々硫化させて柄の色に馴染むのを待つ
とのことです。
Kさんは、実際の仕上げをしてみて、いろいろなことがわかったそうです。
確かにフリーに描いて構わない桜の花びらと違って、欠損部を隠すように
塗るのは難しいものです。
それが分かって頂いただけでも、大きな第1歩です。
今後どんどん仕上げに挑戦して頂いて、より上達されるのを楽しみに
しています。
大きい欠けの直し
NHK文化センター ユーカリが丘教室のIさんの作品を
ご紹介致します。
大きく欠けていたところを埋め、金泥で仕上げられました。
金泥の直しが、力強い蛸唐草の文様に負けていません。
金泥の光沢感も綺麗です。
Iさんは欠損の埋め方が大変お上手なので、これが仕上げに好影響なの
だと思います。
大きさのある仕上げの場合、小さい仕上げよりも注意が必要になってきます。
これは以前にも書いていることですが、復習を兼ねて再録したいと
思います。
まず新うるしのコンディションが大事です。
粘度はどうか、口金の状態はどうか等で、使う道具も変わります。
さらに塵埃が入らないように器の洗浄から注意し、室内の清掃にも
気を配ります。
テクニックとしては、筆の太さに負うところが大きくなります。
また筆を使わない方法を選択する場合もありますので、欠けの形状に
よってご相談下さい。
最後の工程となる仕上げです。
よりよい仕上げをお考えでしたら、自分はどのようなことをすれば
いいのか、教室でお尋ね下さい。
漆繕いにチャレンジ
先日ご紹介しましたNHK文化センター ユーカリが丘教室の
Tさんは、他にも作品を完成されていますので、ご紹介したいと
思います。
割れを接着して、金泥で仕上げられています。
柄の華やかさと、金泥が相まって違和感がありません。
こちらは漆繕いに挑戦して頂いたお皿です。
ピンクの釉薬が部分的に欠損してしまっていたのを、同色の漆で補い
わからなく仕上げてあります。
金繕いというと、通常は金や銀で蒔絵するのが仕上げとなります。
このお皿の場合、それが違和感を生むと判断し、同色での直しをお勧め
致しました。
このような釉薬に合わせるということこそ繕いの原点なのですが、器の
用途によっては“ごまかし”とみなされ、格落ちとなります。
ですのでこの方法が適当なのかは、あらかじめご相談下さい。
金や銀を使わないことで安価に済むとお考えになったり、簡単に出来る
のではないかと思われるのは、早計です。
実は想像以上に手間がかかるのが、漆繕いです。
13分割 ついに完成!
以前のブログで途中経過をご紹介していましたNHK文化センター
ユーカリが丘教室のTさんの作品が完成しましたので、ご紹介
致します。
何と13ピースに割れてしまったカップですが、これを接着し、
欠損などを埋め、ついに完成しました。
Tさんご本人としては、高台を含む部分が大きい破片で残ったこと、
把手には損傷がなかったことが完成したことの大きい要因だと
おっしゃいます。
しかし何よりもTさん本人の根気の力が一番だと思います。
なかなかここまでの作業は出来るものではありません。
本当に素晴らしいことだと思います。
完成してみると割れの線が、まるで最初からあったかのような
意匠になっています。
頑張ればここまで出来るのだと、是非参考になさって下さい。
さらに高いレベルに
藤那海工房土曜日クラスのTさんの作品をご紹介致します。
窯キズのあった湯のみです。
通常窯キズというと、キズがあったことがわかるように修復する
ことをオススメ致しますが、日常の器ですと衛生面からきれいに
直す場合があります。
今回のTさんの作品もきれいに直して完成致しました。
作家物のお皿です。
かなり複雑に割れていましたが、きれいに接着出来ました。
仕上げてみると、その複雑さがおもしろさになりました。
Tさんは積極的に仕上げをなさっているので、質問も高度なものに
なってきました。
テクニック的なことを説明するのは可能ですが、やはりそれを実行
するのは実践あるのみ。
次回チャレンジしてきて下さるのを楽しみにしています。
土曜日クラスは年齢層も若く、デザインの仕事をなさっている方達の
クラスになっています。
そのためご説明する内容やカリキュラムも、少々一般のクラスとは
変えています。
好奇心旺盛で、何でも吸収していく彼女達に、私も刺激を受ける楽しい
クラスです。

















