カテゴリー別アーカイブ: 貝合わせ
小さい箔ハサミ
切り箔を扱う場合、小さい箔ハサミがあると便利です。
以前のブログで家庭用品を利用した手作り箔ハサミを
ご紹介しました。
画像奥のものがそれです。
(手前は市販の物を自分で削ってカスタマイズした物)
正体は平串で、作り方は簡単です。
1.長さ10cmにカッターで切る
2.カッターで厚み1.5mm程度に薄く裂く
3.端材を2cmほどの長さにして根元に入れ、木工ボンドで接着
この時、先端が開くように端材を詰めると良い
4.輪ゴムで締めて1週間置く
5.和紙を木工ボンドで根元に巻く
乾燥したら完成です。
手間がかかる割に見た目がどうだろう?という思いが吹っ切れず、
新たに市販の物をカスタマイズしようと購入してきました。
このぼんやり丸い先端を加工するのも、それなりに大変ですね。
貝合せの修理
ご縁があって、貝合せの修理のご依頼を受けました。
落としてしまわれて、かなり深刻なひびが入っています。
画像の状態はひび止めを行なったところです。
ひびの中に粉砕した貝の粉が入り込んで、上手く合わなくなってすら
いたのですが、何とかぴったり収まったようです。
とはいえ表面に深刻な亀裂が残っています。
今後はこの溝を埋めて、蒔絵を行う予定です。
今回の品は内側の絵付けが修復に耐えうる素材で描かれていたので
修理が可能でした。
何でも金繕いの技法で修理出来ますとは言えないと思います。
ハマグリ貝 割れます
とても硬いイメージがあるハマグリ貝ですが、落としてしまえば
割れてしまいます。
画像は昨年末の貝合わせの講座で私が取り落として割ってしまった
ハマグリ貝です。
せっかく制作されて、あと少し修正してお持ち帰りというところで
粗相してしまいました。
本当に申し訳ないことをしたとお詫びの言葉もありません。
しっかり修復してお返しする予定です。
という訳でハマグリ貝は割れます。
取り扱いにはご注意下さい。
以前にも磨きの説明の途中で落としてしまったことがあり、やはり
割ってしまったのですが、今回の件でいよいよ自分の手元に自信が
なくなりました。
講座中、立ったままご説明することが多いのですが、今後はなるべく
座らせて頂いて、ご説明しようと思っています。
どうぞご理解下さい。
スワロフスキーもOK!
先日、金箔を貼った貝合わせには金マジックで色々な物が
合うのではないかと提案したところ、スワロフスキーも
合うのでは?とNHK文化センター ユーカリが丘教室の
Mさんが持ってきて下さいました。
スワロフスキーのタイプライターと香水瓶です。
拝見して思わず「かわいい!」と言ってしまったほどの品です。
どちらも金がワンポイントに使われているので、貝合わせに違和感が
ありません。
Mさんは洋風のものでも合いますねとおっしゃいましたが、その
通りです。
教室の方々からも「これなら通年飾れるのでは?」等々、賛同の声が
上がりました。
どちらもしまっておられた物なのだそうですが、そのようなものが
貝合わせによって使われるのは嬉しいことです。
これも一種の金繕いかもしれません。
モダンな貝合わせ
NHK文化センター柏教室のTさんの作品をご紹介致します。
金箔が光ってしまって、見にくい画像ですみません。
金箔を貼った上にフリーハンドで線を描き、金泥と銀泥を蒔いた
大変モダンなデザインです。
金、銀の光沢違いで見せるところも、面白い選択です。
貝合わせというと花鳥風月を描かれる方が多いので、このような
モダンなデザインはとても斬新です。
まだまだTさんにはモダンデザインの構想がたくさんありますので、今後
の制作も楽しみにしています。
桃太郎
セブンカルチャークラブ成田教室のAさんが、岡山で購入
された桃太郎の土人形を持ってきて下さいました。
金箔を貼ったハマグリ貝の貝合わせにぴったりです。
通常、豆雛をオススメしているのですが、小さいものなら
何でも合いそうです。
これは「金」マジックではないかと思いますが、これも良い
のではという物がありましたら、是非ご紹介下さい。
小さめハマグリ貝
先日、ひな祭り向けに販売されていた小さめのハマグリ貝を
購入しました。
片手に納まる、香合に良いサイズです。
ひな祭り頃には、このサイズが販売されていることが多く、昨年も
購入しました。
残念ながら煮沸中に1個が割れてしまいました。
かなり弱火で加熱していたのですが、天然の物なので致し方ないと
思います。
このまま水に浸けて1か月後、磨けるようになります。
割れた貝も接着すれば使える可能性があるので、一緒に浸け込みました。
千葉県は産地があるので入手がしやすいのですが、他の地域はひな祭り
以降、市場から一旦姿を消します。
その後、初夏に稚貝の「ぜんな」が出てきます。
こちらも愛らしいので、お好みであれば入手下さい。
金繕いのカリキュラムでは、金箔の扱いを学んで頂くために貝合わせの
制作をして頂いています。
大きさに決まりはありませんので、入手出来る時にお求め下さい。
貝合わせに豆雛
3月3日を過ぎると、カリキュラムで作った貝合わせと雛飾りの
様子を報告して下さる方がおられます。
そのうち実際飾ったものをお持ちくださったセブンカルチャークラブ
成田教室のKさんのお持ち物をご紹介致します。
貝合わせの制作段階で、こげ茶色の貝をとても気に入っておられました。
この渋い色はなかなか貴重な色で、私も大好きです。
合わせた豆雛はしまい込んでおられたものが復活したそうです。
土人形かと思われますが、ひなびた表情が何とも愛らしい一品です。
貝の傾斜で寄り添ってしまうのも、またいい感じです。
貝合わせの制作で、雛が再び活躍するというのは嬉しいお話です。
ぜひKさんのように生かしてみられて下さい。
乾燥させないで!
金繕いの教室では金箔の扱いを学んで頂く為に、貝合わせの
カリキュラムを入れています。
そのためのハマグリ貝は召し上がったものを水につけて頂く
ことから始まります。
1か月以上水に浸けておくと、表皮や蝶番が柔らかくなって磨き
やすくなります。
そのため磨き方の説明には水に浸った状態を維持してお持ち
頂くことが必要なのですが、このところ貝を水から引き上げて
カラカラに乾燥させてお持ちになる方が多くなっています。
この状態では表皮も蝶番もカチカチに乾燥していて磨くことは
出来ません。
1か月水に浸したものが全てご破算になってしまうのです。
大事なのは1か月以上水に浸すことではありません。
柔らかくなっていることなのです。
お勧めはビショビショに濡らしたキッチンペーパーに包んで、
ジップロックの袋などに入れてお持ちになることです。
浸していた時間を無駄にしないよう、お願い致します。