カテゴリー別アーカイブ: 生徒さんの作品
仕上げはじっくり
NHK文化センター柏教室のHさんの作品をご紹介致します。
ヒビの直しを仕上げられています。
金の仕上げが器の柄•雰囲気にとても合っています。
画像上部に金の直しがありますが、器の柄に馴染んで、違和感がありません。
Hさんは初めて仕上げをされるにあたって『エア仕上げ』(ご本人談)で練習
を繰り返されたそうです。
これは筆に新うるしをつけずに、器の持ち方や筆の運びをシュミレーション
したことをいうのですが、とてもよい工夫だと思います。
実際新うるしを筆につけますと、シュミレーション通りにはいかないことも
ありますが、イメージができていると随分違うはずです。
なかなか思う太さに線が引けなかったとHさんはおっしゃいますが、現代の
日本人は筆の感覚に慣れがありません。
線の太さは、穂先がどのくらい着地しているかコントロールすることが
必要です。
だんだんとその感覚を身につけて頂ければよろしいかと思います。
開眼する
NHK文化センター千葉教室のAさんの作品をご紹介致します。
口縁右側に金の直し、左端には銀の直しがしてあります。
Aさんは欠損部を埋める作業に悩まれたのですが、ある時コツを
つかまれて、きれいに埋めて来られました。
そのご様子は、開眼という言葉がぴったりでした。
今回ご紹介した器の他、数点仕上げられたのですが、器の釉薬に合わせて
金銀を使い分けたり、器自体の柄に馴染むように大きく直されたりと
仕上げを楽しんでおられます。
仕上げには“でなければならない”といったルールはないと考えて
います。
Aさんのように楽しんで仕上げて頂けたらと思います。
柏教室 仕上げ第1号
NHK文化センター柏教室は昨年10月に開講したばかりの教室
です。
半年経過しまして、完成第1号が出ました。
Nさんの作品をご紹介致します。
どちらもひび割れを修復して頂いた器です。
Nさんは、教室でメモしたものを、ご自宅に帰られてから清書される
という大変真面目な方で、それが仕上げにおいても現れています。
特に上の白いお皿は一度仕上げられたのですが、再チャレンジして
来られました。
格段に上達されており、素晴らしい仕上げになりました。
何度もやり直しされた努力に拍手です。
私も初心者の頃は頑張ってました。
Nさんの作品は、その頃の新鮮な気持ちを思い出させて下さいました。
連絡 Nさん、線の仕上げの修正方法をお話ししそびれました。
次回ご説明致しますので、また器をお持ち下さい。
よろしくお願い致します。
男性陣の仕上げ
従来、金繕いの教室は女性がほとんどだったのですが、最近は
男性の受講者も多くなってきています。
今日はNHK学園市川オープンスクールの男性陣の仕上げを
ご紹介致します。
まずはTさん。
ヘレンドのウィーンの薔薇のカップです。
何度もやり直しをされたそうで、その努力の結果が現れた美しい
仕上げです。
小さいお猪口も、味のある線で魅力的に仕上げて下さっています。
そしてもうお一方。
大皿の直しで、距離も長く大変なのですが、器の大きさに負けない
よいバランスの線が描けていると思います。
仕上げのタイミングを悩まれたそうですが、やり直しをトライ
して頂いている器は、さらに完成度を上げて下さる思います。
男性はどなたも研究熱心で、鋭い質問が飛ぶこともしばしばです。
講師の私もとても刺激になります。
お二人とも続々完成して下さるのを楽しみにしています。
完成しました
よみうりカルチャー大宮教室のYさんの作品をご紹介
致します。
Yさんは、なかなかこだわり派で、下地がしっかり出来る
まで、じっくり作業されました。
他にもたくさん仕上げて頂いたのですが、これらは少々修正
して頂いています。
実は金で仕上げると、下地の凸凹がハッキリと出てしまいます。
ですので下地をきれいにしておくことが、美しい仕上げを作る
と言っても過言ではありません。
そういう意味でYさんが下地の完成度にこだわられたのは、とても
大切なことなのです。
Yさんの作品は今後も続々完成して行きそうなので、楽しみに
お待ちしたいと思います。
ユーカリが丘教室 1日講座終了しました
NHK文化センター ユーカリが丘教室の1日講座が終了しました。
金繕いの歴史から実際の作業までお話してさせて頂きましたが、
皆様熱心にメモを取って下さったのが印象的でした。
蒔絵体験でも素晴らしい作品が出来上がりました。
斬新な構図や、味のあるタッチなど、今後私が参考にさせて頂こうと
思っています。
※制作直後に撮影させて頂きましたので、皿に金泥が残っています。
仕上げデビュー2
NHK学園市川オープンスクールで金繕いの講座を受講
している方の仕上げを、もうお一人ご紹介致します。
Sさんの仕上げデビューです。
お抹茶茶碗の仕上げです。
末端が細くなっており、きれいな仕上げです。
金泥と釉薬の相性もとても良いです。
器のぽってりとした感じに合った仕上げの線です。
大胆に描き上げた感じも、好感度が高い理由でしょう。
仕上げの線は細い線が描けると“すごい”と言われますが、何でも
細い線がよいとは限りません。
Sさんの作品のように、器との相性が大切だと考えています。
また仕上げの線は蒔下の新うるしが硬化したあと、修正が可能
です。
あまり気負ずにトライして頂ければ宜しいかと思います。
仕上げデビュー
昨年10月から開講したNHK学園市川オープンスクールでも
仕上げをされる方が出てきました。
今回ご紹介するのは、Hさんの作品です。
もともと金彩の入っている器なので、金泥の仕上げが馴染んでいます。
ラインを描くのに苦労されたそうですが、初めての仕上げにしては
大変きれいな線が描けていると思います。
こちらは銀泥で仕上げて来られました。
銀泥は金泥より蒔くタイミングが難しいのですが、とても良い
タイミングで蒔けていると思います。
銀の変化を待たれるそうなので、どんな色になるのかも楽しみ
です。
立体物である器に震えないで線を描くには、器や筆を固定する
ポジションを見つけて、呼吸を止めないのが大事です。
特に筆は手を浮かせて描くのは難しいので、小指を器に着けて
描くのも安定させるひとつの方法です。
箸の接着
よみうりカルチャー大宮教室のKさんの作品をご紹介
致します。
陶磁器の修復の金繕いではなく、折れてしまったお箸の
接着です。
画像の真ん中に写っている細くなった部分が折れてしまっていました。
これを軸を入れて接着し、欠損してしまった部分を補って頂き
ました。
あとは色とツヤを戻していくだけです。
軸を入れているので、強度的にも安心な状態になりました。
軸入れ、接着から欠損部埋めの作業は、なかなか難しいのですが、
Kさんは完璧に作業して下さいました。
完成前の、この段階でも美しい仕事に感動です。
このようにお箸を直したいというご要望は多いです。
どうぞ一度教室にお持ち下さい。






















